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関西テレビに山本浩之というアナウンサーがいる。


▲山本浩之アナウンサー


平日夕方の「スーパーニュース」でアンカーを務めているという。

東京では残念ながらその活躍を見ることはできないが、

関西地方では、お茶の間の人気が高いアナウンサーだそうだ。

なんと、キャラクターグッズまで販売されているという。

その人気の秘訣が、視聴者の目をくらますほど光り輝く

ハゲ

である。

山本アナはそのハゲを十二分に活用し、

バラエティ番組に出演した際には、

「ハゲハゲビーム」

などと、もちネタのギャグを連発。

鉄板ネタのようで、会場とテレビの前は爆笑の渦。

アンカーとして、お堅いニュース番組を取り仕切るだけでなく、

お笑いの分野でも活躍しているようなのだ。


この山本アナ、十年以上前はなんとカツラを被っていたという。

ヅラアナだったのだ。

阪神大震災の惨状を伝える山本アナは髪がふさふさしていた。

国会でおしあいへしあいの取材をする山本アナの髪は

乱れつつもふさふさしていた。

その頃、20代後半。

やはりテレビにうつるアナウンサーとしては、

自分の髪を相当気にしていたのだと思う。


だが、彼は1998年、深夜の情報番組で突然告白した。

「自分はヅラアナである」と。

そして、ヅラを脱ぎ捨てた。偽りの自分から卒業したのである。


そこからである。山本アナの快進撃が始まったのは。

そのヅラからの卒業は、特異な“事件”として、

スポーツ紙などが大々的に扱った。

そのおかげで、山本アナは一気に人気者に。

バラエティ番組で引っ張りだこ。

「ハゲハゲビーム」の自虐ネタも大ヒットとなり、

彼の人生は一変した。

ハゲを告白することで、自然体の自分を出せるようになり、

それが、切れのある仕事にもつながっていった。

自分の劣等感をポジティブシンキングにより克服し、

スターダムにのし上がったのだ！


これは、髪の薄い人たちへの強烈なメッセージのように見える。

いいじゃないか。ハゲだって。

逆にそれを利用するくらいのタフさがあったほうが、

かっこいいし、人生面白愉快に過ごせるじゃないか。


山本アナはその体現者である。


僕の中で三本指に入る邦画『Shall we ダンス？』に

僕が大好きなシーンがある。

竹中直人が大会に出場したとき、

ライバルにヅラを触られたり、ずらされたりして、

それが気になって踊りがうまくいかない。

そこで彼は、一大決心をして、ヅラを脱ぎ捨る。

すると、踊りに切れが出る。

ハゲにとっては、実に痛快で心がスッとするシーンである。


ハゲはこうしたヒーローを求めている。

そしていつか自分もそんなちっぽけなことを気にせず、

堂々とハゲ野郎として生きていきたい。

そう、願っている。


山本アナと竹中直人。


僕も彼らのかっこいいハゲ道を見習いたい。

参考：
朝日新聞の山本アナの記事

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