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2018年07月13日
大人向けの児童書――どんな本をお探しで?
こんにちは!
とおのです。
今回は、大人向けの児童書について書いていきます。
結論を言ってしまうと、「なんでもおすすめ!」です。苦笑。
そこまで、つらつら書いていきますね。
なお、「児童書」と「児童文学」を意図的に使いわけていることを、頭の片隅にでも置いておいていただけると幸いです。
それでは、行ってみましょう!
大人向けの児童書って、何?
「児童書 大人向け」で検索している人が、それなりにいるみたいです。
でも、この言葉自体、不思議だと思いませんか?
児童書=子ども向けの本
だから、
大人向けの児童書=大人向けの子ども向けの本
ってなるじゃないですか!
……可能性を考えてみましょう。
まずは言葉のあやとして、①本当は「大人向けの本」だけど見かけが「子ども向けの本」という解釈。
つまり、「子ども向けの本」という形を借りた、大人向けの本。
(例えば、建前=子どもを楽しませること、本音=社会風刺、のような作品です)
これはいわゆる、「児童文学の名作」と言われるものの大半ではないでしょうか。
もちろん、現代の児童文学にも、そういうものはあるはずです。
こちらをお探しなのは全く正当で、今回、あれそれと言及するつもりはございません。
次に、②本当は「子ども向けの本」だけど「大人向けの本」でもあるという見方。
ざっくり言ってしまえば、万人向け、ということになります。
ここで、1つ疑問がわきました。
それならなぜ、わざわざ「子ども向けの本」を求めているのか?
万人向けが読みたいのに、「大人向けの本」ではいけない理由は、なんでしょう。
児童書って何?
「子ども向けの本」(=児童書)の価値を見いだすために、それ以外の本との違いを考えます。
まず、児童書が大人向けの本とどう違うかというと、第一には、扱えるテーマ・語彙・表現方法が限られている、ということです。
エログロが制限されるのはもちろん、労働や政治などは、あまりテーマにされませんよね。
また、メッセージを暗に示したり、皮肉で伝えたりなどは、あまり有効には思えません。
意味が分からなくては、楽しむ以前の問題です。
第二には、より飽きさせない工夫がなされている、ということ。
子どもは、大人より飽きに敏感です。
大人なら「今のところ微妙だけど、この後で面白くなるかも?」と様子を見てしまうところを、子どもだったら、スッパリ読むのをやめます。
子どもが面白く感じる、いわんや大人をや。なんですね。
じゃあ、ラノベとの違いは?
「児童文庫がラノベ化している」なんて記述をしばしば見かけます。
わたしは、これはイラストに限った話だと思っています。
最近の作品は、ことごとくラノベやマンガで描いている方が挿し絵担当です。わーい、どれもかわいくて好きです!
じゃ、なくて。
キラキラな見た目でエンタメ性が強調されすぎて、その俗っぽさが鼻につくのかしら、なんて推測しています。
でも、ラノベはそもそもティーンから大人向けに書かれているわけですから、上で挙げたテーマ・語彙・表現方法が、かなり解禁されているのです。
したがって、児童書のラノベ化は、起こりえないのではないでしょうか。
どんな本をお探しで?
以上より、わたしの見解としては、②の「大人向けでもある児童書」はあるはずがなくて、「児童書向きの大人」がいるだけなんじゃないか、というところです。
明快なテーマで、背伸びしない語彙で、素直な表現で、飽きる間もないワクワクが欲しい。
そんな方が、児童書を求めているのでは、ないでしょうか。(ブーメラン! わたし、大人じゃないけど!)
ですから、もし、おすすめを知りたいのなら、「大人向けの児童書」ではなく、
@→名作あるいは、考えさせられる児童文学
A→読みたいジャンルの児童書
を探せばいいと思います。
子どもに面白いお話が、大人に面白くないはずがないんです。
だから、児童書を、児童書として探せば、いいんです!
うまく伝わったかしら……。
それではまた!
とおのでした。