混戦場所で番付上位の奮起が望まれる中、その上位陣のふがいなさが露呈される一日となった。
結びから残り4番。最初に臨んだ大関正代(30=時津風)が棒立ちのまま明生(27=立浪)に押し出されたのが悪夢の始まり。貴景勝(26=常盤山)に、かど番の御嶽海(29=出羽海)と大関陣が3戦全敗。あまりのふがいなさに「(番付を)ちゃんと自覚してほしいですね」と苦言を呈した日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、大関昇進後の自らの現役時代の「自覚」を振り返った。「勝たなきゃいけないというプレッシャーは、もちろんあった。私の場合は、とことん稽古して自信をつけるしかなかった。それでダメなら仕方ない。稽古量は(三役時代より)増えた。稽古しないと勝てないと思ったからね。負けても下を向いちゃいけない。稽古をやってるんだから、負けるわけがないと思って挑んでいきましたよ」。
だが、最後のとりでとなった横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)も平幕の宇良(30=木瀬)に、いいように相撲を取られ黒星。同理事長は「(照ノ富士は)まわしを取りにいっていない。上体だけで突っ張って、今は相撲がバラバラ。足が動いていない」と横綱の現状を分析しながら、報道陣との電話取材を切り上げた。番付上の横綱、大関全員が負けるのは06年秋場所6日目(横綱朝青龍、大関白鵬、千代大海、魁皇、琴欧州、栃東)以来、場所日も同じちょうど16年ぶりの横綱・大関陣総崩れとなった。
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