2018年06月07日
おばあちゃん、ありがと
これは私が小3か小4の2月の話だったと思う。
父と弟と母と寝ていた私は、夜中の2時ごろ急にふと目を覚ました。
ぼんやりした意識の中で見えたのは、枕元に座っている4歳ぐらいの小さな子――。
最初は寝ぼけて●●(弟の名前)かな…と思いながら私はいつの間にか眠りについていた。
30分ぐらいしただろうか、私は再び目が覚めた。
その子は、まださっきと同じところに座っていた。
よくよく見て見ると、この子、女の子だ。
青白い光に包まれていて、おかっぱの昔の格好をした子だった。
その時は、不思議と怖くなかった。
隣を見ると弟はすやすやと寝息を立てている。
じゃあ、この子はいったい誰?
そう思うと急に怖くなってきた私は、隣にいる母にしがみ付き、
目をつむっていたらいつの間にか眠っていた。
それからは、特に何もなく数日たったある日の夜。
プルルルルプルルルル。
電話に出たのは私だった。
「もしもし?」
電話をかけてきたのは母の兄、私の叔父にあたる人だった。
「もしもし?●●(私の名前)ちゃん?」
「あ!おじちゃん!?どうしたの?」
「ママに代わってくれる?」
なんとなく私はいつもとは雰囲気を感じた。
いつも面白く笑わせてくれるおじちゃんの声が何となく低く感じた。
「わかった。今から代わるね。」
電話を切った母の声は、震えていた。
「ばあちゃん、亡くなったって・・・」
信じられなかった。
最期に、12月に会ったときはあんなに元気だったのに。
「元気でね、また遊ぼうね!」
そういったじゃない。
お葬式に行って、ばあちゃんの死に顔を見て思った。
前会った女の子にどこか似ている、と。
もしかしたら、あの時わたしにお別れを言いに来てくれたのかも。
子どもだったときの姿で。
その時いろんな感情がごちゃ混ぜになって、それが涙となってこぼれてきた。
今、私は中1。
今でもあの夜のこと、あの女の子の顔、全部覚えてるよ。
そうか。
そうだったんだね。
私にお別れを言いに来てくれたんだね。
天国で幸せにしてるかな。
ばあちゃん、ありがとう。
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