2018年06月27日
中国は仮想通貨への再参入に備えているのか
事実上、仮想通貨の取引を禁止している中国が、再び参入するとの観測が強まっている。
中国政府は2017年9月以降、国内の仮想通貨取引所を閉鎖し、仮想通貨で資金を集めるICO(Initial Coin Offering)を禁止するなど、仮想通貨を事実上禁止しているが、規制以前は、世界でもっとも仮想通貨の取引が盛んだった。
関係者の間では、中国政府が仮想通貨取引を認める方向にかじを切れば、市場が大きく動くとみられている。
きっかけは、中国共産党の「人民日報」系の英字紙が掲載した1本の記事だった。
英字紙Global Timesが2018年5月30日付で「単に中国のビットコインに『ノー』と言うよりも、規制を改善するほうが賢明だ」の題で論説を掲載した。
この記事は、「一夜にして人をとんでもない大金持ちにし、翌日には破産させる」と仮想通貨の投機性の高さを指摘したうえで、「複数の分野で改革が続き、経済にとって金融システムの安定が非常に重要な時期に、中国政府が取引所を取り締まったことには意味がある」と評価。
そのうえで、「ビットコイン・バブルを恐れていては、中国はデジタル通貨革命から取り残される」と主張した。
さらにCNBCなどの報道によれば、習近平・国家主席が5月28日、演説の中で「AI、量子情報、モバイル通信、IoT、ブロックチェーンに代表される新世代のテクノロジーは、画期的な応用を加速している」と述べたという。
実際、仮想通貨の取引が禁止された後も、中国国内ではブロックチェーン関連のプロジェクトは盛んだ。
上海で6月13〜15日に開かれた、家電・技術見本市CES Asiaでも、ブロックチェーン関連のスタートアップ企業が事業計画を発表するセッションが開かれていた。
「時期は読めないが、政府が仮想通貨の取引を再び認める準備をしているのは確実だ」
上海市内で仮想通貨関連の事業の立ち上げを進めている企業の経営者は、こう話す。
2017年秋に人民元と仮想通貨の交換が規制され、取引所が閉鎖されたものの、水面下では、仮想通貨の取引は続いているようだ。
「人民元との交換は難しいが、個人間の仮想通貨の取引や、外国の取引所での仮想通貨の取引は続いている」という。
日本と中国の貿易で、日本の商品を仕入れた代金の支払いに、中国側の会社がビットコインを用いるケースもあるという。
6月上旬には、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行が、ブロックチェーン技術を用いた電子小切手のシステムを開発していると報じられた。
この経営者は「人民銀行が、デジタル人民元を発行する可能性もあると思っている」と話した。
一方、Global Timesは6月5日付で「中国でビットコイン取引を再開する時期はまだ訪れていない」とする記事を公開。
さまざまな憶測を呼んだ5月30日付の記事の火消しを試みたようだ。
引用元:BUSINESS INSIDER JAPAN
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180626-00010001-binsider-int
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