●まずはおさらい!
本業としてどこかの企業に勤めている場合
その企業と雇用契約を結んでいますよね
そして、その雇用契約書(またはその覚書)に賃金に関する事柄が書かれているはずです
大抵は、基本給が〜〜とか、超過勤務手当(残業手当)の割増率は〜〜%だとか
いろいろと書かれていると思います
普通、この契約書の隅々まで確認する人は多くないと思います
この契約に従って賃金が支払われるわけですが、
雇用契約に好き勝手書いていいわけではありません
労働基準法には最低ラインが書かれていて、それを下回る契約は無効とされます(労基法13条)
●さて、超過勤務手当の計算方法
前回の記事副業の前に・・・本業での報酬を確実に・・・を読んでいただくとして
重要なのが1時間当たりの給与(基準賃金・・・時給)です。
この1時間当たりの賃金の計算方法ですが、
基本給 ÷ 1か月あたりの所定労働時間 ・・・ ではありません
この事は、前回生地の中に厚生労働省が川崎北労働基準監督署の発行しているパンフレットをリンクしていましたので、このリンクをもう一度以下に示します。
割町賃金の計算方法@厚生労働省
これによると、1時間当たりの賃金額の計算方法が1ページ目の中ほどに説明されています。
そして、最初の基本給 ÷ 1か月あたりの所定労働時間 ・・・ ではありませんと示したように
誰もが基本給をベースに計算してしまっていると思います(私も先週まではそうでした)
しかし、顧問の弁護士先生から教えて頂いたのが、正しい計算方法でした
これが、先ほどの厚生労働省の資料の1ページ目の下三分の一程度のところに説明されています
●給与明細を見て
支給欄には、いろいろな項目があると思います
それを一つ一つ見ていくと、基本給から始って、交通費(通勤手当)とか、住宅費、皆勤手当て、扶養てあてなど、いろいろとあります。
これらの様々な賃金の内、厚生労働省は、割増賃金の基礎となる賃金から除外できる手当は次の7種類のみ
@家族手当
A通勤手当
B別居手当
C子女教育手当
D住宅手当
E臨時に支払われた賃金
F1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
だそうです。
つまり、例えば、基本給以外に、資格手当とか危険手当とか、はたまた偉い人の役職手当は算定基礎に入る
と言う事です。
●実際に
基本給 : ¥150,000
資格手当 : ¥20,000
危険手当 : ¥30,000
役職手当 : ¥60,000
通勤手当 : ¥9,000
住宅手当 : ¥16,000
皆勤手当 : ¥5,000
合計支給額: ¥290,000
となります。
この時、残業(=超過勤務)をした場合
この企業の1か月所定労働時間が172時間(21.5日✕8時間)だった場合
1か月の算定基礎額は・・・上記の金額の後ろにが付いているもの
すなわち、¥150,000+¥20,000+¥30,000+¥60,000の
¥260,000となるわけです
よって、1時間当たりの賃金は、¥260,000 ÷ 172 = ¥1,511 になります
決して、 ¥150,000 ÷ 172 = ¥872 ではありません。
みなさん、一度ご自分の給与明細を見直してみてください。
私と同様に損している方が多い筈です。
ちなみに、超過勤務手当の割増賃金率は、法で2割5分から5割までの間となっています。
まぁ、労働組合が異常に強い企業でない限り、2割5分だと思われます
つまり、先の例でいえば
¥260,000 ÷ 172 ✕ 1.25 = ¥2,267 となりますね
計算し直してみてください。 ご自分の給与明細で