2017年09月30日
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とても分かりやすく解説されているレビューを見つけたのでご紹介いたします。
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平均寿命の延びとそれに伴う価値観の変化を予見した本
投稿者古舘 健ベスト100レビュアー2016年10月26日
先日、読んだ「一流の人は、本のどこに線を引いているのか」の中で、「『ちがい』をつくりだそうとするとき、もっとも恐ろしいのは時代の価値観そのものがかわってしまうことだ。」という箇所がありました。
参考:一流の人は、本のどこに線を引いているのか (P156) 土井英司(著) サンマーク出版
価値観の変化をうまくとらえた人が次の時代をつくっていきます。しかし、価値観の変化を予測するのは難しい。ヒントになる本をさがしていたところ本書を見つけました。本書が注目したのは、これから平均寿命が延び続けるという事実です。
「若い人ほど長く生きる可能性が高い。10年ごとに平均2〜3年のペースで平均寿命が上昇していることを考えると、2007年生まれの50%が到達する年齢が104歳なら、10年前の1997年生まれの人の場合、その年齢は101〜102歳という計算になる。(P43)」
平均寿命が延びると、教育、仕事、引退といった従来の生き方が変わります。なぜなら、引退後の時間が延びるため、従来の生き方では引退後の残った人生を支えられなくなってしまうからです。そんな中、本書が提示するのは、仕事に囚われない多様な生き方です。
「人生が短かった時代は、『教育→仕事→引退』という古いステージの生き方で問題なかった。しかし、寿命が延びれば、二番目の『仕事』のステージが長くなる。(中略)
選択肢を狭めずに幅広い指針を検討する『エクスプロラー(探検者)』(中略)自由と柔軟性を重んじて小さなビジネスを起こす『インデペンデント・プロデューサー(独立生産者)』(中略)さまざまな仕事や活動に同時並行で携わる『ポートフォリオ・ワーカー』(P4-5)」
仕事に囚われない新しい生き方が人生の選択肢になると、お金に変えることができない無形の資産が重要になります。
スキルや知識、仲間、評判という生産性資産、健康、友情、愛などの活力資産、そして変身資産、3つの無形資産の中で私が一番注目したのは、健康という資産に投資することです。
「長寿化時代には、健康の価値がいっそう大きくなる。(中略)100年以上にわたりマルチステージの人生を生きるためには、健康を維持することがきわめて重要だ。不健康の代償は、経済面でもそれ以外の面でも甚大なものになりかねない。
(中略)無形の資産への投資の一環として、適切な食事を維持し、運動を習慣づけるべきだ。(P144)」
健康に対する投資は、病気がない段階の予防です。しかし、日本の医療制度は、予防を行うことができません。無形資産のどこに、いかに投資すればいいのかを考える必要がありそうです。他にもためになる考え方やヒントがたくさんありました。これから確実に起こる平均寿命の延びとそれに伴う価値観の変化を予見した一冊をぜひチェックしてみてください。
以下は、本書の抜粋です。ためになった箇所を一部、抜粋しご紹介します。
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P142
「評判は、コミュニティがその人に対していだく判断、評価、認識の枠内で形成される。その結果、評判は重要な無形の資産であると同時に、非常に複雑な性格を持っている。それは、みずからのこれまでの行動の産物であり、みずからの生産性に大きな影響を及ぼすものでありながら、自分で完全にコントロールすることはできないのだ。」
P164
「新しい人的ネットワークを築けば、古い友だちの一部と疎遠になることは避けられない。(中略)あなたのことを最もよく知っている人は、あなたの変身を助けるのではなく、妨げる可能性が高い人物なのである。その人たちは多くの場合、あなたがいままでどおりで変わらないことに最も多くの投資をしている人間だからだ。」
P226
「エイジとステージが切り離されれば、さまざまな年齢層が混ざり合う機会が飛躍的に増える。エイジとステージが一致していた時代には、同じ世代の人たちはたいてい同様の経験をし、同様の行動パターンに従っていた。」
P306
「現状では、高出世・高所得のキャリアを目指す人にとって、仕事をしない期間を設けたり、柔軟な働き方をしたりすることは得策ではない。(中略)ウィリアム・フォークナーの小説にあるように、『一斉行進から脱落すれば、踏み殺されかねない』のである。
しかし、柔軟な働き方を求める個人のニーズが高まれば、全員を同じスケジュールで長時間働かせたい企業のニーズとの間で激しい衝突が起きるだろう。」
P351
「人生の最大のイベントは出産と子育てだった。そのような時代には、長生きをすることに進化上のメリットはなかった。しかし、寿命が延びれば、人生のなかで子育てに費やされない期間が長くなる。その結果、友だちづき合いが生活の中心になる時期が新たに出現するかもしれない。そうした友人関係が新しい生活の『核』になり、(中略)」
P360
「計画と準備の重要性が増すのは、個人の選択の幅が広がるからだ。一貫性をもたせなくてはならない人生のステージの数が増え、悲惨な結果につながりかねない選択をしてしまう機会も増える。」
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◆目次◆
序章 100年ライフ
第1章 長い生涯
第2章 過去の資金計画
第3章 雇用の未来
第4章 見えない「資産」
第5章 新しいシナリオ
第6章 新しいステージ
第7章 新しいお金の考え方
第8章 新しい時間の使い方
第9章 未来の人間関係
終章 変革への課題
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さいごまで読んでくださり、ありがとうございます!
ぜひチェックしてみてください
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以上が全文ですが読んでみて、するすると読み進め、かつ興味をそそる文章、さすがです!!
…と思ったらやはりベストレビュアー100に選ばれていらっしゃる方だったのですね!!
文章の書き方、すごく勉強になります。
ちなみに参考として挙げられていた本はこちらでした。レビューを読んでいるとこちらも読んでみたくなりますよね。うーん、素晴らしい文章力ですね!!
参考:一流の人は、本のどこに線を引いているのか (P156) 土井英司(著) サンマーク出版
新品価格 |
追記:こちらの本は色々なところで話題になっているそうで以下追記しておきます。
内容紹介
■20万部突破! ずっと売れてます!
■リンダ・グラットン、政府の「人生100年時代構想会議」に起用!
■テレビ東京「ガイアの夜明け」、NHK総合「おはよう日本」、NHKEテレ「ニッポンのジレンマ」など各メディアで大反響!
■読者が選ぶビジネス書グランプリ2017にて、総合グランプリ受賞!
■ビジネス書大賞2017にて、準大賞受賞!
■「人生100年時代」ムーブメントのバイブル!
■反響の声続々! あらゆる世代から圧倒的支持!
>誰もが100年生きうる時代をどう生き抜くか。
働き方、学び方、結婚、子育て、人生のすべてが変わる。
目前に迫る長寿社会を楽しむバイブル。
世界で活躍するビジネス思想家が示す、新しい人生のビジョン。
みんなが足並みをそろえて教育、勤労、引退という
3つのステージを生きた時代は終わった。
では、どのように生き方、働き方を変えていくべきか。
その一つの答えが本書にある。
100歳時代の戦略的人生設計書。
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