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2017年06月29日
【落語】古今亭志ん生、桂米朝、そして桂枝雀
もっといるだろうけれど、なにしろこの三人だ。この三人の落語こそ至高だと思っている。実際寄席にいくのではなく、昔はカセットテープで聞きまくっていて、今はCDや(少ないけれど)ストリーミングサービス、DVDでの視聴。面白いものは何度聞いてもおもしろいし、笑える。
いや、実際心の底から「どうして落語を聞く人は多くないんだろう」と疑問に思う。そりゃ「番頭」とか「丁稚」とか「へっつい」とか古めかしくて馴染みのない言葉は出てくるけれど、基本的に普通に理解できる日本語だから言葉の壁も厚くない。もちろん古典芸能としての感動みたいなものはあるけれど、そういうのは置いておいてもげらげら笑えるのだ。
とは言ってもどれもこれもという訳にもいかない。志ん生がやっても大して面白くない場合も少なからずある。同じ演目でも枝雀だと面白くて米朝だとそこまで面白くないということもある。とりあえず、自分が何度も笑い転げたり、面白いと感じたものを列挙してみる。
【古今亭志ん生】
「子別れ」「唐茄子屋政談」「品川心中」「火焔太鼓」「妾馬」「後生うなぎ」「あくび指南」「黄金餅」「宿屋の富」
古今亭志ん生は、素で話しているときも落語をやっているんじゃないかというくらい天然落語家。普通に話しているだけでも面白い。「子別れ」「唐茄子屋政談」は人情ものとして、長く、面白く、かつほろりとする物語。長いのに飽きさせないのはやっぱりすごいと思う。「品川心中」はバカ話で素直に笑える。「火焔太鼓」の一攫千金は夢見ます。「後生うなぎ」はもう笑うしかない。ちなみに「黄金餅」の一節はヒトラーの演説に合成されたものがYouTubeで出回っている(出回っていた?)が、これも最高。
【桂米朝】
「阿弥陀池」「たちぎれ線香」「地獄八景亡者戯」「抜け雀」「親子茶屋」「帯久」「五光」「宿屋仇」「住吉駕篭」
弟子の枝雀がテンションを振り切って笑わせるのに対し、米朝は話にすっと引き込まれるタイプ。笑いもさることながら、「たちぎれ線香」や「帯久」のような人情ものでは心を震わせてくれる。語りがうますぎるので、何度もきくと、そっくりそのまま覚えてしまえるくらいだ。「地獄八景亡者戯」や「親子茶屋」「住吉駕篭」は、場面場面がはっきり脳裏に浮かぶほど。
【桂枝雀】
「池田の猪飼い」「つぼ算」「地獄八景亡者戯」「七度狐」「青菜」「つる」「幽霊の辻」「くしゃみ講釈」「はてなの茶碗」「寝床」「饅頭こわい」「口入屋」「貧乏神」「宿替え」「持参金」「時うどん」
師匠の米朝とはまったく芸風が異なる。もう少しくだけて、バカっぷりが大きくなる。「地獄八景亡者戯」は米朝とともに面白いけれど、枝雀のほうが笑いがわかりやすくていいかも。「青菜」は最初桂ざこばで聞いて、そこそこ面白いと思っていたのだけれど、枝雀で聞いてその笑いのレベルの高さに驚いた。「はてなの茶碗」のような人情ものでは、笑いながら心も揺さぶられた。米朝と同じ演目を聞き比べたことも何度かあるけれど、枝雀に軍配が上がることが意外に多かった。「阿弥陀池」「住吉駕篭」は米朝、「つぼ算」「くしゃみ講釈」「はてなの茶碗」などは枝雀に軍配が上がる。
落語の楽しいところって、同じ演目の聞き比べもそうだけれど、江戸落語と上方落語で同じ話を異なるタイトル、落ちは同じでもそこそこ違うストーリーでやるのものがあるのがいいですね。「あくび指南」と「あくびの稽古」とか「時そば」と「時うどん」とか。当然だけれど、方言も異なる。
最後に、自分がそうだからというわけなんだけれど、DVDよりもCDがお勧め。目で楽しむ部分ももちろんあるのだけれど、話を聞きながら頭で想像しているほうが自分ははるかに楽しい。
いや、実際心の底から「どうして落語を聞く人は多くないんだろう」と疑問に思う。そりゃ「番頭」とか「丁稚」とか「へっつい」とか古めかしくて馴染みのない言葉は出てくるけれど、基本的に普通に理解できる日本語だから言葉の壁も厚くない。もちろん古典芸能としての感動みたいなものはあるけれど、そういうのは置いておいてもげらげら笑えるのだ。
とは言ってもどれもこれもという訳にもいかない。志ん生がやっても大して面白くない場合も少なからずある。同じ演目でも枝雀だと面白くて米朝だとそこまで面白くないということもある。とりあえず、自分が何度も笑い転げたり、面白いと感じたものを列挙してみる。
【古今亭志ん生】
「子別れ」「唐茄子屋政談」「品川心中」「火焔太鼓」「妾馬」「後生うなぎ」「あくび指南」「黄金餅」「宿屋の富」
古今亭志ん生は、素で話しているときも落語をやっているんじゃないかというくらい天然落語家。普通に話しているだけでも面白い。「子別れ」「唐茄子屋政談」は人情ものとして、長く、面白く、かつほろりとする物語。長いのに飽きさせないのはやっぱりすごいと思う。「品川心中」はバカ話で素直に笑える。「火焔太鼓」の一攫千金は夢見ます。「後生うなぎ」はもう笑うしかない。ちなみに「黄金餅」の一節はヒトラーの演説に合成されたものがYouTubeで出回っている(出回っていた?)が、これも最高。
もう一度聴きたい 古今亭志ん生十八番集 [ 古今亭志ん生[五代目] ] 価格:7,983円 |
【桂米朝】
「阿弥陀池」「たちぎれ線香」「地獄八景亡者戯」「抜け雀」「親子茶屋」「帯久」「五光」「宿屋仇」「住吉駕篭」
弟子の枝雀がテンションを振り切って笑わせるのに対し、米朝は話にすっと引き込まれるタイプ。笑いもさることながら、「たちぎれ線香」や「帯久」のような人情ものでは心を震わせてくれる。語りがうますぎるので、何度もきくと、そっくりそのまま覚えてしまえるくらいだ。「地獄八景亡者戯」や「親子茶屋」「住吉駕篭」は、場面場面がはっきり脳裏に浮かぶほど。
価格:9,599円 |
【桂枝雀】
「池田の猪飼い」「つぼ算」「地獄八景亡者戯」「七度狐」「青菜」「つる」「幽霊の辻」「くしゃみ講釈」「はてなの茶碗」「寝床」「饅頭こわい」「口入屋」「貧乏神」「宿替え」「持参金」「時うどん」
師匠の米朝とはまったく芸風が異なる。もう少しくだけて、バカっぷりが大きくなる。「地獄八景亡者戯」は米朝とともに面白いけれど、枝雀のほうが笑いがわかりやすくていいかも。「青菜」は最初桂ざこばで聞いて、そこそこ面白いと思っていたのだけれど、枝雀で聞いてその笑いのレベルの高さに驚いた。「はてなの茶碗」のような人情ものでは、笑いながら心も揺さぶられた。米朝と同じ演目を聞き比べたことも何度かあるけれど、枝雀に軍配が上がることが意外に多かった。「阿弥陀池」「住吉駕篭」は米朝、「つぼ算」「くしゃみ講釈」「はてなの茶碗」などは枝雀に軍配が上がる。
価格:23,652円 |
落語の楽しいところって、同じ演目の聞き比べもそうだけれど、江戸落語と上方落語で同じ話を異なるタイトル、落ちは同じでもそこそこ違うストーリーでやるのものがあるのがいいですね。「あくび指南」と「あくびの稽古」とか「時そば」と「時うどん」とか。当然だけれど、方言も異なる。
最後に、自分がそうだからというわけなんだけれど、DVDよりもCDがお勧め。目で楽しむ部分ももちろんあるのだけれど、話を聞きながら頭で想像しているほうが自分ははるかに楽しい。