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2017年01月04日

衝動篇〈グレーテル〉四章

一節

あなたは兄様?
いいえ、違います。
あら、そうですか。死んでください。

あなたは兄様?
はい、そうです。
はやめて。死んでください。

少女は最早、彷徨う凶器
現実逃避の、悲しい狂気

苦しくつらいの中。
ここから連れ出してくれるのは――

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posted by 白の書 at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衝動篇

衝動篇〈グレーテル〉三章

一節

ふらふら歩く、の森。
ガサゴソ聴こえる茂みの音。

ねえ、兄様。怖いです。
私に何かお話をして?
……ふふふ、そんなの嘘でしょう?
兄様ったら冗談ばかり。

幸せそうな笑みを浮かべて、
少女は1人でお喋りをする。
闇に覆われたのはの方?
それとも、少女の心
でしょうか?

それは本人さえも、わからない。
暗く深い迷いの森。

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posted by 白の書 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衝動篇

衝動篇〈グレーテル〉二章

一節

ある日、卑劣
妄執が出会った。

いつもの通り、シンデレラは
言葉の刃を投げかける。
いつもの通り、少女は
鳥籠の中の首に話しかける。

一方的な言葉
噛み合わない会話

相手を傷つけて楽しむ、
卑劣を謡う灰かぶり。
けれど彼女は、
珍しくを顰めた。

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posted by 白の書 at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衝動篇

衝動篇〈グレーテル〉一章

一節

少女は呟く。
ここはどこ?

ああ――私は私。
愛しい兄様、御機嫌よう。

あら?なぜ武器を持たせるの?
これで殺すの?
誰を?どうして?
作者を復活に必要だからと
言われても、私には何もわかりません。

でも、兄様がそう言うのなら殺します。
絞った贄の甘い血
とろけるお菓子を作りましょう。

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posted by 白の書 at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衝動篇
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