あなたは兄様?いいえ、違います。あら、そうですか。死んでください。
あなたは兄様?はい、そうです。嘘はやめて。死んでください。
少女は最早、彷徨う凶器。現実逃避の、悲しい狂気。
苦しくつらい森の中。ここから連れ出してくれるのは――
ふらふら歩く、夜の森。ガサゴソ聴こえる茂みの音。
ねえ、兄様。怖いです。私に何かお話をして?……ふふふ、そんなの嘘でしょう?兄様ったら冗談ばかり。
幸せそうな笑みを浮かべて、少女は1人でお喋りをする。闇に覆われたのは道の方?それとも、少女の心でしょうか?
それは本人さえも、わからない。暗く深い迷いの森。
ある日、卑劣と妄執が出会った。
いつもの通り、シンデレラは言葉の刃を投げかける。いつもの通り、少女は鳥籠の中の首に話しかける。
一方的な言葉。噛み合わない会話。
相手を傷つけて楽しむ、卑劣を謡う灰かぶり。けれど彼女は、珍しく眉を顰めた。
少女は呟く。ここはどこ?私は誰?
ああ――私は私。愛しい兄様、御機嫌よう。
あら?なぜ武器を持たせるの?これで殺すの?誰を?どうして?作者を復活に必要だからと言われても、私には何もわかりません。
でも、兄様がそう言うのなら殺します。絞った贄の甘い血でとろけるお菓子を作りましょう。
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