純白の正義と黒灰の卑劣。あまりにも相性は最悪で、笑えるほどに正反対。スノウの瞳は嫌悪を浮かべ、シンデレラの口元は嘲りに染まる。
許せない。殺したい。ぐちゃぐちゃにしたい。正したい。
作者の復活のためにその欲望を真綿で包み、二人は視線を交わし合った。
それは決して理解し合うことのない嫌悪の同盟。
12時の鐘に怯える自分はもういない。魔法をかけた魔女もかぼちゃの馬車も必要ない。
彼女はそれだけの強さを手に入れた。ああ、それなのに。
この忌々しいガラスの靴だけ捨てられないのは何故だろう?
ある日、卑劣と妄執が出会った。
いつもの通り、シンデレラは言葉の刃を投げかける。いつもの通り、少女は鳥籠の中の首に話しかける。
一方的な言葉。噛み合わない会話。
相手を傷つけて楽しむ、卑劣を謡う灰かぶり。けれど彼女は、珍しく眉を顰めた。
シンデレラは嘲笑う。今さら得た命なんて何になる?
どうせなら楽しく使わなきゃ。自分を馬鹿にした母と姉たち。優しいだけの間抜けな王子様。全部ぜーんぶ書き換えよう!
その為には、とても面倒くさいけど。死者の国からクソ作者にお出まし願わねば。それには供物が必要だ。
シンデレラは笑う。これから重ねる犠牲の数を数えて。
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