退職間際の平凡な医療系職員です

ハリー杉山さんは、芸能界で司会、モデル、バラエティ番組のコメンテーター、俳優などマルチタレントとして人気があり、現在も活躍中です。実は、彼のお父さんであるイギリス人ジャーナリストのヘンリー・スコット・ストークスさんが認知症を患っており、2022年3月に新型コロナウイルス感染による急変で亡くなられたことについて、当時の様子をヤフーニュースで語られていますので紹介したいと思います。

ハリー杉山さんのお父さんであるヘンリー・スコット・ストークスさんは、2012年頃から、それまでは新聞記者として活躍していた経歴を持ち、誤字・脱字のない綺麗な文書でのやり取りが主だったそうですが、次第に間違いが増え、ガスの切り忘れやパジャマを着たまま仕事に行く、夜中に外出するなどの異常な行動が見られるようになり、病院を受診した結果、認知症とパーキンソン病の診断を受けたそうです。

当時20代だったハリー杉山さんは、夢にも想像していなかった現実に「ショックが大きすぎて、当時のことをあまり覚えていない」「殴っても、命を奪ってもおかしくなかった」と、当時の心境を振り返っています。

ウィンチェスター・カレッジ卒業後、投資銀行に勤務しながら資生堂、ユニクロ、リーバイスなどの広告に出演。また、ルイ・ヴィトン、エルメス、ミッソーニなどのファッションショーにも出演し、スペースシャワーTVや『日本縦断!杉山ハリーのスペシャキャラバン』、『魁!音楽番付EIGHT』などにも登場。さらに、駐日英国大使館から「食の親善大使」に任命され、国際的な活動も行っています。

ハリー杉山さんは、2012年に認知症とパーキンソン病の診断を受けたお父さんであるヘンリー・スコット・ストークスさんを、2015年までの3年間、自宅で介護されていたそうです。当時は認知症についての知識がなく、相談相手もいなかったことから、心身ともに限界を感じたそうです。「穴が開くほど壁を殴ったことがある。今思えば父を殴っても、命を奪ってもおかしくない精神状態だった」と壮絶な経験を語っています。

ヤフーニュースでは、具体的な病名までは明かされていませんが、認知症とパーキンソン病の診断を受けており、レビー小体型認知症の可能性があるとも考えられます。レビー小体型認知症は、睡眠障害や幻視、幻覚、体が動きにくくなるなどの症状があり、薬の副作用でも似たような症状が現れることがあります。家庭での介護は非常に大変だったと推察されます。

ハリー杉山さんは、2015年に限界を感じ、デイサービスの利用を経て、お父さんを施設介護に移行しました。その後、家族の負担は大きく軽減されたそうです。2015年中には施設に空きが出て、入所が決まったそうで、その後7年間、施設で介護を受けることになりました。施設の介護職員の対応についても感謝の気持ちを語っています。

ハリー杉山さんは、介護施設での経験から「一定の距離を保つこと」「無理をしないこと」「安心感を持つこと」が認知症介護において大切だと学びました。彼は、「認知症と対峙する」から「認知症と向き合う」という心の変化が起こったと話しています。家族が全力で介護することが本来の役目と思うあまり、視野が狭くなることがあると感じたそうです。

2022年3月頃、血中酸素濃度の低下により、新型コロナウイルス感染が疑われ、施設から連絡を受けたハリー杉山さんは急行しました。病院に空きがなく、翌日に入院することになったものの、ハリーさんは「人工呼吸器はつけない」「胃ろうもしない」「最後は一緒に過ごしたい」という思いから、お父さんを施設に戻す選択をしました。その後、3週間後にお父さんは施設で最期を迎えました。ハリー杉山さんは、介護施設で働く職員に対し「社会を支えるヒーローです」との感謝を伝えつつ、職員の労働条件や環境の改善が必要だと感じたと述べています。