とても良い記事だ。
この記事だけでもボリュームいっぱいだが、続きもあるようだ。
おすすめ。
Yahoo!より、
ほぼ左右対称にデザインされた美しい天守を持つ、松江城の戦慄の仕組みとは?観光客が気づかない戦闘的な構造
7/5(金) 11:02配信
JBpress
https://news.yahoo.co.jp/articles/b06c10ebbea860e11a81256d5f004c34c367504a
記事より、
(歴史ライター:西股 総生)
●日本の城の魅力が揃う松江城の巡り方(前編)
■ 怖いほど戦闘的な構造をもった要塞
松江城天守は、なぜ左右ほぼ対称にデザインされたのだろうか? 現地を歩きながらいろいろ考えてみたのだが、縄張との関係で天守のデザインが決定された、というのが筆者の見立てである。どういうことか。
まず、本丸の虎口と天守との位置関係のため、正面から本丸に入ると、必然的に天守を斜めの角度で見ることになる。また、本丸は南北に長い形をしていて、天守がその奥まった位置にある上に、本丸・二ノ丸とも正面側の石垣が高い。このため、大手口から入ると、天守を斜めの角度から眺めながら本丸へ導かれることになる。
一方で、この天守は、怖いほど戦闘的な構造をもった一個の要塞でもある。全体のデザインがよくまとまっているので、パッと見には気付きにくいが、よく見ると、壁一面に無数の狭間が並んでいる(実際、ほとんどの観光客は気付いていない)。
室内側から見るとわかるが、この狭間はコンクリ天守の作り物の狭間とは違って、一つ一つ角度がついていて、鉄炮を構えたときにちゃんと狙いが決まるようになっている。もちろん、膝撃ちの姿勢をとったときに、ドンピシャの高さに配されている。天守内部を見学するとき、ぜひ確認してみよう。
この狭間には、蓋がしてある。実際に戦闘態勢に入るときは、窓の突き上げ戸とともにバタバタッと開くのだろう。情景を想像すると19世紀の戦列艦みたいで、城の本質が軍事施設であることを再認識させられる。
もっとも戦慄すべきは、天守の入口に設けられた付櫓だ。天守へは付櫓を通らなければ入れないのだが、天守本体との間が鉄張りの分厚い扉で遮断できるようになっている。おまけに、天守の内部から付櫓に向かって、狭間がいくつも切ってあるのだ。付櫓に侵入した敵を、天守からの射撃で殲滅するための装備で、原理としては枡形虎口と同じだ。
このあたりの戦闘的な造りは、さすが堀尾プロデュースの天守である。
タグ:松江城
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