アフィリエイト広告を利用しています

2024年10月19日

f1156 強制移住


南端に浮ぶ周囲12キロ、ハート形の黒島には遠い昔、溢れんばかりの人口があり、一大文化圏を形成していたという説がある。
ある説によれば、人口1万人はいたであろうという人もいる。
真意の程は定かでないが、1700年、鳩間島へ60人が強制移住、3年後には更に500人が強制移住させられたという記録が残っている。
その記述が本当ならば、黒島の住人は千人や二千人ではなく、一万人説もおかしくない。
それ以降も石垣島等へかなりの人が強制移住させられたという。
1500年代から600年代にかけて、日本では武士が勢力争いをしていた頃、この島は幸せで豊かに、文化を謳歌した人達がいたと思われる。
島には、特に豪族らしきものは無い、また貨幣なるものも見当たらない。
人々は物々交換、海から獲れる膨大な魚介類、御嶽を中心にお互いの門中が、仲良く生活していたと思われる。
島には墓は有るが、お寺は一軒も無い。法事は自宅で親族同士で行う。御嶽は健康子孫繁栄、豊作祈願の太陽崇拝の場で、親族同士が門徒である。
島には人が溢れ、耕作地を岩の上まで広げたという、その痕跡は今でも残っている。
岩の上に出来る作物など、あるはずがないと思って、古老に聞くと、事もなげに粟なら十分作れるとの事だ。
言われてみれば60年前、島には粟が野生化し、野生のウズラがたくさんいた。
ウズラの卵、仕掛けでウズラを捕らえて食した事を思い出す。
また、御嶽は今でも十数カ所残っている。直径2キロちょっとの島に、本土では考えられない十数カ所の御嶽の跡が残っている。
沖縄本島にある御嶽は、久高島に島々を作った神様が降り立ったという事で、久高島を向き、御嶽信仰が行われているという。
しかし450キロ離れたこの島には、そのような信仰は無関係のようだ。
理解出来ないのは、島の十数カ所の御嶽は、それぞれ方向がバラバラで、統一されていない。こんな小さな島で統一されない疑問、不思議である。
御嶽は本土でいうお寺みたいな存在だが2キロ前後の空間に、これ程のお寺なり、御嶽があるような地区はないだろう。
この島を調べていくと、不思議な事だらけだ。

1155 北海道のおばちゃん


島の民宿では夕食後、泡盛がただで振舞われる。
中庭の大きなテーブルで、星空を眺めながら、お互い自己紹介をし観光客は談笑。
ふらりとその輪の中へ入っていくと、島の人だという事で話を聞きたく、周りに集まってくる。
北海道から来たという、60歳過ぎのおばちゃんが、早速、隣へ割り込んできた。
きれいな星空、空気がおいしい、生まれて初めての体験だと、かなりハイになっている。
こんな素晴らしい島で生活出来たらいい。なんとか移住したいので、土地を譲ってくれる人はいないか、との相談だ。
出来ない事はないと言うと積極的に色々な質問をしてきた。
話の内容から、かなり融通の利かない教員か公務員上がりのガチガチな堅物の類、箱入りババーだ。
こんな人に土地を分ければ、住民と間違いなく争いを起こす。
島の人達はテーゲーグワーで、いい加減と言うかあまり小さな事にはこだわらず、のんびり生活をしている。
島人と争いをお越し、後々嫌な思いをするので、この人の相談にだけは乗らないようにしようと心に決めていた。
その内、ひょんな質問をしてきた。
この島に、蜘蛛はいるのですか?・・
はぁー? と思わず聞き返す。
蜘蛛はいっぱいいるし、毒は持ってないが森へ行くと大きなやつもいるよ、と言うと、ギヤアーと血相変えた。
蜘蛛は嫌いどころか糸が体に触れただけで蕁麻疹が出来ると言う。
民宿のベランダでも糸を張っているし、島を散策すると間違いなく糸に触れるよ、と言うと顔面蒼白、わざと嫌がる事を言って脅かしているのではないかと、毛嫌いするというか嫌悪感あらわに出し、睨み付けている。
芯から蜘蛛が嫌いで、アレルギーのようだ。
隣にいるのも嫌になっただろうか、席を移していった。
その話を聞いていた他の観光客が、そのおばちゃんを説得。
日本全国蜘蛛のいない所はない。あなたは、まかり間違っても田舎暮しなど、考えないほうがいいと言われ、渋々納得したようだ。
このおばちゃん、島で連泊するつもりだったらしいが、翌日、早々に引き払ったと言う。
次は西表島観光だと言っていた。あの島は、毒はないが、大きな蜘蛛がもっといっぱいいる。
デッカイ蜘蛛が首に貼り付き、アワを吹き吹き、失神する姿、目に目えるわ・・
その人は北海道だと言う。
おーい北海道〜  蜘蛛いないか??

 1154 風葬


亀甲墓は子宮の形だと言われ、命は子宮で育まれ、完うしたら、またそこへ戻ると言われ、入り口は80センチ程の四角い、入り口になっており、勿論、蓋は分厚い四角の石で覆われ、空気が外へ漏れないようになっている。
風葬と呼ばれる方式で、遺体は決して焼かない。また、西洋のように埋めるような事もしない。
棺のまま墓へ入れ、肉体が風化したころ、きれいに洗骨し墓の中で保存。ピラミットや日本の前方後円墳同様焼却はしません。
遺体を棺のまま墓の中へ入れる為、異臭が漏れないよう、入り口が密閉出来るようになっているのである。
勿論、百日での洗骨は強烈な異臭等、赤の他人ではなかなか出来ないものである。
写真はひかる家の墓で祖父母の代まで償却しなかったので遺骨が入ったまま、DNA鑑定すれば数百年前まで調べられるかな・・
ひかるも両親が亡くなった時、初めて小さな入り口から腹ばって中へ入ったが、暗闇の周りは、こうべと骨だらけ、足の踏み場も無い。
しかし、先祖であり、血の繋がったこうべだと思えば、なんとか佇んでいられた。
赤の他人だと、どうしても恐怖心で、その空間には、いられないだろう。
もしかして入り口が、何らかのかたちで塞がってしまへば、もう2度とそこからは出れない。声を出しても絶対に届かない。
そういう意味で、全く他人はそこへ入れないという事だ。
墓の中のスペースは、先祖代々のお骨が保存出来るスペース、そして、棺を入れ、入れた人が入り口から出るスペースも必要だ。
よって、かなりの空間が必要で、先祖代々の血族が一つ屋根の下で祀られるのである。
大きな亀甲墓を作る事は大きなエネルギーが必要で、罪を犯せば墓に入れてもらえない。
という事は最大の屈辱であり、悪事に対する抑止力は墓だったという。
ちなみに墓の入り口を開けるのは、遺体を入れる時以外は決して開けてはいけない。
どうしても分骨したり、墓の中のお骨を取り出す場合は、鶏など生贄にて代わりの儀式を行い、開ける必要がある。
日本に風葬をする人種がいたという事である。
ひかるの両親が他界の際、火葬場で焼却する際、猛烈な反対、泥棒や犯罪殺人等極悪人しか焼却しない、極悪超親不孝者に成るのかと言われた。
しかし島には火葬場は無いが石垣島には有り行政や保健所も伝染病などの件も考慮し火葬を進めていると長老の皆さんに了解してもらった。
以後は他の島も含め遺体は石垣島へ輸送し火葬が行われている。
島では50年前まで洗骨が行われていたのである。

2024年10月18日

f1153 墓の入り口


入り口は棺桶の入る大きさ。

f1151 転がすのですか?


飛鳥古墳見学ツアーに参加した時、近くに巨大な石室があった。
参加者に、高校の先生がカメラを持って参加しており、機械や重機の無かった昔、どうやってこの巨大な石を運んで来たのか、ガイドに聞いても分からず、説明書を隅から隅まで読み、頭をかしげていた。
3トンの石等、昔の人は簡単にかついで移動したはずだと言うと、その先生は、怪訝な顔をしてきた。
転がすのですか? どうやって運ぶのですか? としきりに聞く。
写真のように、一トンの鉄の塊があったとする。
それに、A点でロープの端をしっかり結わえつけ、グルグルに6回ほど巻く。最後はB点でまたしっかり結わえて止める。
そして、担ぎ棒を6本入れ、左右ペアで担ぐ、この図だと12名で担ぐ事になる。
この方式は、12名に均等に重力がかかる。一人百キロ近くだが、昔の人ならそれくらいは担げるであろう。
50センチほど浮かせて、声をかけ、右足、左足、と全員同時に、移動すれば、一トンの物体が12人で十分運べる。
勿論ペアを組むのは、背丈の近い人、低い人同士、場合によっては、ロープをもう1回巻きつけ、担ぎ棒をもう1本増やせば、女性が加わったとしても何ら問題はない。
石室の3トンの石を縦、横に2本ずつ支柱を入れ巨大な石を結わえつける。
上下左右4ケ所角に、この原理と同じようにロープを巻きつけ、2カ所で固定する。
一角に10人ずつ配置すれば4角で40名になり、一人75キロの重量だ。
昔の人ならこのくらいの重量、一日数キロの距離でも行軍出来るであろう。
石室から数10キロ圏内に、この石と同じような石の産地があるはずだ。
石室の周りは盛り土したように、小高くなっている。
多分その下には、足場に使った、石垣があるはずだというと、その先生はえらく感心していた。早い話がピラミットの石は5メータの丸木に6回巻き固定し、担ぎ棒を6本入れ丸木に石をもっこで固定、12人で担ぐと1トンの石を長距離、いとも簡単に移動できる。ロープはあだんの木の気根で出来る。
どこでそのような事を知ったのですかと聞かれたので、黒島には大きな亀甲墓がある。
屋根の部分には、大きな石が載せてあり、下には一坪ほどの空間が出来ている。
屋根の石を運ぶ時、この方法が用いられた。これは亡くなった爺さんから聞いた話で、エジプトのピラミッドも同じ縄担ぎ方式で作られたと聞いている。
すると、その先生は是非亀甲墓を見せてくれという。
外から見ても、漆喰で固められており、殆んど分からない。しかし中に入る事は絶対に許されない。
人が亡くなった時でも、決して女性は入れず、直系の一番近い人から入る事になっており、中は二人が限度で、残念ながら見る事は出来ないと言ってやった。
先生は教科書の何処にも載っていない、大変参考になりましたとお礼を言って別れた。
本土のお祭りの御神輿は、背丈の高い人に負担がかかる。
縄担ぎ方式を導入すれば、もっと大きな御神輿が出来たはずなのに・・
(時代劇に出てくるモッコ、網の真ん中に重い石を載せ、周りで大勢で持ち上げる、背の高い人と低い人では網目が違いほぼ均等に重力が掛かるという事だ)

f1149 神様だよ


この島に、年は58歳、東京からUターンしてきたY君夫婦がいる。
子供は無いが、島の誰もがうらやむくらい、どこへ行くにも二人、すこぶる仲の良い夫婦だ。
普段は無口で、酒もあまり飲まず、ひたすら仲の良い夫婦をやっている。
先日、家を手直しするので、手伝ってくれと言うと、「はいきた兄貴、まかせてくれ」と引き受けてくれた。
仕事も無事完了、ビールと泡盛を飲むと、ペラペラ喋りだした。
俺みたいな男の所へ、嫁に来てれた女房、神様だよ、ありがたいと思っている。
実は、それには訳がある、と喋りだした。
小学校5年生の時、担任は若い女のS先生だった。
この先生には、隣の西表島に、同じ教員で恋人、K先生がいたという。
そのK先生は週末になると、考えられない事だが、西表島に打ち上げられた、写真の飛行機の残骸、燃料補助タンク、それに乗って、一人で櫂をこぎ、8キロ近くもあり、海流もある荒海を渡って、この島のS先生に会いに来る。
島中の人がK先生の命知らず、と言うか、命がけの恋には、あきれ果て、大きな話題だったという。
島の子は、猫よりも身軽に石垣を乗り越え、猫よりも音をたてずに忍び寄り、S先生の戸の隙間から、大人の交わる姿、声などを観察したという。
素知らぬ顔で、教壇に立つS先生の顔を見、友達同士でつっつきあって面白がっていたという。
そのうち4月になり、島に新しい男の先生が赴任して来た。
こともあろうに、S先生は新しく赴任して来た若い先生にぞっこん、出来ちゃっている事は島中の人が知っている。
命がけで通って来たK先生は、泣く泣く、また命懸けで帰るしかない。
島の人達はK先生が自殺するのでは、と同情、あまりにも身勝手なS先生の変り身は、話題になったという。
そしてS先生は、新しい恋人とさっさと結婚してしまったのである。
「兄貴よ、俺は女が信じられなかった、俺など何んの取り得もない、女房はずーっとついて来てくれている、神様、仏様に思われる・・」だと。
世の男性共よ、女房を大事にしよう。
逃げられてからでは遅い、神様、仏様だぞ!!!
一番の物知り博士だと自認する、島じーが泡盛を片手にニコニコ入ってきた。
何をしているんだと言うので、ブログを書いていると言うと、グローブは知っているが、何だそれは!と言う。
島では、インターネットをやっている人はほとんどなく、島外から来た人でISDNでインターネットをやっている人がいるが、とても重くて使い物にならないという。
年寄りたちはインターネットと言ば、人を誹謗中傷する道具と解釈しているようだ。
まかり間違ってもそんなもの持ち歩くんじゃないぞ、と注意されるのである。
じーさん、インターネットって知ってるか、と聞くと、「バッハルン!」、(あったりまえ、しっているさー)と、方言で自信ありげに答えた。
昔は、女しかしなかったのに、最近は男までがやっとる、と言い出す。
観光客が、ヘッドセットをかけて歩くのを見、それがインターネットと、解釈しているようだ。
昔、女がヘアネットをしていたのを、最近では、男までがやる。それがインターネットと、解釈しているらしい。
ヘアネット、ヘッドセット、インターネット、頭の中で混乱しているようだ。
言われてみれば、インターネットは頭を使う。
頭に関係するヘアネット、ヘッドセット、インターネットのチャンプルだー
あれれ、この島じーの解釈、間違っているのかな・・・?
おい! おい! こっちまで脳内超伝道現象だ!!?

f1148 画像


ジュラルミン製、飛行機の残骸。

 1147 島移住失敗男の物語。


定年島移住した、吉田氏(仮名)が、深刻な顔で相談に来た。
移住した時、世話をしてくれた人が、いつの間にか疎遠になり、その次に親しくしていた人も、付き合ってくれなくなった。
とうとう3番目に親しくしていた人に、酒を飲んでいる時、怒鳴りつけられたという。
本土では、男同士が親しくなると、肌を触れあったり、肩をたたいたりするのは、ごく当たり前だ。
しかし島人達は、男が男に触れる事、べたべたしたり、肩をたたいたりする事は、一番嫌悪感を感じるのだ。
俺は、オカマじゃないんだ!、べたべたするんじゃない!、という、男っ気が異常に強いのだ。
吉田氏は、島の気質を知らずに、親しくすればする程、こまめに、べたべた、肩をたたいたりしたようだ。
島人にとって、肩をたたかれようものなら、とんでもない事で、往復ビンタを喰わされたような、嫌悪感を覚えるのだ。
吉田氏もそれに気付き、なんとか関係を修復したいとの事だが、一度壊れてしまった、男同士の関係は、そう簡単に修復出来ない。
その悩みの相談であった。
たぶん、男っ気の強い島の人達との関係修復は、かなり時間を要するだろう。
深く反省し、時間をかけて、解決しよう、と諭した。
島暮らしや田舎暮らし、ペットの問題や、周りとの付き合い方、その土地土地の習慣などは、注意が必要だ。
よく見ると、若い人達は、意外と、べたべたしているが、中年以上の人達は、べたべたする事を異常に嫌うのだ。
注意しよう。
ファン
検索
<< 2024年10月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
月別アーカイブ
プロフィール
面白エッセイさんの画像
面白エッセイ
プロフィール