2016年06月16日
【スコアは僅差も内容では圧倒】 EURO 2012 予選 スコットランド×スペイン
UEFA EURO 2012 予選 グループI
スコットランド代表×スペイン代表
スコア:2-3
2010年10月12日 ハンプデン・パーク 観客数:51,332
決着をつけるジョレンテの一撃
スコットランド代表のスタメン(4-1-4-1)
GK: アラン・マクレガー
4: フィル・バーズリー デヴィッド・ウィアー スティーヴン・マクマナス スティーヴン・ウィテカー
1: リー・マッカローク
4: ジェームス・モリソン ダレン・フレッチャー グレアム・ドランズ スティーブン・ネイスミス
1: ケニー・ミラー
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SUB: クレイグ・ゴードン(GK)
クリストフ・ベラ チャーリー・アダム ガリー・コールドウェル
ショーン・マロニー スティーブン・フレッチャー ジェイミー・マッキー
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監督: クレイグ・レヴェイン
スペイン代表のスタメン(4-2-3-1)
GK: イケル・カシージャス
4: セルヒオ・ラモス ジェラール・ピケ カルレス・プジョル ジョアン・カプデビラ
2: セルヒオ・ブスケツ シャビ・アロンソ
3: ダビド・シルバ サンティ・カソルラ アンドレス・イニエスタ
1: ダビド・ビジャ
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SUB: ビクトル・バルデス(GK)
ナチョ・モンレアル カルロス・マルチェナ アルバロ・アルベロア
パブロ・エルナンデス フェルナンド・ジョレンテ ブルーノ・ソリアーノ
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監督: ビセンテ・デル・ボスケ
会場はジダンの”伝説のボレー”が生まれたスタジアム
ここまでスコットランドは1勝1敗1引分け(勝点4)。アウェイのスペインは消化試合が1試合少ないのですが、2勝(勝点6)という状況でした。
会場はハンプデン・パーク。スコットランドにおけるナショナルスタジアムで、2002-03シーズンのチャンピオンズリーグ決勝(レアル・マドリード×レヴァークーゼン)の会場。この決勝はジダンの伝説のボレーで有名ですね。
スタジアムは良い感じに盛り上がっています。歌詞がないスペイン国歌に続いて、スコットランド国歌『Flower of Scotland』を女性シンガーのエイミー・マクドナルドが斉唱(というか熱唱)。もちろんスコットランドサポーターも大合唱です。
>>>前半45分
スペインのキックオフで試合開始です。
■FIFAコードにならい、スコットランドは[SCO]。スペインは[ESP]で表記します。
出典: FIFA's 208 Members Associations (PDFファイルです)
http://www.fifa.com/mm/document/fifafacts/organisation/ip-120_01a_mas_24298.pdf
1分[SCO]: ダレン・フレッチャーがピケとプジョルの中間にポジションを取ったモリソンへパス。モリソンが右へ流してミラーがクロスを入れますが、ピケがクリア。
4分[ESP]: 中盤で細かく、ゆっくりとパスをつなぎながらイニエスタがエリア内に侵入。右サイドにいたビジャへのパスはカットされるが、相手DFのクリアを拾ったシルバが折り返し。しかし誰にも合いません。
10分[ESP]: 中央のイニエスタから右サイドのシルバへパスがつながり、シルバを追い越して行くラモスへボールが渡ります。ラモスは深いところまで切れ込んでクロスを上げますが、守備に戻ったグレアム・ドランズがクリア。
12分[ESP]: センターサークル内のシャビ・アロンソが、裏へ抜け出すビジャへ長い縦パス。ビジャは右足でトラップして左足でシュートを打ちますが枠外。
14分[ESP]: 右サイドのシルバがゴール前のビジャへクロス。ビジャのヘディングシュートはGKがキャッチ。
15分[ESP]: バイタルエリアの狭い局面でアロンソ、ブスケツ、カソルラ、ビジャ、シルバがダイレクトパス。まさにティキ・タカです。最後は相手DFの背後に抜けたシルバがシュートを放ちますが、GKマクレガーがファインセーブ。
17分[SCO]: ここまで防戦一方のスコットランドにビッグチャンス。ドランズからの長いパスにダレン・フレッチャーが裏へ抜け、ゴールライン際から中央へ折り返し。ゴール前のモリソンがシュートを放ちますが、間一髪でカプデビラがクリア。
24分[ESP]: 中盤でパスを回しながら穴を探るスペイン。右サイドのシルバから左サイドのカプデビラにパスが通り、そのままクロスを上げますが、味方には合いません。
26分[ESP]: 中央のシャビ・アロンソから右サイドのイニエスタへパスが通り、イニエスタは中を見てクロス。いつの間にかエリア内にスルスルと上がってきたラモスがシュートを打つも枠外。
29分[ESP]: ペナルティエリア内。イニエスタからカプデビラへのパスはカットされるが、クリアボールをブスケツがミドルシュート。これがゴール前のビジャの足元に収まり、DFを背負ったビジャが反転して至近距離からシュート。超決定機でしたがGKマクレガーがファインセーブです。
33分[ESP]: 中盤のアロンソから裏へ抜けたシルバへ絶妙なパス。両者の動きが完璧に合致した決定機でしたが、シルバが足元に収めきれずボールは流れてしまい、ゴールラインを割りました。
41分[ESP]: 左サイドのカプデビラがクロス。ゴールエリア手前のビジャには合いませんでしたが、こぼれ球をイニエスタがダイレクトでシュート。しかしDFマクマナスがクリア。
41分[SCO]: スコットランドのカウンター。自陣からのロングボールにミラーが抜け出し、左サイドを突破して2対2の局面に。ここでシュートではなくパスを選択します。ゴール前にいたドランズへのパスが渡っていれば決定機でしたが、戻ってきたブスケツがクリア。スコットランドは久々のチャンスでした。
42分[ESP]: カプデビラのクロスをラモスがボレーシュート。これがスティーヴン・ウィテカーの手に当たってハンドの判定。ウィテカーは必死に肩だと主審に反論しますが、判定が覆るはずもなく、スペインにPKが与えられます。
ビジャが記録更新のPK弾
44分[ESP]: PKのキッカーはビジャ。これを右隅へ確実に決めてスペインが先制。攻め続けてやっとゴールを決めました。
なおビジャはこの得点で、ラウール・ゴンサレスが持つ歴代最多得点(44得点)を上回る45得点目となり、現時点での記録を更新です。
追加タイムはほとんどなく前半が終了。立ち上がりの数分を除いては完全にスペインのペースで、なんとか猛攻に耐えていたスコットランドでしたが、持ちこたえることができませんでした。
>>>後半45分
開始と同時にスコットランドに選手交代です。リー・マッカロークOUT。チャーリー・アダムIN。
前半は引き気味だったスコットランドですが、後半は出足が良く、前から積極的にプレスをかけて行きます。
50分[ESP]: 左サイドのカプデビラのクロスに、シルバが胸トラップしてシュート。枠内に飛びましたがGKマクレガーがセーブ。
52分[ESP]: カウンターアタック。ビジャが中央をドリブルで突破し、左のカソルラへ。カソルラから右サイドのイニエスタへ正確なボールが渡り、イニエスタはペナルティエリア内のビジャへパス。しかしビジャが足元に収めきれずクリアされます。
54分[ESP]: ラモスのクロスにカソルラがヘディングシュート。チームで一番背が低いカソルラのヘディングシュートでした。
イニエスタが追加点!
55分[ESP]: 右サイドからドリブルを仕掛けたイニエスタがシルバへパス。シルバは後方のアロンソへいったん下げます。アロンソはペナルティエリア内のビジャへ、ミドルレンジの鋭い縦パスを送ります。
ビジャはサイドでキープしてゴール正面のカソルラへ折り返し。カソルラのシュートは相手DFに跳ね返されますが、こぼれ球をイニエスタが左隅に決めて追加点です。
リードを2点に広げ、これでだいぶ楽になると思われましたが・・・。
ネイスミスの追撃弾と同点のオウンゴール
58分[SCO]: スコットランドが1点返します。右サイドのミラーがクロスを入れると、ピケとラモスのギャップをついたネイスミスがダイビングヘッドで叩き込み1点差に。
ここまで元気をなくしていたスコットランドサポーターが、このゴールで一斉に息を吹き返します。
66分[SCO]: さらにわずか8分後。スコットランドが同点に追いつきました。ダレン・フレッチャーから右サイドのモリソンへボールが渡り、ゴール前のミラーへ折り返し。これをクリアに行ったピケが痛恨のオウンゴールを献上です。
歓喜に沸くスコットランドサポーター。一方スペインのベンチは動きが慌ただしくなりました。
69分[ESP]: カシージャス、ピケ、プジョルを除く8人がバイタルエリアで攻撃参加。徹底的にパスをつなぐティキ・タカです。最後はシルバのクロスをブスケツがヘディングシュートも決まりません。
このときスコットランドは、フィールドプレーヤー全員で守備。狭いエリアに両チーム合わせて18人いたことになります。
70分[ESP]: 選手交代。サンティ・カソルラOUT。パブロ・エルナンデスIN。
74分[ESP]: ゴール前でビジャのパスからパブロ・エルナンデスがシュート。しかしGKマクレガーが右足一本でファインセーブ。
75分[ESP]: 選手交代。ダビド・シルバOUT。フェルナンド・ジョレンテIN。この選手交代により、右MFにパブロ・エルナンデス、トップ下にイニエスタ、左MFにビジャ。1トップに高さがあるジョレンテという配置になります。
ジョレンテが期待に応える勝ち越し弾
79分[ESP]: スペインに勝ち越し点です。カプデビラのクロスを、入ったばかりのジョレンテが右足でダイレクトシュート。良い時間帯で追加点を決めることができました。
80分[SCO]: 選手交代。グレアム・ドランズOUT。ジェイミー・マッキーIN。
85分あたりからスペインは無理をせず後方でパスを回しはじめます。
87分[SCO]: 選手交代。ジェームス・モリソンOUT。ショーン・マロニーIN。
88分[SCO]: マッキーが右サイドを突破して中央へ折り返し。マロニーのポストプレーからバーズリーがゴール前へクロス。これをネイスミスがヘッドで狙うが、セルヒオ・ラモスがクリア。
89分[SCO]: スティーヴン・ウィテカーが2枚目のイエローカードで退場。1点を追うスコットランドには痛い退場です。
89分[ESP]: 選手交代。セルヒオ・ブスケツOUT。カルロス・マルチェナIN。
93分[ESP]: ピケが攻撃参加。スルスルとバイタルエリアまで上がり、裏へ抜け出すビジャへパス。しかしビジャはGKとの1対1を決められませんでした。
このまま2-3で試合終了。スコアは1点差ですが、内容では圧倒的にスペインでした。言ってみれば僅差の圧勝です。
スコットランドは同点に追いついた時点で勝点1もアリかと思いましたが、デル・ボスケ監督の采配が見事に的中。3連勝で本大会出場へ前進です。
>>>得点
44分: ダビド・ビジャ(スペイン)
55分: アンドレス・イニエスタ(スペイン)
58分: スティーブン・ネイスミス(スコットランド)
66分: ジェラール・ピケ(オウンゴール)
79分: フェルナンド・ジョレンテ(スペイン)
試合終了のホイッスルの後からダレン・フレッチャーとピケがずーっと話し込んでいて、ロッカールームへ戻るときも2人並んで会話しながら歩いていました。ともに元マンチェスターUですから、それほど珍しくないのかもしれませんが、仲が良さそうな雰囲気でした。
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