「糖質制限食」は、その名の通り糖質の摂取をできるだけ少なくする食事療法です。
簡単にいえば、総摂取エネルギー量や資質の摂取量などは気にせず、主食のなるご飯やパン、麺類などを抜いて、おかずをたっぷりとる方法です。
具体的には、下記の表のように3つのパターンがあります。
パター プチ スタンダード スーパー
効 果 小 中 大
主 食 朝 あり なし なし
昼 あり あり なし
夜 なし なし なし
通常、単に糖質制限食というと、主食を1回だけ取る「スタンダード糖質制限食」を指します。ただ3食とも主食を摂らない「スーパー糖質制限食」に比べると、効果の面で多少落ちます。どうしても主食を抜けない人は、3食のうち1回だけ抜く「プチ糖質制限食」を行います。
糖尿人はスーパー糖質制限食が理想ですが、個人の食習慣や思考などの応じて選ぶとよいでしょう。
従来のエネルギー制限食で最も面倒なのは、1日の摂取量が決められて、食品のエネルギー量を計算しなければなりません。しかし、糖質制限食は、ほとんどの人はエネルギー計算は必要ありません。エネルギー制限食では敬遠されていた脂質の摂取にも、特に制限はありません。っ注意するのは糖質の摂取量です。
目標は、合併症の発症が少ないといわれている、食後2時間の血糖値を180mg・dl以内にすることです。
2型糖尿人の場合、糖質を1gせっしゅするとけっとうちは3mg/dl上昇することから計算すると、その人の状況にもよりますが、だいたい1食当たりの糖質摂取量は10~20g程度になります。
この糖質の量を目安に食事をしますが、極端な大食いでなければ、食べる量は自由です。
従来のエネルギー制限食は肉やお酒の摂取も制限されますが、糖質制限食なら、過剰でない限り問題ありません。糖質制限食は、食べたいものを我慢しないで血糖値をコントロールできるのです。
糖質制限食には、血糖値を下げるだけでなく、肥満を改善できるという効果もあります。従来のエネルギー制限食だと、糖質をたくさん摂取するため、食後にインスリン分泌が急増します。インシュリンは常に少量分泌されており(基礎分泌)、食後はその時の血糖値に見合った量を追加分泌します。その量は基礎分泌の10~30倍に及びます。
肥満ホルモンと言われるインスリンは、使いきれなかったブドウ糖を脂肪として肝臓や脂肪組織にため込みます。そのため、糖質を多量に取ると太りやすくなるのです。その点、糖質制限食では、インスリンの分泌はせいぜい2~3倍程度。また、糖質ではなく脂質のエネルギーを使うため、体内では常に脂肪が燃えています。脂質の一部はケトン体になリ、呼気や尿中に排泄されます。
また、糖質摂取が少ないと肝臓でアミノ酸などからブドウ糖を合成しますが、これに大きなエネルギーが使われます。以上のようなことから、糖質制限食では無理なく体重が減っていくのです。
興味があればこちらを参照:
江部康二ブログ 「ドクター江部の糖尿病徒然日記」
http://koujiebe.blog95.fc2.com
タグ:糖質制限食
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