(1)1日1食を始めた最初の反応は「モチリン」
妊娠して「つわり」のときに、どうして吐き気を催すのか存じでしょうか。口はあらゆるものを栄養として取り込むのが仕事です。多少腐っても、アクを含んでいても、食べられるものは何でも飲み込んでいきます。普段はそれでよいのですが、妊娠中はお腹に大切な赤ちゃんがいます。赤ちゃんは無抵抗で、もし毒が入ってきたら死産になったり、奇形になったり、大きな問題を起こします。そのため、妊娠長は毒やばい菌のような外敵に対して過剰に反応するのです。ご飯や魚が生臭いだけでも、おなかの赤ちゃんを守るために吐き気が起こるのです。
普段のあなたのイチョウ葉というと、「腹減った、食わさせろ!」といつも訴えています。食事が流れてこないと、それに気付かないあなたに空腹のサインを送るのです。
ヒトをはじめ、あらゆる哺乳動物の小腸の入り口には、食べ物を待ち換えているセンサーがあります。 あなたが1日1食を初めていつまでたっても食事が流れてこないと、小腸は焦って「モチリン」という消化ホルモンを出します。このホルモンは胃を収縮させることによって、まだ胃の中に残っているかも知れない食べ物を小腸に送り込ませようとします。これを「空腹期収縮」と言って、お腹のグーグーの正体です。
(2) 腹ぺこホルモン「グレリン」
さて、モチリンで胃を絞り出しても、何も食べ物が流れてこなければ、次は何をしたらいいでしょう。そうです。食事をさせねばいけません。そこで、空腹にきずいた胃袋から「グレリン」というホルモンが出ます。グレリンの語源は英語の「grow」つまり「成長」です。グレリンは空腹によって刺激された胃粘膜から分泌され、脳の視床下部に働いて食欲を出させるのが仕事です。そして同時に脳の下垂体に働き、成長ホルモンを分泌させます。
成長ホルモンは、別名を「若返りホルモン」と言います。つまりお腹が空いて胃がグーグー言っているとき、若返りホルモンによってあなたはどんどん魅力的になっていくのです。
お腹が鳴ってもあわてて食事しないでください。しばし成長ホルモンによる若返り効果で楽しみましょう。
(3) 体中の遺伝子の修復が始まる
お腹がグーッとなっているときは、更に素晴らしい生命力が湧いてきます。それが「サーチュイン遺伝子」です。前述したように、あらゆる動物実験で食事の量を4割減らしたら1.5倍長生きしたという、通称【延命遺伝子】、またの名を「長寿遺伝子」と言います。しかし、この遺伝子が効果を発揮するには、ある条件が必要でした。それが「空腹」。腹ペコでお腹がグーグッとならない限り、この遺伝子は働かないので、普段は宝の持ち腐れ状態です。
1日1食でお腹をグーッと鳴らしましょう。すると、体内の遺伝子をこのサーチュイン遺伝子がみるみるスキャンしてくれて、傷ついているところをどんどん修復してくれるのです。
老化もがんも、遺伝子の異常が原因と言われています。1日1食で若返りやがん予防は可能だということにもなるのです。
(4) 腸善玉ホルモンが脂肪を燃焼させる
お腹が空いているのに、それでも食事が入ってこないと、体はどう反応するのでしょうか。
そうです。 お腹の中に蓄えていた内臓脂肪を分解して栄養に変えようとします。内臓脂肪はそもそも島民のための蓄えた非常用の燃料ですから、よほどのことがなければ燃焼はしません。どんなに運動しても、優先的に使われるには筋肉内のグリコーゲンという糖ばかりですので、スポーツの後は低血糖になってお腹が空いて食べてしまう。すると、インスリンが分泌されて、逆に内臓脂肪を蓄えてしまう。という具合に、メタボスパイラルにはまるのです。
1日1食ならば、否応なしにお腹は減ります。内臓脂肪は燃焼します。ウエストがくびえることは間違いありません。しかもその時に脂肪細胞から奇跡のホルモンが分泌されます。それが「アデイポネクチン」です。
前に脂肪が燃焼するときはススが出る、そのススが血管の内皮細胞を着ずるけて動脈硬化を起こす、と説明しました。しかし、捨てる神あれば拾う神あり。脂肪の中から動脈硬化を予防して血管の中を掃除してくれるホルモンが出ていることが分かったのです。それが「アデイポネクチン」です。
このホルモンがどんなに頑張っても、あなたがどんどん食べて内臓脂肪を増やしてしまったら、「これ以上働いてもしょうがないや」と、頑張るのを止めてしまいます。ですから、太っている人ではアデイポネクチンはあまり働かず、ますます太ってしまうのです。
でも、あなたが1日1食で痩せてくると、アデイポネクチンはどんどん活性化します。体中の血管を掃除して。あなたを若返らせてくれるのです。
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