これにもきちんと理由があります。 自然の存在する動植物に含まれている塩分だけで、十分に体を維持できるからです。草木の中、動物の体の中にも塩分は含まれているのです。
私たちの祖先が狩猟民族だった原始時代では、塩分は狩をして捕まえていた動物の肉や、食べられる草の中に含まれている塩分量で十分に足りています。本来なrば、肉も野菜も、ほとんど味付けする必要などないというわけです。 にもかかわらず、現代人の場合、塩分を取り過ぎる傾向があります。育ち盛りの子供、特にまだ腎臓が出来上がっていない赤ん坊や腎臓が機能の働きが弱っている高齢者などは、塩分をかなり意識的に控えなければ、腎臓に負担がかかり過ぎてしまいます。
塩分の何が体が悪いのかというと、まず塩分をたくさん摂ることで血液の浸透圧が高くなり、体のほかの水分を奪って血圧をあげてしまいます。血圧が上がると血管の内側の細胞(内皮細胞)は、いつも圧力がかかっている状態になり傷がつく。その傷ついた部分のかさぶたができるのが動脈硬化です。
血圧が上がれば、、更に動脈硬化が進んでいき、それによって血液の流れも悪くなってしまいます。その結果、腎臓や心臓など、大事な臓器に送られる血液の量が少なくなるので、体のほうは血圧をあげることによって、血液を送り込もうとします。
つまり、そもそもは塩分の取り過ぎで血圧高くなって血管が傷つき、動脈硬化が起こるわけですが、動脈硬化が起こると血液が流れにくくなるので、ますます決あるが高くなるという、悪循環に陥ってしまうというわけです。 厚労省の「日本人の食事(2005年版))」<によると、成人に進められている1日の塩分摂取量の目標値は、男性10g未満、女性8g未満。 高血圧患者の場合は、日本高血圧学会が定めた目標値は1日6g未満。(高血圧治療ガイドライン2009年版)。それでも日本人は、平均すると1日10~15gの塩分量は摂っているといわれます。 私たちがよく食べるカケそばやラーメン名地にしても、どんぶり1杯の汁をもみほしてしまえば、それだけで6gくらい塩分を一気にとってしまうことになり、明らかに過剰摂取です。
最近は、にがり製法によりミネラル豊富をうたった天然塩も、いろいろな種類が出回っています。天然塩は塩化ナトリウムの合成塩よりも体にいいと誤解されている面があるようですが、塩分の取り過ぎを助長しているようで非常に危険だと思います。 確かに天然塩にはミネラル分も含まれています。けれど何もミネラルを塩から摂らなくれもいいでしょう。塩からミネラルを摂ろうとすると、相当量は必要になってしまうからです。
ミネラル分はむしろ海藻や魚介類から摂ることをお勧めします。たとえば、もずくや雌株を、酢だけで味付けして食べれば、塩分量を抑えて、ミネラルをたっぷりとることができます。天然塩からわざわざミネラルを摂取するよりも、はるかに健康にいいことは明らかです。
ミネラル豊富をうたい文句にしている天然塩の中には、岩塩のようになめてみるとあまりしょっぱくない、むしろ甘味を感じるような塩もあります。それが、かえっておいしく感じ、しょっぱくないのだから体にもいいのではないかと誤解を招き、肉の上に大粒の岩塩を喜んでひっているグルメな方もいます。
塩なのに、なぜ甘味を感じるのでしょう。
そもそも味というのは、味蕾のセンサーに触れたときに感じるものなので、岩塩のような大きい塩の結晶はカプセル状になっていて、それを口に入れてもすぐには舌先で溶けず、しょっぱさを感知できないまま胃袋の中に入っていってしまいます。それでついつい多めに使ってしまいます。
ですから本来は、岩塩などの大粒の塩はミルですりおろして細かい粉末にして使いましょう。わずかの量でしょっぱさを感じることができて健康的なのです。 辛党に好まれる漬物や塩辛なども、保存がきくものは潮が大量に使われています。発行を止めるためには大量の塩が必要だからです。
市販の塩辛には賞味期限が半年から1年先になっているものも珍しくありません。それに比べて、寿司屋で出るような自家製の塩辛は甘塩で、2日目くらいがちょうどいい食べごろになります。同じ塩辛を食べるのなら、塩分量が少ない方を選んでください。ぬかずけなどの漬け物も、発行を早く進めるためには塩分を少なめになするのがコツです。 メタボリックシンドロームが、カロリーやコレステロールの摂りすぎに注意しなければならないことはよく知られていますが、メタボの診断基準となっている血圧値と血糖値は、塩や砂糖の取りすぎが大きく関係しています。この際塩分の摂りすぎについても、しっかりチェックしてほしいものです。
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