さらに、さかのぼること15年くらい前には、もうすでに脳の中に異常たんぱくの「アミロイドベータ」が凝集し始めていることもわかってきました。つまり、はっきりと症状が現れる15年前から兆候の出ていることが分かったのです。
認知症は、まず脳に「アミノイドベータ」がたまり、その次に「タウたんぱく」がたまります。今では原因物質と言えるアミロイドベータやタウたんぱくまでMRI画像で見ることができます。つまり、認知症の具体的な症状が現れる以前であっても、アミロイドベータが脳に表れてきた段階で、認知症の具体的な発生を予見できるというわけです。
現在、がんの発見のも使われているPET(Positron Emission Tomography陽電子放射断層撮影)を活用して、まだ保険適用になっていませんがアミロイドベータの沈着度を調べることができます。
こうした認知症の早期発見によって、認知症を引き起こす要因物質をしっかりコントロールする、早期治療だ始め垂れるようになったのです。それによって、将来の認知症リスクを減らせる故脳性が格段と高くなったのです。
また、この「アミロイドベータ」に関して、2013年10月、アメリカ、ロチェスター大学のマイケン・ネーダルガード博士たちによって驚くべき研究結果を発表しました。
脳内に蓄積するアミロイドベータなどの有害物質が、睡眠によって洗い流される故脳性があることが分かったのです。
これが事実であるなら、「認知症」を引き起こすにっくきアミロイドベータを、「眠る」という作業でどんどん排出することができることになります。 脳細胞とン王細胞の間には脳脊髄液という液体が流れていて、脳の老廃物を排出しています。その脳細胞間の隙間が、眠っているときは通常の60%も広がり、髄液がより速いスピードで流れて、排出される老廃物の量も増えることだ分かったのです。
そしてこの老廃物の中に、認知症の発症につながるアミノロイドベータが含まれていたのです。
またワシントン大学でも、睡眠効率とアミノロイドベータの関係を調査した結果、よく眠れている人はアミノロイドベータを蓄積している人が少なく、一方、睡眠状態の悪い人はアミノロイドベータを蓄積している人が多いことがわかりました。 睡眠が認知症の発症をどれくらい抑えられるか、これはこれからの研究課題です。しかし、良質の睡眠をとることが認知症を予防する、つまり【脳には驚くべき自浄作用がある】ことにいま世界は注目し始めているのです。
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