調査の分析報告書」(以下内閣府調査)は貧困線未満【透過世帯収入が中央値の2分の1未満)の世帯の
保護者と子どもが直面するさまざまな困難をあからかにしている。
今回は教育社会学者で「教育格差」(ちくま新書)の著者として教育格差の実態を数々のデータを用いて
検証してきた龍谷大学社会学部准教授の松岡亮二氏に内閣調査を読み解くポイントについて教えてもらっ
た。
「子どもの貧困」と教育格差
まず、言葉の定義を確認しておきたい。子ども本人に変更できない初期条件である出身家庭の社会経済的地
位(SOCIAL-ECONOMICSTATAS以下SES)などの「生まれ」によって学力や最終学歴などの教育成果に差が
ある傾向を「教育格差」と呼ぶ。
SESは社会的、経済的、文化的な特徴を包含する複合的多面的な概念で、多くの社会科学研究では保護者
(以下親)の職業、世帯収入、両親の学歴や文化的行為などを統一した1つの指標を作成し分析に用いてい
る。 一方「貧困」は通常世帯収入だけで定義される。概して相対的な貧困家庭出身であると緋貧困家庭
と比べて学力や進学は低位にとどまる。
SESは複合的多面的な概念で貧困は経済的側面である世帯収入だけで把握するワケでするが相対的貧困層は
SESが低い層と実質的に大きく重なっている。大まかな傾向として、高収入世帯の親は高学歴でホワイトカ
ラー職に就いている。このような傾向的一部は内閣府調査でも見られており、例えば親の学歴と透過世帯収
入には明確な関連がある。
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