中年期の方の多くには、若いころに身につけた「ガッツリ系」の食生活が染みついていて、なかなかその癖が抜けません。ところが体のほうは年を取るにつれて、それほどカロリーや脂肪分を必要としなくなっています。のも関わらず、若いころと同じような調子でついつい飲食してしまいます。また一般に若いころに比べて運動量が減っており、その上さまざまなストレスが増えている。だから多くの中年期の方は、中年太り、いわゆるメタボになってしまいます。その状態が続くと、体のあらゆる場所を傷つけ、寿命を縮めていくのです。
一方、高齢期の方の多くは、とりわけ60代後半から70代以降の方になると、中年期と逆にあまり食べなくなったり、偏食したりで必要な量の栄養が足りず、体が衰弱していく例が多く見られます。
なぜ、メタボはからだに悪いのか?
さて、中年期の食事について話を戻します。この年代の方々は、食事の量は若いころの5分目ほどで十分なのに、7分目、8分目、特には10分目以上まで食べて飲んでしまいがちです。こうした食べ過ぎ、飲みすぎの生活を続けることで、いつしか体はメタボに陥っているのです。
メタボとは、高背労働省の説明ですと「内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさり、心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患を招きやすい病態」を指します。
内臓肥満とは、腸の周辺とお腹の内臓同士の間の空間(腹腔と言います)に脂肪がたくさんついた状態のことです。それに加えて、高血圧や糖尿病・脂質異常症(以前は高脂血症と呼んでいた)などが二つ以上重なって、、いわゆる生活習慣病なるわけです。
この内臓脂肪が内臓肥満を引き起こします。内臓脂肪がつくと、見た目に太ってくるだけではなく、体に悪いホルモン(脂肪を分解させないホルモン)が多く分泌されるようになります。このため内臓脂肪がつくと、ますます体に脂肪がつきやすくなるという悪循環に陥ります。こうして内臓肥満となり、糖尿病・脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化などを起こしやすくなります。
皆さんは”未病”という言葉を聞いたことはありませんか? これはもともと日本語にはなく、中国最古の医学書と言われる【黄帝内経】の中に出てくる言葉です。
未病とは文字通り“未だ病にあらず”という意味で、【体の中にすでに病があるのに、その症状がまだ出ていないために病気の自覚がない】,または【発病前の軽い症状しかまだ出ていない状態】を表します。
問題なのは前者で、自分は健康だと勝手に思い込んで検診や人間ドッグを定期的に受けていないので病気の自覚がないが、実際には病気が進行していることです。中年期の方々にはこういう例が非常に多い。
メタボとはいわばこの”未病”の典型です。メタボを改善する、あるいは予防するには、まず自分の体が必要とする以上の糖質や脂質を取らないことが重要です。<
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