まず、現代人の生活で不足しがちな「ビタミンD」、「亜鉛」、「マグネシウム」の3つの栄養素については、食事だけで必要量を満たすことが難しいため、サプリメントの活用をお勧めします。
ビステロイドホルモンの一種ともいえるビタミンDの働きは、骨の健康を守るほか、免疫増強作用、動脈硬化、糖尿病予防、筋力の維持、脳神経機能の維持、、、、と多岐にわたります。
ビタミンDは、日光を浴びることで皮膚で作られるほか、酒や青魚などの魚を食べることで補充することができます。しかし、歳を重ねると皮膚での産生量が減少すると同時に、食事の絶対量が少なくなるため、不足しがちです。実際、高齢者のビタミンDの低下症が、世界中で問題視されています。
血液検査の結果によって、当院ではサプリメントでの摂取をお勧めしています。血液中の25(OH)D3濃度が20ng/ml未満を欠乏、20〜30ng/mlを不足と判断しています。その場合,40ng/ml以上を目標として、比較的安価で続けやすい「ビタミンD3」サプリメントで補充をしていきましょう。
亜鉛
200種以上の代謝酵素に関与しているといわれる亜鉛は、DNAやタンパク質合成や性ホルモンの分泌、免疫力のコントロール、視力や聴力にも関わってくる、きわめて重要な栄養素。
またスーパーオキシドデイスムターゼ(SOD)という抗酸化酵素の活性中心(酵素の必須構成成分)として、細胞を酸化ストレスから守る働きをもしています。それ自体も金属である亜鉛が、体内ではさび止めとしての働きをしていることは、とても興味深いことです。
体内の亜鉛は、加齢と大量のアルコール摂取によって減少することが分かっています。アルコール台車酵素の材料が亜鉛のため、飲酒量が多くなると、それだけ亜鉛が使われてしまうためです。
また、亜鉛は、有害金属であるカドミウムや水銀と元祖の性格が非常に似ているため、亜鉛が不足すると体がこれらの有害金属を体内に吸収しようとしてしまうのです。しかも、カドミウムはコメ、水銀は大型魚類の多く含まれているため、摂取する機会が非常に多いのがやっかいなところ。体内への吸収を防ぐためにも、亜鉛の摂取が重要です。
亜鉛の不足で、免疫力の低下を起こします。感染症にかかりやすくなったり、がんの発生率が高くなったりします。免疫の調整が取れんなくなることで、体内の炎症もコントロールができなくなって、動脈硬化、骨粗しょう症、自己免疫疾患のリスクが高くなります。加齢の伴って、体内の亜鉛総量は減少するため、ますますその傾向が強くなることに。
マグネシウム
就寝中に突然足がつって目覚めた経験のある方。其れは、マグネシウム不足のサイン。
マグネシウムは、成人の体内中、その60%が骨に、27%が筋肉に存在しており、血液中を流れているマグネシウムは全体の1%にしかすぎません。その働きは多岐にわたり、亜鉛を超える300種以上の酵素反応の補助因子であり、細胞のエネルギー源であるATP産生の補助酵素でもあるのです。
つまり、鉄だけがあればいいのではなく、マグネシウムも十分量備わっていて、初めて細胞はエネルギーを作り出すことができるのです。
もう一つ、重要な働きがカルシウム濃度をコントロールすることです。細胞内のマグネシウムが不足するとカルシウム濃度が上昇し、細胞代謝に障害が発生。朝方に足がつるのはこのせいです。
筋肉の収縮はカルシウムが働くことで生まれていることですが、収縮した筋肉を弛緩させるのはマグネシウムがないとできません。筋収縮と同様の現象が血管壁にある筋肉で起こると血管が勝手に収縮してしまう血管れん縮が起こり、高血圧や狭心症の原因となります。
つまり、マグネシウムの不足を防ぐことで、血圧のコントロールや糖尿病、心臓血管病、骨粗しょう症、偏頭痛などの予防効果が期待できるのです。
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