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2016年12月17日

常磐線特急のゆく末

12月10日、東日本大震災による大津波で線路が流された常磐線相馬〜浜吉田間が内陸移設・高架化で5年9ヶ月ぶりに復旧し、小高〜原町〜岩沼間の運行が再開されました。震災による常磐線の不通区間は竜田〜小高間のみとなり、除染作業ができ次第復旧することになります。
しかし、原町〜仙台間での特急列車の運行は再開されていません。
DSCF6521
震災前の常磐線特急は上野〜いわき・原町・相馬・仙台間に651系の「スーパーひたち」、上野〜勝田・高萩間に653系の「フレッシュひたち」が運行されていました。当初の予定では2012年春を目途にいわきで系統分割を行い、いわき〜仙台間は653系に置き換えて別列車を走らせる予定で、列車名の公募も2011年正月明けから始まっていました。しかし震災でいわき以北の運行ができなくなったことから系統分割は現時点で白紙になっています。
その後、新型の657系が段階的に投入され、これまでの651系は高崎線系統や臨時輸送へ転用。653系は「いなほ」などで使用された485系の置き換えを目的に新潟は上沼垂電車区へ移りました。
さらに2015年に上野〜東京間の列車線が復活すると東京・品川両駅へ乗り入れが行われ、同時に「スーパーひたち」は「ひたち」へ、「フレッシュひたち」は「ときわ」へと変更され、現在に至ります。

岩沼側の大多数が復旧したものの、全線復旧後の常磐線特急の今後についてはまだ不透明です。現時点では、以下のケースが想定されます。

(1)震災前の状態に復する
(2)当初の予定通りいわきで系統分割
(3)いわき以北を全廃
(4)原町以北を全廃

常磐線はいわき以北が典型的なローカル輸送で、特急も本数は少なく短編成です。それを考えると営業的にも、全線通す列車は不採算でなくしたいというのが本音かも知れません。ですが、原町までは東京への直通のニーズがあります。しかし相馬付近は、金額が高くなるものの仙台まで逆行して東北新幹線の「はやぶさ」に乗り換えたほうが速く東京に到達します。ですが乗換えを嫌う利用層も多く、ある程度は直通ニーズが狙えます。
全線復旧しても、系統分割や部分廃止はしないで、震災前の状態に復するほうが得策と個人的に考えます。
また、当面は、657系基本編成と付属編成各1本を追加製造して仙台車両所に配置し、原町〜仙台間に暫定的に2往復程度特急を走らせるべきです。「仙台への輸送需要は乏しく走らせても無駄」と思うかもしれませんが、震災復興のシンボルトレインとして。



タグ:常磐線
posted by edaroh at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道
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