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2014年07月02日

富士山 落石 2013

5合目登山道に3メートル落石




富士山吉田口登山道の5合目付近で1日、

落石

(縦約3メートル、横約1・5メートル、高さ約1メートル)

が見つかった。

けが人はなかったが、

県富士・東部建設事務所は他にも落石の恐れがあるとして

周辺を立ち入り禁止とした。

迂回うかい路があり、

登下山に支障はないという。

 

同事務所によると、

落石があったのは吉田口登山道の泉ケ滝付近。

同日午前6時半ごろ、

登山者から登山道に落石があると連絡があった。

6月30日深夜から7月1日午前6時半の間に落下したとみられるが、


「原因は調査中」(同事務所)という。

 

岩が落下した斜面はえぐられた状態。


同事務所は落石が見つかった現場付近に誘導員を配置して

登山者に迂回を呼び掛けている。


 

同事務所は

2日以降、


斜面から他の石が落下して登山道に転がらないよう

土のうを設置する対策を講じる。


安全確保のため、

1〜2週間かけて斜面をモルタルで固め、

安全確認後に石を撤去するという。









富士山は1日、

世界文化遺産に登録されて2回目となる山開きを迎えた。


 

日の出前、


富士山頂は霧が立ちこめていたが、

未明から多くの登山客が集まり、

御来光の瞬間を待ちわびた。

午前4時40分ごろ、


霧の合間から太陽が姿を現すと、

登山客が万歳したり、

歓声を上げたりしていた。

8合目から御来光を望む登山客も多かった。



 
一方、

同日午前0時から、

任意で千円を集める入山料(協力金)の


徴収が本格スタートした。

徴収場所の1つである5合目の総合管理センター前には、

続々と登山客が足を運んでいた。




 

また、



静岡県側の開山日が山梨県側より遅く、


山頂付近のトイレが使えないため、

山梨県は5合目の同センター前で登山者に簡易トイレを配布した。








2日午後9時半、

富士山の吉田口登山道6合目の安全指導センター前を、

ヘッドライトを付けた登山者が続々と通り過ぎていく。

同センター横に設置された、

夜間に睡眠を取らずに山頂を目指す

「弾丸登山」の


自粛を呼び掛ける看板の周囲で休憩する登山者の姿もあった。



 

5合目に通じる富士山有料道路(

富士スバルライン)は


この日午後5時からマイカー規制が再開されたが、

バスやタクシーなら夜間も通ることができる。

この日は結局、

登山者(4936人)の1割強の561人が、

午後9時から翌日午前0時の間に同センター前を通過した。

このほとんどが弾丸登山とみられる。



 


旅行会社や個人旅行者が弾丸登山を自粛したり、

登山者が週末の渋滞を避けて平日に登るようになったりしたことなどで、

7月は弾丸登山とみられる人

(午後9時〜午前0時の通過者)が

昨年同期に比べ2割減った。

県などの自粛呼び掛けが一定の成果を挙げた格好だが、

今年は

「夜間はセンター前を通る外国人が増えた印象」

(同センター)があるという。



 

弾丸登山自粛を呼び掛ける看板の前で休憩していた

米国のケリー・ウォーカーさん(24)は

「弾丸登山が問題となっていることは来るまで知らなかった」

と話す。

世界文化遺産に登録され海外からも注目が高まる中、

外国人への周知策がこれからの課題となりそうだ。




 

このほか、

装備が不十分な登山者も少なくない。

前回は日中に登ったという東京都新宿区の

会社員堀野将史さん(21)は、

2度目の富士登山。

「ライトを忘れてしまい、


想像以上に暗くて登りにくい。

ライトを持っている登山者の後ろを歩くようにするしかない」

と話していた。



 

弾丸登山が減少傾向にある今こそ、

登山者の事故や体調不良を防ぐため、

マイカー規制に加えて夜間はバス、

タクシーも含めて規制するなど、

弾丸登山の抑止に向けたより実効性ある対策が必要だと感じた。








夏山シーズンに入り、

山小屋の慌ただしい日々が始まった。

富士山が世界文化遺産登録され、



山小屋も例年以上の混雑を予想している。

富士登山を楽しむため欠かせない

施設となっている山小屋の一日を取材した。



 

山開きの1日午前6時すぎ。

8合目の山小屋


「白雲荘」では、

従業員が慌ただしく掃除や食事の準備を始めていた。

御来光を目指して出発したため、


建物内に登山者の姿はほとんどない。

手際よく布団を片付け、


掃除機の音を響かせる。

天気が良ければ布団を屋根に干すが、

この日は見送った。

調理場では、

別の従業員が夕方のご飯や翌朝のお弁当の用意も始めていた。



 

掃除と食事の準備が落ち着いたのは午前10時ごろ。

山小屋の傍らに食料などの物資を積んだブルドーザーが到着した。

物資を山小屋に運び込むのも従業員の仕事だ。


この間、

予約の電話が何度も鳴り響く。


「満室です。

すみません」。

この時期は断るケースがほとんど。

「世界遺産登録後は予約が殺到し、


例年の2割増」(山本都重社長)という今年はなおさらだ。



 

午前11時をすぎ、

昼食を済ませると、

一日の中で最も落ち着ける時間を迎える。

従業員は寝たり、

山頂まで散歩したり自由な時間を過ごす。



 

ただ2時間半後には仕事に引き戻される。

徐々に登山客が増え始め案内に追われる。

御来光を目的とする登山客は午後7時すぎには就寝するが、

この後も夜通しで山頂を目指す登山客に

飲み物やカップラーメンなどを売るため休む暇はない。


未明には御来光目的の宿泊客を起こし、

送り出す仕事も待っている。



 


山小屋は24時間営業だ。

現在10人ほどの従業員も8月の繁忙期には2倍に増える。

「指示を出さなくてもてきぱき動いてくれて助かっている」

と山本社長。

山小屋は多くの従業員たちで成り立っていた。






世界文化遺産となった富士山の登山道では、


景観に配慮しながらいかに登山者の

安全を確保していくかが重要になっている。

山梨日日新聞の記者が、

吉田口の登山道を歩き、

見えてきた課題をルポした。

 

8合目の山小屋

「蓬莱館」前を通り過ぎ山頂を仰ぐと、

山肌を隠すようにいくつもの壁が連なっていた。

それはまるでピラミッドのよう。

歩を進めると、

自分の背丈をはるかに超す圧倒的な存在感を持つ壁が目の前に迫り、

延々と登山道脇に伸びていた。



 

富士山の四つの登山道で、

吉田口にだけ見られる「導流堤」。


落石防止のために設けられたが、

世界文化遺産登録の審査で国際記念物遺跡会議

(イコモス)から

「山岳の神聖な雰囲気を阻害している」

と厳しく指摘された。



 

案の定、

ここまで登ってくる間、


6合目付近では、

導流堤を眺めながら小休止している女性グループの

「こういうのがあると自然の山らしくないよね」

との声が耳に入った。



 

登山者は一列になって導流堤に沿うように登っていく。

足元にずっと目をやっている女性もいれば、


段差につまずきそうになっている中高年もいる。

「仮に上から落石があったら、

気付いてよけられるだろうか」。


人が途切れることのない登山道を見ていて不安を覚えた。



 

高校、

大学と山岳部に属し、

国内の山々を登り続けてきたが、

導流堤を備えている山はなかった。

同じ3千メートル級の南アルプス・北岳にも

富士山のように岩場やガレ場が連続する場所があるが、

落石があってもさえぎる物はない。


ただ、

富士山のように列をなして登る登山者の姿もない。




 

富士山が世界文化遺産に登録されたのは、

登山歴の有無や年齢に関係なく多くの日本人に愛され、

登られてきた山ということが背景にはある。

多くの登山者が入れば、

それに応じた安全策が必要になる。

導流堤はいわば富士山の特性から生まれた産物で、

今後どう対応すべきなのか、

容易に答えが出そうにない。







富士山の冬山登山は禁止するべき? 

富士登山者の安全確保策について山梨、


静岡両県の関係者が話し合う会議が19日開かれ、

夏山期間以外の登山禁止を盛り込んだ

登山ガイドラインの素案が事務局から示された。


厳しい表現を用いることで、

冬山登山の自粛を求め、


増加傾向にある遭難事故の抑制につなげるのが狙いという。

しかし出席者からは

「拙速だ」などと否定的な意見も出た。

ちなみに、

ガイドラインに法的拘束力はない。



 

富士山の冬山登山禁止を盛り込んだ登山ガイドラインは、

19日、

静岡県内で開かれた

「富士山における適正利用推進協議会」で示された。

夏山期間以外の登山自粛を強調したガイドラインを策定することで、

富士山の遭難事故を減らそうと、

静岡県が素案に盛り込むことを提案した。



 


冬山登山を禁止しているところは全国でもない。

富士山でも、

これまでは登山計画書の提出時に、

危険性や気象条件の厳しさを伝え、

冬山装備で登るよう呼び掛けてきた。



 

この日示された素案では

「夏山期間以外の時期は安全を確保できないことから登山はしない」


とし、

冬季の富士登山を禁止すると明記。

実際には入山する登山者もいることから、


登山する場合は

富士山入山届出票を作成し提出することも併せて求めるとした。



 

ただ、

登山禁止に法的拘束力はなく、

富士山入山届出票の提出も任意で罰則はない。

富士登山を禁止するという文言に対し、

出席者からは

「夏山期間以外の登山を一括で禁止するのは現実的でない」

などの意見が出た。


このため、

素案をもとに、


引き続き協議することとした。


 

登山ガイドラインで

冬季の富士登山の禁止をうたったことについて、


事務局の担当者は

「冬山登山を禁止することは難しいと思うが、


あえて厳しい言葉を使うことで

冬山登山の自粛を

強く求める狙いがある」と説明している。



冬山規制論 

遭難者増加が背景/10年で倍 


関係者に賛否


 

地元自治体が冬季の富士登山を規制しようとする背景には、

遭難者が10年間で2倍近くに増加していることがある。

関係者は

「二次被害の危険性がある中でも救助活動が求められ、


負担も小さくない」と訴える。

一方で、
登山家からは


「ある程度の経験があれば自己責任で判断できる。

登山ガイドラインで一律に禁止するのは乱暴」

との声も出ている。



 

冬山登山の禁止を盛り込んだ登山ガイドラインの

素案を示した協議会事務局によると、

富士山の遭難件数は2002年に39件だったが、

12年には62件に増加。


富士山の世界文化遺産登録後には、

登山者の増加に伴い、


遭難事故がさらに増えることが予想される。

このため、

静岡県富士宮市や小山町などは安易な冬山登山を制限するため、

登山届の提出義務化を柱にした条例制定を静岡県に求めていた。



 

御坂山岳会に所属し、

富士吉田市で登山用品レンタルショップ

「そらのした」を営む室野孝義さん

(32)は

「初心者でも登れる夏山に比べ、


冬季の富士山は日本一過酷な環境になり、

ある程度の規制は必要」

と賛同する。

富士吉田市富士山課の担当者も


「安全登山を進めるためにも富士登山のガイドラインを作るべきだ」

と訴える。


 


ただ、

冬山初心者から経験者までを一括して禁止と定めることに


疑問を投げ掛ける登山家も。

都留市を拠点に活動する「樅(もみ)の木山岳会」の

三枝昌彦代表

(70)は

「禁止という表現は、

厳しすぎる。

初心者への指導などに重点を置いて

安全対策を取ることで十分だと思う」と話した。



これだけ、

有名になれば、

当然いろいろな方が登山(観光?)

に訪れるでしょう。

指導も大変でしょうね。

ecar
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