2014年08月10日
子供達にとっての 「妖怪」
「妖怪」の意味、そして子供達にとっての「妖怪」
「妖怪ウォッチ」に登場する「妖怪」は、
昔から日本で伝承されていた、
あるいは古典的な、
そして近世においては漫画家の水木しげる先生が体系化したと表現しても過言ではない従来の妖怪
(「古典妖怪」とも呼ぶとの話もある)
とは異なるもの。
多分にシャレやジョーク、
時事ネタ、
身近な出来事を基にしたもので構成される。
それに対し、
反発を覚える大人もいる。
しかし本来
「妖怪」
とは、
多分に自分達にとって良くわからない現象、
不思議な出来事、
驚異的な物事、
説明が出来ない状況を説明するための
「仮説的存在」
だった。
日常生活内に発生する理解できない状況をそのまま放置したのでは不安にとらわれてしまう
(理由が分からない出来事ほど、
人の心を不安にさせるものは無い)。
その不安を解消させるために
「原因」を「妖怪」
によるものとして創生し、
自分自身の心の安寧をもたらしている。
「理由は分からないがこんなことが起きた」
よりは
「妖怪●×のせいでこんなことが起きた」
と納得する方が、
心は休まる。
つまり
「妖怪」は当時の人達における、
精神安定のための知恵として生まれた、
表現はやや悪いが
「責任転嫁の対象」
としての創生物と見ることもできる。
ところが
「古典妖怪」
が想起された時代から時は流れ、
理解できないものや事象が
「身近な生活」
にあるものでは無くなった。
そしてその物事・事象を引き起こしたとされる
「妖怪」
も、
単なる伝承的なもの、
異次元的な存在としての対象に過ぎなくなった。
「ゲゲゲの鬼太郎」は
「古典妖怪」の距離感を縮めたが、
今の子供達には理解しにくいことに違いは無い。
なぜその妖怪たちが存在するのか分からないし、
身近なものとも思えない。
現実世界とのかい離が大きく、
直接の結びつきが無い。
一方、
「妖怪ウォッチ」
に登場する
「妖怪」
は、
過去の妖怪の創生の仕組みに従い、
現代の世界観・周辺環境に基づき再度創生が行われている。
子供が好きな噂話的なもの、
都市伝説的なもの、
ダジャレも多分に混じり、
現代風味にアレンジされている。
下品的なものもあるのが、
これも子供から注目を集め、
受け入れられる重要なポイント。
やはり子供に人気のある
「おぼっちゃまくん」
「クレヨンしんちゃん」
的なものと表現すれば、
理解もしやすい。
あのエッセンスが
「妖怪ウォッチ」
の妖怪たちにもある。
「テレビ東京のアニメ版
「妖怪ウォッチ」のキャラクター紹介公式ページ」
を見れば、
子供が好きそうなギャグ、
ダジャレ、
ちょっと下品なネタなどが、
現在の時節にも合わせる形で妖怪化しているのが把握できる。
携帯電話の電波に関連する妖怪や、
ひきこもりを誘発する妖怪など、
現代だからこそのものである。
「妖怪ウォッチ」については次のようなエピソードもある。
デジタルワールドで活躍するリアル僧侶として有名な蝉丸P氏がその実務装備で歩いていたところ、
子供達から熱い視線を受け、
「妖怪?」
と小言でささやかれたというものである。
子供達が口にした
「妖怪」とは、
忌避的なもの、
おぞましいものではなく、
「妖怪ウォッチ」
に登場する
「身近にいる、
普段は目に見えない、
自分の知識には無い不思議な存在」
的な意味として使ったであることは容易に想像できる。
執筆者自身も今件
「妖怪ウォッチ」
に登場する
「妖怪」
の創作方程式に気が付いた時に、
「あるいは遠くない将来において、
リーゼントのヤンキーな方々も妖怪扱いされるのであろう」
と考えていたところ、
すでにそのものが存在していることを知り、
「妖怪ウォッチ」
における
「妖怪」
とは、
昔の
「妖怪」
の創作式をそのまま現在において再発動させたものであると、
改めて確信した次第。
「ポケモン」
にもこれらのその要素はある。
しかし子供の心をくすぐる刺激的なもの
(特に下品に近いもの)、
また上記のような
「ワルにゃん」的、
現代風味的なノリには欠けていた。
多くの子供が
「妖怪ウォッチ」
に魅了された背景には、
「ポケモン」には見当たらず、
「妖怪ウォッチ」で見いだせた要素が大きく作用している。
すなわち
「本当の意味での日常生活に身近な今風のネタ」
「妖怪の本来の存在意義である
『身近なフシギ』
の原因となる謎の存在」
の要素を持ち合わせていたからである。
ざっとまとめると
「大人が口出ししない、
子供だけの好奇心を充足させる世界の提供」
「自分達の生活に身近な話をベースにすることによるリアル感・親近感」
「心を魅了する『妖怪』創生の方程式を現代に当てはめた存在」
などの要素が、
「妖怪ウォッチ」をして子供達のハートをつかむ世界観を創り上げたといえる。
ある意味
「妖怪ウォッチ」は、
「ポケモン」などの子供向け収集系ゲームと、
「妖怪」などが登場する怪談話が融合し、
今風に進化した姿なのかもしれない。
ecar
「妖怪ウォッチ」に登場する「妖怪」は、
昔から日本で伝承されていた、
あるいは古典的な、
そして近世においては漫画家の水木しげる先生が体系化したと表現しても過言ではない従来の妖怪
(「古典妖怪」とも呼ぶとの話もある)
とは異なるもの。
多分にシャレやジョーク、
時事ネタ、
身近な出来事を基にしたもので構成される。
それに対し、
反発を覚える大人もいる。
しかし本来
「妖怪」
とは、
多分に自分達にとって良くわからない現象、
不思議な出来事、
驚異的な物事、
説明が出来ない状況を説明するための
「仮説的存在」
だった。
日常生活内に発生する理解できない状況をそのまま放置したのでは不安にとらわれてしまう
(理由が分からない出来事ほど、
人の心を不安にさせるものは無い)。
その不安を解消させるために
「原因」を「妖怪」
によるものとして創生し、
自分自身の心の安寧をもたらしている。
「理由は分からないがこんなことが起きた」
よりは
「妖怪●×のせいでこんなことが起きた」
と納得する方が、
心は休まる。
つまり
「妖怪」は当時の人達における、
精神安定のための知恵として生まれた、
表現はやや悪いが
「責任転嫁の対象」
としての創生物と見ることもできる。
ところが
「古典妖怪」
が想起された時代から時は流れ、
理解できないものや事象が
「身近な生活」
にあるものでは無くなった。
そしてその物事・事象を引き起こしたとされる
「妖怪」
も、
単なる伝承的なもの、
異次元的な存在としての対象に過ぎなくなった。
「ゲゲゲの鬼太郎」は
「古典妖怪」の距離感を縮めたが、
今の子供達には理解しにくいことに違いは無い。
なぜその妖怪たちが存在するのか分からないし、
身近なものとも思えない。
現実世界とのかい離が大きく、
直接の結びつきが無い。
一方、
「妖怪ウォッチ」
に登場する
「妖怪」
は、
過去の妖怪の創生の仕組みに従い、
現代の世界観・周辺環境に基づき再度創生が行われている。
子供が好きな噂話的なもの、
都市伝説的なもの、
ダジャレも多分に混じり、
現代風味にアレンジされている。
下品的なものもあるのが、
これも子供から注目を集め、
受け入れられる重要なポイント。
やはり子供に人気のある
「おぼっちゃまくん」
「クレヨンしんちゃん」
的なものと表現すれば、
理解もしやすい。
あのエッセンスが
「妖怪ウォッチ」
の妖怪たちにもある。
「テレビ東京のアニメ版
「妖怪ウォッチ」のキャラクター紹介公式ページ」
を見れば、
子供が好きそうなギャグ、
ダジャレ、
ちょっと下品なネタなどが、
現在の時節にも合わせる形で妖怪化しているのが把握できる。
携帯電話の電波に関連する妖怪や、
ひきこもりを誘発する妖怪など、
現代だからこそのものである。
「妖怪ウォッチ」については次のようなエピソードもある。
デジタルワールドで活躍するリアル僧侶として有名な蝉丸P氏がその実務装備で歩いていたところ、
子供達から熱い視線を受け、
「妖怪?」
と小言でささやかれたというものである。
子供達が口にした
「妖怪」とは、
忌避的なもの、
おぞましいものではなく、
「妖怪ウォッチ」
に登場する
「身近にいる、
普段は目に見えない、
自分の知識には無い不思議な存在」
的な意味として使ったであることは容易に想像できる。
執筆者自身も今件
「妖怪ウォッチ」
に登場する
「妖怪」
の創作方程式に気が付いた時に、
「あるいは遠くない将来において、
リーゼントのヤンキーな方々も妖怪扱いされるのであろう」
と考えていたところ、
すでにそのものが存在していることを知り、
「妖怪ウォッチ」
における
「妖怪」
とは、
昔の
「妖怪」
の創作式をそのまま現在において再発動させたものであると、
改めて確信した次第。
「ポケモン」
にもこれらのその要素はある。
しかし子供の心をくすぐる刺激的なもの
(特に下品に近いもの)、
また上記のような
「ワルにゃん」的、
現代風味的なノリには欠けていた。
多くの子供が
「妖怪ウォッチ」
に魅了された背景には、
「ポケモン」には見当たらず、
「妖怪ウォッチ」で見いだせた要素が大きく作用している。
すなわち
「本当の意味での日常生活に身近な今風のネタ」
「妖怪の本来の存在意義である
『身近なフシギ』
の原因となる謎の存在」
の要素を持ち合わせていたからである。
ざっとまとめると
「大人が口出ししない、
子供だけの好奇心を充足させる世界の提供」
「自分達の生活に身近な話をベースにすることによるリアル感・親近感」
「心を魅了する『妖怪』創生の方程式を現代に当てはめた存在」
などの要素が、
「妖怪ウォッチ」をして子供達のハートをつかむ世界観を創り上げたといえる。
ある意味
「妖怪ウォッチ」は、
「ポケモン」などの子供向け収集系ゲームと、
「妖怪」などが登場する怪談話が融合し、
今風に進化した姿なのかもしれない。
ecar
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/2671386
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック