2019年02月19日
ビジャ、山口蛍ら大型補強の神戸 今季注目すべき「3つのポイント」
一昨年のルーカス・ポドルスキ(ドイツ)、昨年のアンドレス・イニエスタ(スペイン)に続き、今季はダビド・ビジャ(スペイン)が加入し、世界に名の知れたビッグネームの獲得でサッカー市場をにぎわせているヴィッセル神戸。そうした補強は外国籍選手にとどまらず、山口蛍や西大伍ら、チームスタイルに合った、即戦力となりうる日本人選手も獲得することで、改めてクラブが掲げる「アジアナンバーワンクラブ」への決意を明らかにした。
そのクラブビジョンの実現に向けた足がかりとして今季の目標に定めているのが「AFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)」の出場権獲得だ。
もっとも、1995年に始まったクラブの歴史において、過去一度も「タイトル」をつかんだことのない現状を考えれば決して容易な道ではない。昨季、ポドルスキ、イニエスタを擁しながらJ1リーグを10位で終えた事実からもそれは明らかだ。ただ、昨年、かつて神戸の選手としても活躍した三浦淳寛氏がスポーツダイレクター(SD)に就任して以降、以前とは違いクラブビジョン、チームスタイルに一切の揺らぎなく進んできている現状を思えば、その可能性は確実に膨らんでいると言っていい。
あとは、昨年10月から指揮を執るファン・マヌエル・リージョ監督のもと、理想とするサッカースタイルを愚直に追い求めながら、いかに結果に近づけられるか。そのためにキーとなり得るポイントを三浦SD以下、監督、選手らの言葉をもとに考えてみた。
その1:「点取り屋」ビジャの存在
今季の補強における目玉の一人として挙げられるのがFWのビジャだ。
彼の補強に際し、三浦SDは「リーグでのACL出場圏内を目指すなら1シーズンで二桁得点を獲れるFWが必要だと思っていた。それもあり、動き出しのタイミングや質、技術はもちろん、実績も申し分のないビジャの獲得に動きました」と狙いを説明した。実際、過去のJ1リーグを振り返っても、上位を争うクラブには必ず年間二桁得点を数え、得点王争いにも顔を出すような点取り屋が存在。その事実からも、ビジャにかかる期待は大きく、本人も意欲をにじませる。
「自分が何点決めるかより、ヴィッセル神戸が目標を達成するために必要なゴールをできるだけたくさん決めたい」(ビジャ)
加えて言うならば、年間を通した戦いはもちろん、90分という時間の中では常に優位性を持った戦いができるとは限らない中で、苦しい時こそ「彼にボールを預ければなんとかしてくれる」という、心理的なよりどころになる点取り屋の存在は、流れを変える切り札になる。その点においても、これまでのキャリアではほとんどのシーズンで“二桁”を実現してきた点取り屋に期待大だ。
その2:「見どころは、僕です!」新加入の西大伍
プレシーズンにおける準備を続ける最中、「今シーズンの見どころは、僕です!」と自信をのぞかせたのが、鹿島アントラーズから加入したDFの西だ。
彼によればこうした言葉は「自らにプレッシャーをかけることで責任感を与えるため」でもあるようだが、的確な状況判断によって臨機応変にプレーを変更させることができる西の存在は、チームの機能性を高める上で、間違いなくキーになる。
特にリージョ監督が求めるサッカースタイルは、規律でがんじがらめにするというより、あくまで選手たちの状況判断、プレーのイマジネーションが大いに反映されるだけになおさらだ。その点は西も自覚しており、機能性を高める役割を担うことで、自身の成長にもつなげる決意だ。
「もちろん選手によって特徴も、良さも違うので、リージョ監督が求めていることをできない、イコール悪い選手だとは思いません。でもそういう選手も含めてチームとして機能させていくために、クラブは僕を獲得してくれた……と僕自身は受け止めています。実際、加入してからもその使命を感じますし、そう思えることも今シーズンを戦っていく上での僕の楽しみの一つでもあります」
その3:山口蛍に課せられた守備の改善
一方で気になるのが「守備」だ。前線にどれだけタレントをそろえても、守備が崩壊し失点を繰り返していては、「結果」にはつながらない。昨年の終盤、4失点、5失点と大量失点を重ね、苦戦を強いられた事実もそれを物語るものだった。
その状況から抜け出すべく、中盤のバランサーとして注目しているのが、セレッソ大阪から加入のMF山口の存在だ。
前線を預かる選手のプレースタイルからも、持ちうるパワーを攻撃に割く選手が多いという事実は、守備陣の負担を大きくすることにもなりかねない。もちろん、そのリスク管理は現在、チームとしても改善を求めているところで、組織だった守備力を高めようとしているのも事実だ。その実現に向けて、DFラインの1つ前、中盤のど真ん中で砦となりながら、チームを操縦する山口に課せられた責任は大きい。ともすれば、彼の出来がチームの結果を左右すると言っても過言ではないはずだ。
これについては本人も「守備の負担は大きくなりそうだけど、それも新しい環境に来たからこそのやりがい」だと意欲的。事実、そこで圧巻の存在感を示すことができれば、日本代表への返り咲きも十分可能だろう。慣れ親しんだクラブを離れ、イチからの再スタートを選択した決断と覚悟を、ぜひパフォーマンスで示してほしい。
もっともポイントはこの3つに限らず、先に名前を挙げたビジャとプライベートでも仲の良いイニエスタとのコンビネーションや、戦術家で知られるリージョ監督の手腕など見どころは多い。中でも「自分のベストバージョンのプレーをお見せする」と宣言しているイニエスタがその言葉通りの活躍を示すことになれば、世界中のサッカーファンを楽しませることにもなるだろう。
そんな神戸の開幕戦は、どこよりも早い2月22日。アウェーでのC大阪戦で戦いの火ぶたを切る。
そのクラブビジョンの実現に向けた足がかりとして今季の目標に定めているのが「AFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)」の出場権獲得だ。
もっとも、1995年に始まったクラブの歴史において、過去一度も「タイトル」をつかんだことのない現状を考えれば決して容易な道ではない。昨季、ポドルスキ、イニエスタを擁しながらJ1リーグを10位で終えた事実からもそれは明らかだ。ただ、昨年、かつて神戸の選手としても活躍した三浦淳寛氏がスポーツダイレクター(SD)に就任して以降、以前とは違いクラブビジョン、チームスタイルに一切の揺らぎなく進んできている現状を思えば、その可能性は確実に膨らんでいると言っていい。
あとは、昨年10月から指揮を執るファン・マヌエル・リージョ監督のもと、理想とするサッカースタイルを愚直に追い求めながら、いかに結果に近づけられるか。そのためにキーとなり得るポイントを三浦SD以下、監督、選手らの言葉をもとに考えてみた。
その1:「点取り屋」ビジャの存在
今季の補強における目玉の一人として挙げられるのがFWのビジャだ。
彼の補強に際し、三浦SDは「リーグでのACL出場圏内を目指すなら1シーズンで二桁得点を獲れるFWが必要だと思っていた。それもあり、動き出しのタイミングや質、技術はもちろん、実績も申し分のないビジャの獲得に動きました」と狙いを説明した。実際、過去のJ1リーグを振り返っても、上位を争うクラブには必ず年間二桁得点を数え、得点王争いにも顔を出すような点取り屋が存在。その事実からも、ビジャにかかる期待は大きく、本人も意欲をにじませる。
「自分が何点決めるかより、ヴィッセル神戸が目標を達成するために必要なゴールをできるだけたくさん決めたい」(ビジャ)
加えて言うならば、年間を通した戦いはもちろん、90分という時間の中では常に優位性を持った戦いができるとは限らない中で、苦しい時こそ「彼にボールを預ければなんとかしてくれる」という、心理的なよりどころになる点取り屋の存在は、流れを変える切り札になる。その点においても、これまでのキャリアではほとんどのシーズンで“二桁”を実現してきた点取り屋に期待大だ。
その2:「見どころは、僕です!」新加入の西大伍
プレシーズンにおける準備を続ける最中、「今シーズンの見どころは、僕です!」と自信をのぞかせたのが、鹿島アントラーズから加入したDFの西だ。
彼によればこうした言葉は「自らにプレッシャーをかけることで責任感を与えるため」でもあるようだが、的確な状況判断によって臨機応変にプレーを変更させることができる西の存在は、チームの機能性を高める上で、間違いなくキーになる。
特にリージョ監督が求めるサッカースタイルは、規律でがんじがらめにするというより、あくまで選手たちの状況判断、プレーのイマジネーションが大いに反映されるだけになおさらだ。その点は西も自覚しており、機能性を高める役割を担うことで、自身の成長にもつなげる決意だ。
「もちろん選手によって特徴も、良さも違うので、リージョ監督が求めていることをできない、イコール悪い選手だとは思いません。でもそういう選手も含めてチームとして機能させていくために、クラブは僕を獲得してくれた……と僕自身は受け止めています。実際、加入してからもその使命を感じますし、そう思えることも今シーズンを戦っていく上での僕の楽しみの一つでもあります」
その3:山口蛍に課せられた守備の改善
一方で気になるのが「守備」だ。前線にどれだけタレントをそろえても、守備が崩壊し失点を繰り返していては、「結果」にはつながらない。昨年の終盤、4失点、5失点と大量失点を重ね、苦戦を強いられた事実もそれを物語るものだった。
その状況から抜け出すべく、中盤のバランサーとして注目しているのが、セレッソ大阪から加入のMF山口の存在だ。
前線を預かる選手のプレースタイルからも、持ちうるパワーを攻撃に割く選手が多いという事実は、守備陣の負担を大きくすることにもなりかねない。もちろん、そのリスク管理は現在、チームとしても改善を求めているところで、組織だった守備力を高めようとしているのも事実だ。その実現に向けて、DFラインの1つ前、中盤のど真ん中で砦となりながら、チームを操縦する山口に課せられた責任は大きい。ともすれば、彼の出来がチームの結果を左右すると言っても過言ではないはずだ。
これについては本人も「守備の負担は大きくなりそうだけど、それも新しい環境に来たからこそのやりがい」だと意欲的。事実、そこで圧巻の存在感を示すことができれば、日本代表への返り咲きも十分可能だろう。慣れ親しんだクラブを離れ、イチからの再スタートを選択した決断と覚悟を、ぜひパフォーマンスで示してほしい。
もっともポイントはこの3つに限らず、先に名前を挙げたビジャとプライベートでも仲の良いイニエスタとのコンビネーションや、戦術家で知られるリージョ監督の手腕など見どころは多い。中でも「自分のベストバージョンのプレーをお見せする」と宣言しているイニエスタがその言葉通りの活躍を示すことになれば、世界中のサッカーファンを楽しませることにもなるだろう。
そんな神戸の開幕戦は、どこよりも早い2月22日。アウェーでのC大阪戦で戦いの火ぶたを切る。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8571236
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック