2015年07月03日
ついに始動!!新制ミランの大きな足音!
ミランの新シーズンが、7月8日に始まる。
6月の代表戦までフル稼働を続けたMF本田圭佑は今なお休暇中だが、ミラネッロ練習場でのプレシーズンキャンプとその後に控える中国ツアーへ備えるチームは、すでに激変しつつある。
前年の8位に続く昨季の10位という低迷は、ミラン関係者全員から夏の暑気を奪うのに十分だった。名門再建の奥の手であったはずのインザーギ監督は、シーズン終了後早々に解任。オーナーのベルルスコーニ元首相とガッリアーニ副会長は、新たに闘将ミハイロビッチを招聘した。かつてあった“ミランの監督職はクラブOBに限る”という不文律は、もはや存在しない。
新監督ミハイロビッチは、昨季まで率いたサンプドリアで一流半以下の選手たちを闘う集団に生まれ変わらせ、ミランを上回る勝ち点56とEL予選出場権を勝ち取った強面指揮官だ。
「たとえ飢え死ぬするようなことがあっても、ミランの監督にだけはならない」
ミランの仇敵インテルでの現役時代もあったミハイロビッチは、引退後も旧友マンチーニのインテルでの第一次政権で副官を務め、「いつかインテルの監督になるのが夢」と語っていたほど、ネラッズーロ寄りの人物として知られていた。前述の発言は、5年前のカターニャ監督時代のものだが、シチリア島へ渡ってもミラノ・ダービーで鎬を削ったライバルクラブへの敵愾心はそれほど強かったのだ。
ミハイロビッチの4-3-3は、ミランとは内容が違う。
ミハイロビッチは、カターニャやフィオレンティーナなど、これまでに率いてきたチームで採用してきた4-3-3をミランでも試そうとするだろう。昨季後半戦のサンプドリアでは、センターに置いたFWオカカを、FWエトーとFWエデルとで挟む3トップを使った。前任者インザーギも、本田を右サイドFWに置く形で4-3-3を多用した。
ただし戦術は同じでも、昨季のサンプドリアが見せたゲームへの精神的アプローチや攻め方は、トランスファーフリー移籍でかき集められ、高年俸待遇によって腑抜けたミランの選手たちのそれとは別物だった。
血眼でボールを追うことが、彼の下で試合に出る方法。
ミハイロビッチの選手たちは、つねに闘争心全開で誰もが血眼になってボールを追った。彼らにとって、そうすることが試合に出してもらうための唯一の方法だったからだ。
一流半の選手たちを鍛え上げ、上位に引き上げたミハイロビッチは、決して戦術的に器用な指導者ではない。だがボスニア内戦の戦火を潜り抜けてきた彼は、巷にあふれる名ばかりの闘将とは、肝の座り方がちがう。
ミハイロビッチの登用は、ここ数年顕著になっているミラン上層部の場当たり的判断の産物と言えなくもない。だが、17年ぶりの二桁順位に沈んだミランに欠けていたのは、とにかく“戦う集団”としての意識であり、ミハイロビッチこそそれを復活させるためにうってつけの人材であることは間違いないところだ。
混迷の昨季中に「選手ひとりひとりの向いている方向がバラバラ」と嘆いたこともあった本田にとっても、完全実力主義のミハイロビッチ就任は、むしろ望むところではないか。
新チームの選手たちが抱える名声も高年俸も、反骨の男ミハイロビッチには関係ない。ミランのあらゆるポジションは今、まっさらの白紙状態なのだ。
大型補強とコンバートで、熾烈なポジション争いが。
とはいえ、6月上旬の仮合意調印によって、多額の出資と引き換えに、タイ人投資家ビー・テチャンボウ氏へクラブ経営参加の道を開いたことで、ミランは今夏の移籍市場で久しぶりに活発な動きを見せている。
FWイブラヒモビッチ(パリSG)やFWジャクソン・マルティネス(ポルト→A・マドリー)にはフラれたが、EL王者セビージャのコロンビア代表FWバッカ獲得に3000万ユーロを注ぎ込んだ。
中盤にも、縦への突破力を持つイタリア代表MFベルトラッチをローマから獲得し、コパ・アメリカ後、これからが補強攻勢の本番といえる。
FW陣の中からは、昨季も怪我で不遇をかこったエルシャーラウィのように「ミハイロビッチと話し合って、是非トップ下をやりたい」と、コンバートを提案しつつ、監督交代を飛躍の契機とするべく新シーズンのレギュラーポジション奪取をアピールする者も出始めた。休暇明けの本田をミラネッロで待ち受けるのは、熾烈なポジション争いだ。
「敵視されるところで批評家を黙らせる方が痛快」
6月16日の就任会見で、ミハイロビッチは今季の目標を「ミランをあるべき高みに連れ戻すこと」とし、具体的な数字を出すことを避けた。しかし、つねに短期間で結果を出してきたからこそ自らの現在の評価があることは、指揮官自身熟知している。
インテリスタだった過去を隠すわけでもなく、ミラニスタたちの間に自分を歓迎していない層がいることを認めた上で、ミハイロビッチは不敵に語った。
「選手時代にいい思い出を残したクラブで、指導者として認めてもらうのは簡単なこと。逆に敵視されるところに乗り込んで、批評家や皮肉屋たちを黙らせる方がよほど痛快だろう?」
バカンス明けの本田がミラネッロへ戻るとき、そこには、すでにミハイロビッチの怒号が響き渡っていることだろう。1年目から持てる全精力と結果を選手たちに求めるミハイロビッチの本気に、本田も応えなければならない。
引用元
http://number.bunshun.jp/articles/-/823647
6月の代表戦までフル稼働を続けたMF本田圭佑は今なお休暇中だが、ミラネッロ練習場でのプレシーズンキャンプとその後に控える中国ツアーへ備えるチームは、すでに激変しつつある。
前年の8位に続く昨季の10位という低迷は、ミラン関係者全員から夏の暑気を奪うのに十分だった。名門再建の奥の手であったはずのインザーギ監督は、シーズン終了後早々に解任。オーナーのベルルスコーニ元首相とガッリアーニ副会長は、新たに闘将ミハイロビッチを招聘した。かつてあった“ミランの監督職はクラブOBに限る”という不文律は、もはや存在しない。
新監督ミハイロビッチは、昨季まで率いたサンプドリアで一流半以下の選手たちを闘う集団に生まれ変わらせ、ミランを上回る勝ち点56とEL予選出場権を勝ち取った強面指揮官だ。
「たとえ飢え死ぬするようなことがあっても、ミランの監督にだけはならない」
ミランの仇敵インテルでの現役時代もあったミハイロビッチは、引退後も旧友マンチーニのインテルでの第一次政権で副官を務め、「いつかインテルの監督になるのが夢」と語っていたほど、ネラッズーロ寄りの人物として知られていた。前述の発言は、5年前のカターニャ監督時代のものだが、シチリア島へ渡ってもミラノ・ダービーで鎬を削ったライバルクラブへの敵愾心はそれほど強かったのだ。
ミハイロビッチの4-3-3は、ミランとは内容が違う。
ミハイロビッチは、カターニャやフィオレンティーナなど、これまでに率いてきたチームで採用してきた4-3-3をミランでも試そうとするだろう。昨季後半戦のサンプドリアでは、センターに置いたFWオカカを、FWエトーとFWエデルとで挟む3トップを使った。前任者インザーギも、本田を右サイドFWに置く形で4-3-3を多用した。
ただし戦術は同じでも、昨季のサンプドリアが見せたゲームへの精神的アプローチや攻め方は、トランスファーフリー移籍でかき集められ、高年俸待遇によって腑抜けたミランの選手たちのそれとは別物だった。
血眼でボールを追うことが、彼の下で試合に出る方法。
ミハイロビッチの選手たちは、つねに闘争心全開で誰もが血眼になってボールを追った。彼らにとって、そうすることが試合に出してもらうための唯一の方法だったからだ。
一流半の選手たちを鍛え上げ、上位に引き上げたミハイロビッチは、決して戦術的に器用な指導者ではない。だがボスニア内戦の戦火を潜り抜けてきた彼は、巷にあふれる名ばかりの闘将とは、肝の座り方がちがう。
ミハイロビッチの登用は、ここ数年顕著になっているミラン上層部の場当たり的判断の産物と言えなくもない。だが、17年ぶりの二桁順位に沈んだミランに欠けていたのは、とにかく“戦う集団”としての意識であり、ミハイロビッチこそそれを復活させるためにうってつけの人材であることは間違いないところだ。
混迷の昨季中に「選手ひとりひとりの向いている方向がバラバラ」と嘆いたこともあった本田にとっても、完全実力主義のミハイロビッチ就任は、むしろ望むところではないか。
新チームの選手たちが抱える名声も高年俸も、反骨の男ミハイロビッチには関係ない。ミランのあらゆるポジションは今、まっさらの白紙状態なのだ。
大型補強とコンバートで、熾烈なポジション争いが。
とはいえ、6月上旬の仮合意調印によって、多額の出資と引き換えに、タイ人投資家ビー・テチャンボウ氏へクラブ経営参加の道を開いたことで、ミランは今夏の移籍市場で久しぶりに活発な動きを見せている。
FWイブラヒモビッチ(パリSG)やFWジャクソン・マルティネス(ポルト→A・マドリー)にはフラれたが、EL王者セビージャのコロンビア代表FWバッカ獲得に3000万ユーロを注ぎ込んだ。
中盤にも、縦への突破力を持つイタリア代表MFベルトラッチをローマから獲得し、コパ・アメリカ後、これからが補強攻勢の本番といえる。
FW陣の中からは、昨季も怪我で不遇をかこったエルシャーラウィのように「ミハイロビッチと話し合って、是非トップ下をやりたい」と、コンバートを提案しつつ、監督交代を飛躍の契機とするべく新シーズンのレギュラーポジション奪取をアピールする者も出始めた。休暇明けの本田をミラネッロで待ち受けるのは、熾烈なポジション争いだ。
「敵視されるところで批評家を黙らせる方が痛快」
6月16日の就任会見で、ミハイロビッチは今季の目標を「ミランをあるべき高みに連れ戻すこと」とし、具体的な数字を出すことを避けた。しかし、つねに短期間で結果を出してきたからこそ自らの現在の評価があることは、指揮官自身熟知している。
インテリスタだった過去を隠すわけでもなく、ミラニスタたちの間に自分を歓迎していない層がいることを認めた上で、ミハイロビッチは不敵に語った。
「選手時代にいい思い出を残したクラブで、指導者として認めてもらうのは簡単なこと。逆に敵視されるところに乗り込んで、批評家や皮肉屋たちを黙らせる方がよほど痛快だろう?」
バカンス明けの本田がミラネッロへ戻るとき、そこには、すでにミハイロビッチの怒号が響き渡っていることだろう。1年目から持てる全精力と結果を選手たちに求めるミハイロビッチの本気に、本田も応えなければならない。
引用元
http://number.bunshun.jp/articles/-/823647
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