2015年01月21日
現代SNSの標的となるサッカー・・・、臆する企業達
マンチェスター・ユナイテッドがソーシャルメディアの導入に臆病だったのもわからなくはない。このクラブはイギリスで、おそらくどの企業よりもメディアに取り上げられている。そのフェイスブックページがハッカーに攻撃されたら、世界的なニュースになるだろう(実際に攻撃されている企業はいくつもある)。
ソーシャルメディアはスキャンダルのタネにもなる。フットボール選手のネット上での発言は、つねにトラブルのもとになっている。クィーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)のセンターバック、リオ・ファーディナンドは昨年秋、ツイッター上に「QPRはいいセンターバックが欲しいんじゃないか」と書いたユーザーに向かって、「おまえの母ちゃんは、あばずれだ」と、汚いスラングで言い返し、イングランド・フットボール連盟(FA)から3試合の出場停止と罰金2万5000ポンド(約450万円)の処分を受けた。
2011年以降これまで、FAは少なくとも60人のフットボール関係者に対し、ソーシャルメディアでの不適当なコメントをもとに処分を下している。アーセナルの監督アーセン・ベンゲルは、こう語った。「ツイッターについては心配している。クラブの中にとどまるべき事柄が、外に出ていってしまう。しっかり管理することが重要だ」
クリスティアーノ・ロナウドがフェイスブックに自分で書き込みを載せないのも、ひとつにはスキャンダルを警戒しているためだ。クリスティアーノ・ロナウドのフェイスブックのページは英語だが、彼の母語はポルトガル語だ。だから彼は自分のメッセージをスタッフに送り、正しい英語にして掲載している。
フットボール界の慎重な姿勢に、フェイスブック社のグレン・ミラーはいら立ちを隠さない。クラブはスキャンダルを怖がりすぎていると、彼は言う。多くの若者はソーシャルメディア上の大げさで荒っぽいやりとりに慣れているし、いくら新聞が選手たちの失言をスクープしたとしても、そもそも新聞自体を読まないファンも増えている。それなのにクラブは今も選手たちに、「ネット上で言ってはいけないこと」をしつこく言い含めている。
それでもクラブは遅ればせながら、ソーシャルメディアをビジネスチャンスととらえるようになってきた。今は大変な勢いでソーシャルメディアを学びはじめている。
ボルシア・ドルトムントは1年前、監督のユルゲン・クロップが契約を更改したときの写真をツイートした。写真でいちばん目立っていたのは、彼がサインするのに使ったペンだった。そばにあったから使っただけなのだろうが、そのペンはドイツの文具メーカー、スタビロのものだった。ソーシャルメディア上のファンは、そこを見逃さなかった。スタビロの関係者は大喜びだったと、ツイッター・ドイツのスポーツ担当パウル・コイタは言う。
ソーシャルメディアを理解しているクラブは、スポンサーにとっても価値が増す。ユナイテッドがソーシャルメディアを導入した直後の2012年に、ゼネラル・モーターズ(GM)のブランド「シボレー」と、2014〜15シーズンからの胸広告の契約を年間4700ポンド(約87億円)という史上最高額で結んだのは決して偶然ではない。
しかしユナイテッドのようなクラブがめざすのは、スポンサーの獲得より大きなものだ。ソーシャルメディアを使えばユナイテッドは、マレーシアのクアラルンプールに住み、ヨーロッパに行ったこともない「アブドル」のようなファンとつながることができる。ユナイテッドがそうしたファンを登録していけば、事実上のデータベース企業になれる。このとき大きな価値を持つのは、サポーターがどんな人物で、どんな消費の習慣を持っているかを把握していることだ。
さまざまな分野の企業が今、同じゴールをめざしている。フェイスブックとグーグルは「アイデンティティー企業」として知られている。これらの企業はサービスを無料で提供し、その見返りにユーザーは自分の「アイデンティティー」を企業に与える。
ソーシャルメディアはスキャンダルのタネにもなる。フットボール選手のネット上での発言は、つねにトラブルのもとになっている。クィーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)のセンターバック、リオ・ファーディナンドは昨年秋、ツイッター上に「QPRはいいセンターバックが欲しいんじゃないか」と書いたユーザーに向かって、「おまえの母ちゃんは、あばずれだ」と、汚いスラングで言い返し、イングランド・フットボール連盟(FA)から3試合の出場停止と罰金2万5000ポンド(約450万円)の処分を受けた。
2011年以降これまで、FAは少なくとも60人のフットボール関係者に対し、ソーシャルメディアでの不適当なコメントをもとに処分を下している。アーセナルの監督アーセン・ベンゲルは、こう語った。「ツイッターについては心配している。クラブの中にとどまるべき事柄が、外に出ていってしまう。しっかり管理することが重要だ」
クリスティアーノ・ロナウドがフェイスブックに自分で書き込みを載せないのも、ひとつにはスキャンダルを警戒しているためだ。クリスティアーノ・ロナウドのフェイスブックのページは英語だが、彼の母語はポルトガル語だ。だから彼は自分のメッセージをスタッフに送り、正しい英語にして掲載している。
フットボール界の慎重な姿勢に、フェイスブック社のグレン・ミラーはいら立ちを隠さない。クラブはスキャンダルを怖がりすぎていると、彼は言う。多くの若者はソーシャルメディア上の大げさで荒っぽいやりとりに慣れているし、いくら新聞が選手たちの失言をスクープしたとしても、そもそも新聞自体を読まないファンも増えている。それなのにクラブは今も選手たちに、「ネット上で言ってはいけないこと」をしつこく言い含めている。
それでもクラブは遅ればせながら、ソーシャルメディアをビジネスチャンスととらえるようになってきた。今は大変な勢いでソーシャルメディアを学びはじめている。
ボルシア・ドルトムントは1年前、監督のユルゲン・クロップが契約を更改したときの写真をツイートした。写真でいちばん目立っていたのは、彼がサインするのに使ったペンだった。そばにあったから使っただけなのだろうが、そのペンはドイツの文具メーカー、スタビロのものだった。ソーシャルメディア上のファンは、そこを見逃さなかった。スタビロの関係者は大喜びだったと、ツイッター・ドイツのスポーツ担当パウル・コイタは言う。
ソーシャルメディアを理解しているクラブは、スポンサーにとっても価値が増す。ユナイテッドがソーシャルメディアを導入した直後の2012年に、ゼネラル・モーターズ(GM)のブランド「シボレー」と、2014〜15シーズンからの胸広告の契約を年間4700ポンド(約87億円)という史上最高額で結んだのは決して偶然ではない。
しかしユナイテッドのようなクラブがめざすのは、スポンサーの獲得より大きなものだ。ソーシャルメディアを使えばユナイテッドは、マレーシアのクアラルンプールに住み、ヨーロッパに行ったこともない「アブドル」のようなファンとつながることができる。ユナイテッドがそうしたファンを登録していけば、事実上のデータベース企業になれる。このとき大きな価値を持つのは、サポーターがどんな人物で、どんな消費の習慣を持っているかを把握していることだ。
さまざまな分野の企業が今、同じゴールをめざしている。フェイスブックとグーグルは「アイデンティティー企業」として知られている。これらの企業はサービスを無料で提供し、その見返りにユーザーは自分の「アイデンティティー」を企業に与える。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/3134291
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック