アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2014年10月24日

GON NAKAYAMA 〜 Jリーグに残した遺産 〜B

「じゃあ、最後にゴン」って(笑)。

 藤田と名波、福西の3人の座談会で中山の「キャプテンシー」というテーマを投げると、こんな会話が繰り広げられた。

名波 いや、キャプテンと言っても自ら発言するキャプテンじゃないからね。もちろん王様タイプでもない。

藤田 というか、むしろキャプテンシーはそんなにないんじゃない?

福西 確かに。存在感と背中で語るタイプだからね。

名波 でも、人前に立った時の輝きは抜群なわけじゃん。

藤田 だからキャプテンっぽく見えるんだよ。あの頃のジュビロなら、どちらかと言うとハット(服部年宏)のほうがそれっぽいもん。

福西 確かに。中山さんは最後に締める感じだからね。

藤田 そう、完全に“締め”だね。ミーティングでもキャプテンが何か言った後に、「じゃあ、最後にゴン」って(笑)。

福西 それでなぜか、「さあ行こうぜ!」ってなる。だって、中山さんの普段の姿を見て何も感じない選手はいないでしょ。

名波 だから厳密には、キャプテンシーっていうのとはちょっと違うのかもしれないな。

自分の可能性を突き詰める姿勢は、いつもチームで一番だった。

 中山は、常にチームにおけるリーダーとしての“立場”を考えて先頭を走っていたわけではない。極端に言えば、自分の持てる力をすべて出し尽くしただけのことだ。その結果がいつも“チームで1番”だったから、必然的に先頭に押し出された。人前に立つことを求められればその役割も果たしたが、それを目的として“1番”になっていたわけではない。

 中山が常に“1番”だったのは、自分の可能性を突き詰める姿勢だった。

 石崎は指揮官として、その姿勢が若いチームに大きな影響を及ぼしたことを感じている。

「ゴンちゃんが加入して2年目のグアムキャンプだったかな。ゴンちゃん、トライアスロンを始めたんだよね。プールでめいっぱい泳いで、汗だくで自転車を漕いで、最後に走ったのかな。グアムのランニングコースはとんでもなく大きいし、坂もたくさんある。あれはすごかったですよ。ホントにすごかった。ゴンちゃんのそういう姿を、若い選手も見てるからね。影響力という意味では、ものすごく大きかったと思う」

 河合に聞いた。自分の可能性を突き詰める中山に、もし、札幌というチームが与えたものがあったとすれば何か。

「与えたもの。そうですね。フレッシュさ……かもしれませんね。中山さんも僕も、若い選手の能力にはいつも驚いていたし、中山さんも彼らの才能に可能性を感じて、刺激を受けていたと思います。自分よりいくつも年下の選手に負けたくない。そういう気持ちが、中山さんの気持ちや力になっていた気がします」




中山の「サッカーが大好きな気持ち」を伝えたい。

 河合には、1つ後悔していることがある。

 ホーム最終戦で初めて同じピッチに立った時、中山にキャプテンマークを渡したかった。ただ、当時は中山の引退すら想像もできなかったし、もしかしたらその時は、本人も引退を決めていなかったのではないかとも思う。

「まずは同じピッチに立ててうれしかったですよね、本当に。ボールを持って顔を上げると、思わず中山さんの姿を探しちゃうというか、少しの時間でしたけど、やっぱり動きの質は高いので。ピッチが似合う人だなと改めて思いました。また復活してくれないですかね、本当に」

 少し寂しそうな表情でそう語った河合だが、中山の引退によって新たにした気持ちもある。

「常に全力。ひとことの重みは中山さんに全く及ばないかもしれないけど、僕が見て感じたものを伝えていきたいと思いますね。ほど遠いし、やれるかわからないけど、やらなきゃいけないですよね。中山さんみたいにサッカーが大好きな気持ちを、それを自分が表現していく番かなと思います。僕がそれをやらないと、中山さんに失礼だと思いますから」

 7人に話を聞いて感じたのは、中山雅史という1人の選手が日本のサッカー界に伝えた気持ちの大きさと、それを受け止めた人たちが“これから”を形成するピッチ内にも、そしてもちろんピッチ外にもいるという心強さだった。やはり、サッカーの面白さは理屈を抜きにした“気持ち”にある。

「気持ちを見せろ!」

 そのひとことに、中山が込めた意味は計り知れない。
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前: 必須項目

メールアドレス: 必須項目


ホームページアドレス: 必須項目

コメント: 必須項目

認証コード: 必須項目

※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/2811092
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
【SIESTA読谷】
シエスタ読谷さんの画像
シエスタ読谷
ハイサイ!(*゚▽゚*) 南国の地、沖縄県の社会人サッカー1部リーグに所属しております、シエスタ読谷と申します! 当ブログでは様々なサッカー関連情報や動画等を紹介したりしていきたいと思います♪
プロフィール
【お勧めリンク先一覧】
最新記事
RSS取得
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。