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2014年04月02日

エースストライカーの条件A

「チームメイトとどこに行くのもなにをやるのも一緒、と仲間とつるんでしまう選手は、ストライカーには向かない」

 北京五輪日本代表監督で、現在はJ2松本山雅の監督を務める反町康治監督は語っていたものだが、これは世界共通のストライカーに対する認識だろう。

 人とつるむ。

 それは心理的には自信の欠如だと説明される。連帯することで自分の責任を人と分け合い、ようやく精神の安定を保てる。そうした帰属意識が高い人物は、集団の中で役割を与えられれば、それを懸命に全うする貴重な存在だが、個性としては輝きにくい。

 言わば、ストライカーは元来的に”集団からはみ出すべき存在”なのだ。

 自分が取材してきたストライカーたちは、多かれ少なかれ、”棘(とげ)”を持っていた。例えばブラジルW杯出場を狙う豊田陽平(サガン鳥栖)は、その点で堂に入っている。彼はむしろ集団に流されることを嫌う。例えば、黙々と一人で走れるし、あるいは、気の向かない質問には軽々しく口を開かない。

「今以上に昔の方が、プレイそのものにも棘があったというか、人を近づけない感じでしたね」

 これは豊田の自己分析である。その性格はエゴイストとも表現できるだろうが、ゴール前の仕事は極度のストレスを伴うだけに、空気に流されない剛勇の精神と肝の太さが求められる。

「昔はライバルのFWが点を決めると、ベンチを蹴り、ふて腐れてましたね」


そんな告白をするストライカーは少なくない。野蛮なまでの我の強さは、集団生活においては褒められたことではないだろう。しかしその利己的な生き方こそが、点取り屋としてチームを敗北から救い出し、勝者とする。そもそもの話、ゴール前は死に物狂いの“戦闘”が繰り広げられる場所であり、そこで力を発揮するのは他者を圧倒できる個の力のみなのだ。

「ストライカーは資質として、ナルシストである必要がある。自分を厚かましいほど信じられるか。得点を取るのは簡単な仕事ではない」

かつてレアル・マドリードを王者に導いた名将、ホルヘ・バルダーノはストライカー像を評している。

<俺のゴールでお前らを勝たせてやるぜ!>

 それは独善的な物言いに聞こえるが、それは“ストライカーならでは”のダンディズムなのだ。

 もっとも、名を残す点取り屋はちっぽけなナルシストのままでは終わらない。集団の中でリスペクトされる振る舞いを、後天的に習得する。例えば、得点につながるクロスボールを出した味方に深く感謝する。信義によって絆を深め、お互いが輝かし合うことを学ぶ。集団の中で磨かれることで、“仲間を思う”という意味を理解し、彼らはやがて本物の男になり、さらに得点を生み出す機会を増やすのだ。

そんなストライカーたちと“斬り結ぶ”ようなやりとりが、僕は嫌いではない。

http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2014/03/18/post_591/より引用
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