2014年10月21日
Short Short Short @Seoul
3日目になり、ようやく出かけられる陽気になった。
雨が熱さを洗い流し、午前中は涼しい風が吹き抜けた。
それも日が高くなるにつれて、期限切れ。
午後にはすっかり日本の梅雨と同じ蒸し暑い風が舞った。
旅先で使う短パンを求めて歩く。
宿に近い新設洞と隣の駅・東廟の間に古着屋が立ち並ぶ通りがあった。
東大門へ抜けるのに通り過ぎたことがあり、前々から気になっていた。
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使い捨てもありかな、と古着屋を冷やかすことにした。
車道と歩道の間には「ガラクタ屋」が延々と並び、
ちょっと「市」を成している。
古着屋が店を出しているのか、
まったく関係ない店なのか、
正体もわからないが、
雨上がりの路上は中古品や古着を選り分ける客でにぎわっていた。
ご他聞に漏れず、アジアの「ガラクタ市」である。
スーツやジャケットはハンガーにぶら下げられ、
ブラウスやシャツなどは山積みにされている。
日本のフリー・マーケットにも並んでいそうなものもあれば、
履き古した靴やバカでかいラジオ、蛇口、古びた電気スタンド、
よくわからないコードまで並んでいる。
「誰が買うんだ、これ」というようなものがホトンドなのだ。
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古着の露店は山となった衣類から
お気に入りを探す客でにぎわっているが、
ナゾのガラクタを並べる露店には人もいない。
のんきにオヤジがタバコを燻らすだけである。
アジアの街角ではこういう「ガラクタ市」にかならず出くわす。
移り住んだシンガポールにも「ドロボウ市」と呼ばれる通りがあった。
地元の人たちにいわせると
「なくした物や盗まれたものは翌日、あそこで探せば出てくる」という場所。
本気かウソかは定かではないが、
物をなくした人がいると、そんな冗談がよく使われていた。
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ブーツ半足、割れた電球の傘、なにかの取っ手、コーラの空き瓶・・・
そこにも「誰が買うんだ、これ」というものがたくさん並んでいた。
そのことを思い出し、少し懐かしい気分になった。
ここもアジアなのだ。
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