2014年09月12日
Looking for -DAY3- @Seoul
市場を離れると雨上がりの空気がキンと冷えていて、心地よかった。
昨日注文したサングラスを受け取りに明洞(ミョンドン)に行かなければならなかった。
市内の地図を広げてみると、
広蔵市場(クァンジャン・シジャン)から明洞までは、たいした距離ではなさそう。
地下鉄の駅なら3つほど。
東京都内の地下鉄駅に沿って歩くのと距離感は変わらない。
市場を出て、西の方角を目指し、見知らぬ街を歩き出した。
この辺は方向音痴じゃないので助かる。
犬のように鼻が利く、というのは大ゲサだが、
なんとなく当たりをつけた方角を目指して歩くと、なんとなくたどり着く。
ツアー・コンダクター時代にも、
ツアーで立ち寄る新しい契約先のレストランに、
お客さんご一行を引き連れ、地図一枚でたどり着いたり、
文字だけの説明のガイドとのアポイント場所に到着するのはあまり苦にならなかった。
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モチロン迷いそうな気配に襲われれば、ダレカレかまわず、聞いて回るし、
道路標示や住所など目に付くものを拾い集めるのがたぶん得意なのだ。
店先の黄色いポストを覚えていたり、消えかかった横断歩道を目印にしたり、
同じところをグルグル迷った、という経験はあまりない。
さすがにハワイ島のキラウェア火山が噴火した海辺の溶岩後を歩いたとき、
溶岩に閉ざされた道路から溶岩へ入っていくのだが、
写真を撮りながら歩いていたら、その道路へいつまでたっても戻れなくて、あせったことがある。
カメラに夢中になり、気付いたら点々といた観光客が誰もいなくなり、
あっさり帰る方向を見失った。
常夏の島だというのにのんきに水も持っておらず、
レンタカーを止めた場所につながる道路へ戻るキッカケを失い、
歩きづらい溶岩の上を延々と迷い続けた。
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そりゃあそうだ。
目印のカンバンはないし、道を尋ねる相手もいない。
日はドンドン暮れていくし、こりゃあ、軽い遭難だ、と思いながら、
ゴツゴツした溶岩の上を歩いた。
最悪の場合、海に出て、海岸線を辿ればどうにかなる、なんて軽く考えていたのだが、
予想以上に広くて長い溶岩と
カラダが上下するほど歩きづらい地面に、涙目になりかけた。
なんとか戻って、レンタカーにたどり着き、
公園出口にいたレンジャーに
「よう、遅かったな。最後の一人だよ」といわれた時は自分のうかつさにあきれた。
レンジャーに捜索された日にゃア、笑い話にもならない。
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昼まで降り続いた雨がスッカリ街を洗い流し、空気を冷やしていた。
実は到着してから前日まで、目のカユミとノドがいがらっぽくて困っていたのだ。
やたらと咳き込むし、目がかゆい。
「渋滞が増えたソウルの排気ガスのせい?」と塑像していたのだが、
日本のニュースとこの雨を重ねて、謎が解けた。
「黄砂」。
日本列島を覆い尽くした中国からの「黄砂」は、
ここ朝鮮半島にも被害を及ぼしていた。
大陸の一部だけあって、その被害は日本より深刻だとか。
ソウルの街なかにもマスクをつけている人は多いし、
なかには防塵のグラスをしている人もいた。
黄色い砂がソウルでも舞い散っていたのだ。
それを午前中の雨が洗い流した。
顔を撫でる風は切るほどに冷たくなったが、澄んだ空気が心地よかった。
普通の街の、普通の通りの、普通の人々に紛れて歩いていると普段見えないものも見えてくる。
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明洞につくと、空から白いものが落ちて来はじめた。
暗くなりはじめた時刻、道路が乾きはじめ、
またホコリに混じって黄砂が舞っているのかと思ったら、雪だった。
降る、というほどの量ではなかったが、時折、舞い落ちてくる。
今日の昼、決勝で敗れはしたものの善戦したWBC韓国代表チームの悲しみが舞っているようだった。
写真1;人参。といっても高麗人参のアウトレット版。
写真2;街角の出店。湯気のとおり、冷え込むと売れ行きがいい。
写真3;市場へ買い付けに。バイクだろうが自転車だろうがとことん積み込む。
写真4;独活(ウド)。たぶんウドちゃんだと思われます。天野くんはいなかった。
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