2017年10月07日
《その70》 ポインタを交換する関数(p.315演習8-20)
ポインタを交換する関数
二つの文字列
char* a = "ABCDEF"; // ☆1
char* b = "UVWXYZ"; // ☆2
のポインタを交換する。
このことを、少し具体的に考えて見ます。
文字列 "ABCDEF" を指すポインタは a
文字列 "UVWXYZ" を指すポインタは b です。
ということは、a は 文字列 "ABCDEF" のアドレスを保持しており
b は 文字列 "UVWXYZ" のアドレスを保持していることになります。
ポインタを交換するという意味は、a と b の保持しているアドレスを交換するということです。
関数に a と b を渡して、保持しているアドレスを交換してもらえばいいように思えますが、
違います。
関数はコピーしか受け取りません。
関数の中でコピーに何をしても無駄です。元の a と b とは別物なので。
関数に a と b を渡すのではなく、aの住所と bの住所を渡してみます。
関数が受け取るのはコピーですが、コピーでも住所なのですから a と b の居場所はわかります。
居場所がわかれば、関数の中からでも a と b の持っているアドレスを交換することができる
わけです。
上の ☆1,☆2 で言えば、
a の住所は &a
b の住所は &b なので、
関数名が exchange だとしたら、
exchange(&a, &b);
で、住所を関数に渡せます。
受け取る側の関数は
void exchange(char** x, char** y);
という感じにします。
関数が受け取るのは、ポインタ a の住所とポインタ b の住所、
つまり「ポインタのポインタ」と言えるものですから、
**x と **y のように記述します。
以下の 演習8-20 では、単純過ぎるかもしれませんが、以上の話をそのままプログラムにしました。
新版明解C++入門編 p.315 演習8-20
二つの文字列を指すポインタを交換する関数を作成せよ。関数の仕様は自分で考えること。
// p315_演習8-20
#include <iostream>
using namespace std;
void exchange(char** x, char** y)
{
char *temp = *x; /* x は a の住所なので、*x はポインタ a の中身、 */
/* つまり "ABCDEF" のアドレスです。*/
*x = *y; /* *y は "UVWXYZ" のアドレスです。 */
*y = temp; /* それを交換します。 */
}
int main()
{
char* a = "ABCDEF";
char* b = "UVWXYZ";
exchange(&a, &b);
cout << a << '\n';
cout << b << '\n';
}
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