2018年01月11日
《その229》 例外が送出される際の工程について
例外が送出される際の工程
下記のプログラムで、例外が送出される際の工程について調べてみます。
まず、tryブロックの中で、Err型のエラーオブジェクト err を構築し、この errエラーを送出します。ただし、送出されるのは、errオブジェクトそのものではなく、そのコピーです。
そのため、プログラムの工程は、
@ err を構築
A err のコピーを構築
のように進行します。
次いで、err のコピーを送出することになりますが、その直前に、オリジナルの err は解体されます。
B err を解体
送出された err のコピーは、Err型用の例外ハンドラーによって捕捉されます。
C 例外を捕捉
そして最後に、err のコピーは解体されます。
D err のコピーを解体
// ------------------------------------
#include <string>
#include <iostream>
using namespace std;
class Err {
string name;
public:
// -- コンストラクタ --
Err(string n) : name(n) {
cout << name << "を構築\n";
}
// -- コピーコンストラクタ --
Err(const Err& x) {
name = x.name + "のコピー";
cout << name << "を構築\n";
}
// -- デストラクタ --
~Err() { cout << name << "を解体\n"; }
};
void f()
{
try {
Err err("err");
// コンストラクタが呼ばれます。 @
//
// 送出するための、errのコピーを
// コピーコンストラクタ
// が生成します。 A
// err のコピーを送出する直前に、
// errのオリジナルを解
// 体するので、デストラ
// クタが呼ばれます。 B
throw err;
// 例外 errのコピーを送出。
}
catch (char) {}
}
int main()
{
try {
f();
}
catch (Err&) {
// err のコピーを参照で捕捉。 C
cout << "例外を捕捉\n";
// 捕捉された errのコピーを解体 D
// するために、デストラク
// タが呼ばれます。
}
}
// ------------------------------------
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