C++，C++/CX に挑戦！

◆ 新版明解C++入門編，新版明解C++中級編での学習。自分なりに要点を整理し、全演習問題を解いて、とりあえず一段落です。
◆ 続いて C# に移行予定でしたが、ここでは、このまま C++、そして C++/CX（UWP）についての記事をアップしていくことにします。
◆ C# については別のブログで初歩の初歩から学習を進めたいと思います。準備ができたらリンクを貼りますので、よろしくお願いします。

2018年01月01日

《その215》参照のクロスキャスト

《その215》参照のクロスキャスト

　前々回《213》と前回《214》で扱ったクロスキャストは、ポインタがキャストの対象でした。
今回は、参照のクロスキャストについてです。

　とは言っても、ポインタのときと同じように dynamic_cast<>演算子を用いてキャストするので、前回《214》のプログラムの該当部分だけを書き換えたコードで確認することにします。
プログラムの説明は、前回《214》書いたので、今回は省略します。

　下のプログラムの赤文字の部分が変更箇所ですが、


    for (int i = 0; i < 3; i++) {
        B& r = dynamic_cast<B&>(*a[i]);
        cout << r.fb() << " ";
    }

だと、参照のクロスキャストをしている気がしない、というのであれば、


    for (int i = 0; i < 3; i++) {
        A& ref = *a[i];
        B& r = dynamic_cast<B&>(ref);
        cout << r.fb() << " ";
    }

のように書き換えてみると、いいのではないかと思います。


// ------------------------------------
#include <iostream>
using namespace std;

class A {
public:
    virtual int fa() = 0;
};

class B {
public:
    virtual int fb() = 0;
};

class C : public A, public B {
    int x;
    int y;
public:
    C(int s, int t) : x(s), y(t) { }
    int fa() { return x + y; }
    int fb() { return x - y; }
};

int main()
{
    A* a[] = {
        new C(20, 10),
        new C(50, 30),
        new C(66, 33),
    };

    for (int i = 0; i < 3; i++)
        cout << (*a[i]).fa() << " ";
    cout << '\n';

    for (int i = 0; i < 3; i++) {
        B& r = dynamic_cast<B&>(*a[i]);
        cout << r.fb() << " ";
    }
    cout << '\n';

    for (int i = 0; i < 3; i++)
        delete a[i];
}
// ------------------------------------