2017年12月26日
《その206》 抽象クラス(4)
抽象クラス
最近、抽象クラスの話が続いてしまっていて、すみません (ノω<。) m(_ _)m
今回もまた、抽象クラスです。
前回《205》の内容のまとめです ( ̄▽ ̄;)!!
下のプログラムは、前回《205》のプログラムから余計な部分を取り除いた構成になっています。
◆1. 動的にオブジェクト Bbb(5) を作り、そのオブジェクトへのポインタを Aaa*型の q に代入します。
オブジェクト Bbb(5) は Bbb型なので、Bbb*型のポインタで指せるのは当然ですが、派生クラス Bbb の基底クラスが Aaa なので、アップキャストにより、Aaa*型のポインタで指すことができます。
Aaa は仮想関数を持つ多相的クラスなので、Bbb も多相的クラスですから、多相性の利用といった点からも Aaa*型のポインタを利用するのが自然です。
◆2. Bbb型オブジェクトの配列用の記憶域を確保して、その先頭要素へのポインタを int* p に代入します。
◆3. 作成した Bbb型オブジェクトを破棄する支持です。
◆4. この Bbb型オブジェクトを指すポインタ q が Aaa*型なので、デストラクタ Aaa::~Aaa が呼ばれるはずですが、~Aaa は仮想デストラクタですから、Bbbクラスのデストラクタ ~Bbb が呼ばれることになります。その結果、動的に確保した配列領域が解放されます。
◆5. 派生クラスのデストラクタ ~Bbb の次に、基底クラスのデストラクタ ~Aaa が呼ばれます。
◆6. もし、プログラムの◆5.のコードが、◆6.のコードになっていたら、~Aaa が呼ばれ、~Bbb は呼ばれないままになってしまいます。その結果、動的に確保した配列領域が解放されないままになってしまいます。
// ------------------------------------
#include <iostream>
class Aaa {
public:
virtual ~Aaa() { // ◆5.
// ~Aaa() { // ◆6.
std::cout << "~Aaa が呼ばれました。\n";
}
virtual void f1() const = 0;
// 「 = 0 」 を付けて純粋仮想関数にしてあるので、
// 関数本体がどこかで定義されるま
// では、コンパイルが成功しません。
// vittual void f1() const { }
// のような、純粋でない仮想関数であれば
// 問題なくコンパイルは成功します。
// ということは、純粋仮想関数にするこ
// とで、関数本体の定義を、プログラマー
// に促すことができるわけです。
};
class Bbb : public Aaa {
int n;
int* p;
public:
Bbb(int x) : n(x) {
p = new int[n]; // ◆2.
}
~Bbb() { // ◆4.
delete[] p;
std::cout << "~Bbb が呼ばれました。\n";
}
void f1() const{ /* 関数 f1 の本体 */ }
void f2() { /* 関数 f2 の本体 */ }
};
int main() {
Aaa* q = new Bbb(5); // ◆1.
delete q; // ◆3.
}
// ------------------------------------
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