2017年12月17日
《その184》 仮想関数(2)
仮想関数
前回《183》のプログラムと今回のプログラムの相違点は、
基底クラス Member のメンバ関数の関数宣言 void print() const; の前に virtual を付加して、
virtual void print() const;
としてある箇所( ◆印 )だけです。
これで、関数 print は仮想関数になります。
派生クラスのメンバ関数で、基底クラスの仮想関数と仕様(関数名と仮引数)が同じものは、virtual が付加されていなくても仮想関数とみなされます。
したがって、Member2クラスのメンバ関数 print も仮想関数です。
プログラムコードより実行結果が先になってしまいますが、実行結果は次のようになります。
上が前回《183》の実行結果、下が今回(メンバ関数 print が仮想関数)の実行結果です。
【 前回《183》の実行結果 】
【 今回の実行結果 】
今回のプログラムは、関数 print が仮想関数になっている点が、前回と違っています。
仮想関数は、x.print() として呼ばれたときに、x の静的な型ではなく、動的な型のメンバ関数を呼び出します。
動的な型とは、ポインタが指しているオブジェクトの実際の型であり、
harada, tahara であれば Member型、
kawada, tagawa であれば Member2型
ということになります。
その結果、x.print により、
harada, tahara では、Member::print()、
kawada, tagawa では、Member2::print()、
が実行されることになります。
以下が今回のプログラムです。
// ------------------------------------
#include <string>
#include <iostream>
using namespace std;
class Member {
public:
int number; // 番号
double best_time; // 自己ベスト
Member(int n, double t)
: number(n), best_time(t) { }
// 個人データの出力
virtual void print() const { // ◆
// void print() const {
cout << "【" << number << "】"
"自己ベスト : "
<< best_time << '\n';
}
};
class Member2 : public Member {
public:
char mf; // 性別
Member2(int n, double t, char c)
: Member(n, t), mf(c) { }
// 個人データの出力
void print() const {
cout << "【" << number << "】"
"性別 (" << mf << ") "
"自己ベスト : "
<< best_time << '\n';
}
};
int main() {
// Member型オブジェクトの生成
Member harada(1001, 13.2);
Member tahara(2001, 12.2);
// Member2型オブジェクトの生成
Member2 kawada(3002, 11.8, 'm');
Member2 tagawa(3006, 12.2, 'f');
Member* ptr[] = { &harada, &tahara, &kawada, &tagawa };
for (int i = 0; i < sizeof(ptr) / sizeof(ptr[0]); i++)
(*ptr[i]).print();
}
// ------------------------------------
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