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日本産婦人科医会は、２０２２年の１年間に梅毒の感染が分かった妊婦の割合が、前回調査（１６年）の約３・３倍だったとする調査結果を公表しました。梅毒が流行している影響とみられます。感染した妊婦から胎児にうつると、難聴や知的障害などを持つ赤ちゃんが生まれる恐れがあります。医会はこうした「先天梅毒」を防ぐためにも、妊娠初期の検査を呼びかけています。

■梅毒とは何ですか？

梅毒は、Treponema pallidum（トレポネーマ・パラディウム）という細菌によって引き起こされる性感染症です。この細菌は、性交を通じて感染が広がり、皮膚や粘膜に潜伏することができます。感染初期には、潜伏期間があり、症状が現れないことがありますが、その後、さまざまな症状が現れる可能性があります。

■梅毒の症状は何ですか？

梅毒の症状は、感染の段階によって異なります。初期の症状には、潰瘍（かいよう）や発疹などの皮膚症状があります。これらの症状はしばしば見逃されることがあり、感染が進行すると、全身に症状が広がります。例えば、発熱、リンパ節の腫れ、関節痛、頭痛などが現れることがあります。さらに、慢性化すると、内臓や神経系への影響も生じる可能性があります。

■梅毒の診断方法は何ですか？

梅毒の診断は、患者の症状や疑わしい感染経路を基に行われます。初期の段階では、潰瘍や発疹を確認することが重要ですが、場合によっては検査が必要となります。血液検査や潰瘍の検査、脳脊髄液の検査などが行われ、細菌の存在や抗体の有無を確認します。

■梅毒の治療方法は何ですか？

梅毒の治療には、抗生物質が使用されます。ペニシリンが一般的な治療薬として使われますが、アレルギーがある場合には、代替薬としてドキシサイクリンやセフトリアキソンが使用されることもあります。治療の長さや方法は感染の段階や症状の重さによって異なりますが、早期に治療を開始することが重要です。

■梅毒の予防方法は何ですか？

梅毒の予防には、安全な性行為が重要です。安全な性行為を行うことで、梅毒や他の性感染症のリスクを減らすことができます。また、感染が疑われる場合には早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることも重要です。定期的な検査やパートナーとのオープンなコミュニケーションも、梅毒の予防に役立ちます。

■梅毒の妊婦が増加している原因は？

国立感染症研究所によると２３年に梅毒と診断された患者は１万４９０６人（速報値）にのぼり、３年連続で過去最多を更新しておりこれが大きな原因とみられています。

出産間際に初めて医療機関を受診する「飛び込み出産」などで感染が判明した妊婦が１５％で、前回（１％）より増加した。こうした妊婦は健診を受けていないため、治療につながらず、胎児に感染するリスクが高まります。

調査を行った東邦大の早田英二郎准教授は、「妊婦の梅毒は早期の診断と治療で、胎児への感染を防ぐことが重要です。心配がある人は、速やかに医師に相談してほしい」と話しています。

■まとめ

梅毒は、性感染症のひとつであり、感染が進行するとさまざまな症状が現れる可能性があります。しかし、早期の診断と適切な治療を受ければ、多くの場合、梅毒は効果的に治療することができます。安全な性行為の実践や定期的な検査、パートナーとのオープンなコミュニケーションなど、予防策も重要です。これらの対策を講じることで、梅毒の感染リスクを軽減し、健康な生活を送ることができます。