はなしあいて

お茶でいいですの話

ドラマを観ていた
「お茶よりもコーヒーがいい？」
「あ、お茶でいいです」

その会話シーンで
忘れ去っていた記憶がよみがえる

転職先は女性２人に男性５人の
営業所だった
面接のときの女性の対応が
すごく感じよかったのだが

お昼ご飯をふたりで食べることが多く
ある日先輩女性が
「お茶にする？コーヒーにする？」
と聞くので
「お茶でいいです」と答えたのだが

お茶を持ってきた女性が
「お茶でいいですじゃなくてお茶お願いします。でしょ！！」
といきなりキレられた

２０歳くらいの私は常識がなかったので
「お茶でいいです」がなんでいけないか
わからなかった

その時の女性の顔が般若に見えた

その頃の記憶がよみがえる

第一印象とはまったく違って
私はその女性になめられていたようだ
いやみとか馬鹿にした言動とか
おとなしくしているから調子に乗っていたらしい

いやみとか意地悪とかを憎む私は
しばらく黙って出社していたが

ある時
布巾の洗い方に文句をつけてきて
「ちゃんと洗ってね、気持ち悪いから！」と
言われた
その時に
すっくと立ち上がってすぐそばの
流しまで行き布巾を手に取り

「あらやいんだろ、あらやあ！！！」と
大声を発し
水で濡らして布巾を干して
席に戻ると
じっと人の顔をはんにゃ顔が見ている
それを無視して
終業まで仕事をしていたのかは思い出せないが

翌日には
健康保険証と退職願いを持って
営業所のポストに入れてそのまま帰った

上司の男性は出張でずっといなかったし
話をする相手もいなかった
それでも半年間は頑張って通った自分
偉かったな
ひとりぼっちでよく頑張った

大人しいと決めつけて
あまりにも人を馬鹿にしたはんにゃが
我慢できないので辞めます
と後々上司には話した

その人以外はみんな良い人だった

勝手に自分が上とか思い込んで
偉そうにするって
ほんとつまらない人間

我慢なんかしないでもっと
早くキレてやればよかったかな

ま、いいか

もう過去だ、３４年も。。

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