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日曜阪神〜第62回大阪杯(GT)

土曜日のダービー卿CTも非常に楽しみなレースだが、ここはやっぱり日曜のGTにスポットを当てるべきかと思う。GTに昇格されて2年目となる大阪杯、阪神内回りの芝2000mはおなじみ。今年の阪神コースの傾向は、非常に馬場が速いこと。逃げれば相当有利になると思われるものの、どれが行くかは流動的。

というのも、明確な逃げ馬と呼べるヤマカツライデン(父シンボリクリスエス)は決してテンに速いタイプではなく、こういう距離ではズブさを見せることもしばしば。ヤマカツライデンが行って平均ペースで・・・などと悠長なことを考えていると、行けずにとんでもないスローペースに陥る可能性も考えられる。

注目されるのは、前走の金鯱賞を引っかかりながらも押し切ったスワーヴリチャード(父ハーツクライ)と、同3着のサトノダイヤモンド(父ディープインパクト)、おそらくこれらが人気になる。スワーヴリチャードのほうは、右回りがニガテと見られる上に、先週ミルコデムーロが、懸念した枠に泣かされる結果に終わっただけに、ここは人気でも買い。

サトノダイヤモンドは、凱旋門賞で喉の不安があったらしく、前走は注目だった。喉の不安の場合、人間でいえば(まあ馬でもそうだが)呼吸器疾患の部類に入る。いわゆる「喉鳴り」の馬は、ペースが速いと息が持たなくなってしまうことが多い。凱旋門賞のサトノダイヤモンドの不可解な凡走はまさにそんな感じだった。というか、その前走のフォワ賞からして早くも怪しかった。

当然当時よりも回復傾向にあるように見えるが、GTの厳しい流れで持病が再発しない保証はない。ヤマカツライデンのペース次第では、目を覆うような惨敗もありうるのかもしれないが、おそらく2000mではヤマカツライデンにしては珍しくハナには立たないのではないか。とするとかなり緩い流れが想定され、サトノダイヤモンドにも復活の可能性が見込まれる。

昨年のキタサンブラックが勝った大阪杯はまさにそんな感じのレースだった。ブンブン行くとみられたマルターズアポジーはひきつけるような逃げに終始し、キタサンブラックのアシストのような形になった。今年はそのマルターズアポジーは裏開催のダービー卿に出走する。今年もスローになる気がしてならない。とすると、馬券はかなり難しくなってしまうが・・・

前走金鯱賞で変則3連覇を逃したヤマカツエース(父キングカメハメハ)の復調に期待する。前回は有馬記念以来とはいえ、さすがに身体が増えすぎ。少し重苦しいところがある(グラスワンダーの系統の特徴)から、絞れないと厳しい。おそらく泥んこ馬場の天皇賞の影響で調子を落としていたのではないか。人気どころがアテにしづらいだけにそろそろ・・・の期待がある。

相手は3連勝で小倉大賞典を制したタートルボウル産駒トリオンフにした。初の57kgでいきなり相手が強くなったが、速い馬場に適性高い皐月賞馬アルアイン(父ディープインパクト)は復活の大チャンスだろう。

最内枠を引いたが競馬は難しくなりそうなミッキースワロー(父トーセンホマレボシ)は押さえにとどめ、有馬記念コースであれだけやれたなら充実は本物のシュヴァルグラン(父ハーツクライ)、マイラーの出番は十分ありそうなペルシアンナイト(父ハービンジャー)、確かにもう厳しいか・・・に見えた前走の内容も、グラスワンダーの系統で大得意のコースだけにもう一度だけ買いたいゴールドアクターまで押さえる。

道悪になったらウインブライト(父ステイゴールド)、ダンビュライト(父ルーラーシップ)あたりは押さえたい。

◎ ヤマカツエース
〇 トリオンフ
▲ スワーヴリチャード
△ アルアイン、ミッキースワロー、ペルシアンナイト、シュヴァルグラン、ゴールドアクター
重注 ウインブライト

日曜中京〜第48回高松宮記念(GT)

中京の芝コースは年によって大きく馬場状態が異なる。今年は土曜(今日)が稍重の馬場で行われた関係で、カレンチャンが勝った年と同じような時計の芝コースだったが、日曜は快晴の予報、おそらく馬場はだいぶ回復する。

とはいえ、今開催6日目だけに高速馬場ということはない。コース替わり(今週からBコース使用)はあっても、水分を十分含んだ従来の中京コースらしいタフな馬場コンディションでレースが行われることになりそう。勝ち時計は1分8秒台前半か。

人気のレッドファルクスの芦毛は父スウェプトオーヴァーボード譲り。筋骨隆々のスプリンターという体型ではなく、なんなら1800mくらいならこなすんじゃないの?というくらいのスッキリと見せる中距離型のシルエット。とすると、この馬はおよそパワータイプには見えないかもしれないが、しかしレッドファルクスはダートでもトップランクに入るパワーも持ち合わせる。

レッドファルクスにとってタフな馬場はむしろプラスに働く。一度コンビを解消したミルコデムーロに再び手綱が戻るのも、レッドファルクスにとっては大きなプラスになる。どちらかといえば珍しいケースではあるが。

ただしレッドファルクスにとってやや心配なのは、強烈な末脚にかけるタイプの割に内目の枠(6番枠)を引いてしまったこと。どこで外に出すかが1つの大きなポイントになる。中途半端な競馬になると、そう簡単には出してもらえない。この距離だけに、ほんの一瞬のロスが即大敗につながる危険もある。

向こう正面からスタートして1つ目のカーブよりも2つ目(4角)のカーブのほうがややタイトなのが中京1200mコースの特徴。ミルコは外に出すタイミングをどこに定めるだろうか?まあ内も外もチャンスがあるコースだけにあまり枠にこだわって予想しないほうがいいのかもしれないが、時計がかかる年はどちらかというと外枠のほうがいい印象がある。

馬場が向くとは思えないし、この馬に関しては正直外枠で折り合いも心配になるものの、すべてがかみ合ったときレッドファルクスを負かすだけの力(というかスピード)がありそうなシャイニングレイ(父ディープインパクト)にした。

昨年夏のCBC賞は最後方付近から直線一気の爆発力を見せつけ、ディープインパクト産駒にしては珍しいスプリンターの高い資質を証明してみせた。走りがキレイすぎるだけに重い馬場はニガテだが、1分8秒前後で決着する良馬場ならこの馬にも十分チャンスがあるはず。

6枠に速いネロ(父ヨハネスブルグ)がいて、内外からこれをめがけて殺到しそうだから、バラけやすい外枠からロスなく追走できそうなのは好都合。折り合えば・・・の心もとない可能性にかける。

相手は短距離の安田隆行厩舎ということで、ジューヌエコール(父クロフネ)を狙ってみたい。まったくの人気薄だが、50kgとはいえ昨夏の函館SSは小回りのスプリント戦では明らかに力が違うと思われる着差で完勝だった。洋芝コースの1分6秒台は出色、もちろんとてつもないレコードだった。

斤量が増えたこともあるが、その後どうも体重が絞り切れておらず、スプリンターズSをつかえなかったあたりも近走の不調に影響している気がする。しかし安田厩舎ならここ一番にきっちり仕上げてくるはず。人気薄の福永騎手でこちらも一発に期待する。

押さえは、さらに外枠にこだわってキングハート(父オレハマッテルゼ)、武騎手とはコンビ4戦目となるダンスディレクター(父アルデバランU)は外目の枠のほうが好成績。当然昨年の覇者で復調気配が濃いセイウンコウセイ(父アドマイヤムーン)、香港馬ブリザード(父スタークラフト)、そして桜花賞馬レッツゴードンキ(父キングカメハメハ)までは押さえたい。

人気が予想されるファインニードル(父アドマイヤムーン)は、中京コース(過去1戦10着)、というか左回りに経験・実績がないのが少し引っ掛かる。押さえたいのはヤマヤマだが・・・

◎ シャイニングレイ
〇 ジューヌエコール
▲ レッドファルクス
△ キングハート、セイウンコウセイ、ダンスディレクター、ブリザード、レッツゴードンキ
重注 スノードラゴン

土曜中山〜第32回フラワーC(GV)

実質桜花賞への最終便となるフラワーカップが中山内回りの芝1800m戦で今年も行われる。そうはいっても、キャリアの浅い牝馬を無理に桜花賞へ向かわせる必要はなく、オークスへ向けて・・・のステップを意図したレースチョイスともなりうるのがこのレースの特徴。そういう意味で、よく言えば馬券的妙味が高く先の可能性を広げる意味あるレースであり、悪く言えば中途半端な時期と距離・コースで行われるともいえる。

今年その中途半端なフラワーCで断然人気に支持されることになるのが、オルフェーヴル産駒のロックディスタウンである。先日二ノ宮(元)調教師が勇退され厩舎が解散した関係で、今後は二ノ宮厩舎に並ぶ名門の藤沢厩舎を引っ張る存在へと成長を期待されるロックディスタウン。

前走は同父ラッキーライラックが勝った阪神JF、人気ではそのラッキーライラックをやや大きく上回っていたからここでは当然ファンからの期待も大きい。何しろラッキーライラックのほうは桜花賞の揺るがぬ大本命の立場まで躍進を遂げている。体型こそ異なるが、父も美しい栗毛の馬体もラッキーライラックとそっくりなロックディスタウンへの期待が大きくなるのはよくわかる。

今回は相手が弱い(と思われる)ことに加え、オルフェーヴルとともに一時代を築いた池添騎手がルメールに替わって手綱を執ることも、オルフェーヴルのファンとしてはどうしても肩入れしたくなる要素。

ただし、である。もちろんオルフェーヴル産駒自体勝ち鞍が少ないこともあるが、池添騎手はまだオルフェーヴル産駒で勝ち鞍を挙げていないというのがおもしろい。何しろオルフェーヴルと池添である。あのオルフェーヴルの血が、そんなに簡単に勝たせるはずがない。あとわずかに足りない2着はこれでもかというくらいマークしているのに、勝ち鞍がないのはいかにも不思議。

藤沢厩舎の休み明けもそうだし、昨年の桜花賞は見事だったが、池添騎手はそもそもテン乗りでポンと結果を出すタイプのジョッキーではない印象がある。上で触れたローテーションも気になる。藤沢厩舎だけに、桜花賞はスキップしてオークス1本に絞っている可能性もある。正直、そんなに信頼できる1番人気ではないのでは・・・そんなスケベ心がどうしても芽生えてしまう。

それならば、同じオルフェーヴル産駒のモルフェオルフェにここは期待したい。フラワーCというと、昨年のファンディーナの印象もあるが、どちらかといえばキャリア豊富な馬のほうが好成績を残している印象がある。やはりトリッキーなコースだけに、ある程度キャリアを積んでいるほうが競馬はしやすい側面が確かにある。

前走は府中1400mの春菜賞を例によってかなりのペースで逃げて見せ場なく敗れた。しかし稍重の馬場をテンの2Fから11.3−11.4−11.1の流れはさすがに暴走だった。マイル戦にくらべてペースが速かった分少しかかり気味の逃げになってしまった。今回は2F延びるだけに、テンから飛ばす必要はない。マイペースの公算大。

負けはしたが、数字以上に大きく見せ、走りも最後まで力強かった。ロックディスタウンに注目が集まる中、同じ父を持つモルフェオルフェの大逆転に期待する。

相手はロックディスタウンと同じく阪神JF以来となるトーセンブレス(父ディープインパクト)にした。こちらも2戦目アルテミスSでは勝ったラッキーライラックを上回る1番人気だった。ただし前走は身体を大きく減らしてしまったのが大誤算。間をあけて立て直し成った今回は、ロックディスタウンと同等以上にやれる素質を秘めるとみる。

モルフェオルフェはスローで逃げるタイプではなく、これを追う組も比較的多い組み合わせ。差してくるタイプにも注目して、スーパーホーネット産駒ファストライフにも注目。坂は課題だが、血統的にこなして不思議ないし、そもそも差しに徹するクチだけに坂はむしろ歓迎の可能性が高い。

当然人気のカンタービレ(父ディープインパクト)とロックディスタウンは押さえが必要だが、渋りがちの中山では配合の妙がありそうなノームコア(父ハービンジャー)は警戒が必要か。絶好枠を引いたバケットリスト(父シンボリクリスエス)、中山実績あるメサルティム(父ディープブリランテ)あたりまで押さえる。

◎ モルフェオルフェ
〇 トーセンブレス
▲ ファストライフ
△ ノームコア、カンタービレ、ロックディスタウン、バケットリスト、メサルティム

日曜阪神〜第52回報知杯FR(GU・桜花賞トライアル)

昨年までと日程が入れ替わり、この週の一番おもしろい中山牝馬Sが、なんと、今日行われてしまった・・・非常にガッカリである。まあ結果を見て、むしろ買わなくてよかった可能性も小さくはないが、気を取り直して今年から日曜に開催される金鯱賞でも検討しようかなー・・・と思っていたら、今年のメンバーは正直、馬券の妙味に薄すぎる。

メンバーのレベルが低いわけではない。なんといっても凱旋門賞惨敗以来のサトノダイヤモンドが復帰し、昨年ダービー2着のスワーヴリチャードといきなり激突するからレベルは決して低くない。しかしどうにも馬券を検討する気持ちにはなれない。なぜなら、このメンバーではサトノダイヤモンドを買わないわけにはいかず、そのサトノダイヤモンドの状態が(陣営のコメントはどうあれ)不安で仕方がないからである。

それならばということで、例年買わないことが多い桜花賞トライアルのフィリーズレビューのほうに今年は注目したい。今年も阪神内回りの芝1400m戦で行われる。

先週は桜花賞コースでチューリップ賞が行われ、2歳女王ラッキーライラックの勝ち時計が1分33秒4、時計はそこまで速くないが、2Fで10秒7を計測したように、馬場はかなり速かった。しかし今週は、良馬場は良馬場でも多少なりとも雨の影響が残る。

注目馬がいないわけではないが、ラッキーライラックとアーモンドアイがあまりにも強すぎる今世代で、ここを叩いて本気で桜花賞を狙えるほどのメンバーかときかれると、正直少々答えに窮するところもある。

それならば、考え方は2とおり。桜花賞ははじめから頭になく、内回り阪神1400の適性だけに期待している組を狙うか、あるいはまったくの新星を狙うかのどちからだろう。例年コース適性・距離適性を重んじるレースだが、今年はあえて新星を探したい。

距離適性なら人気のモルトアレグロ(父スペイツタウン)、内容と勢いならデビュー2連勝のアンコールブリュ(父ディープインパクト)、ここを勝てば4勝目となり形の上ではラッキーライラックに並ぶアンヴァル(父ロードカナロア)、そして話題性ではオルフェ―ヴル全妹デルニエオール(父ステイゴールド)あたりだろう。

ただ、正直どれが勝っても不思議なく、どれも勝つまではどうかなぁ・・・などと思えてしまう面々だけに、ここは狙ってレッドシャーロット(父ロードカナロア)と混戦に強い横山典弘のコンビに期待したい。

ロードカナロア産駒にしてはそこまでテンに速いタイプではなく、前走はやや置かれてしまった。スプリントでもどちらかといえば1400mのタイプ。内回りに替わるのもこの馬にとってはプラスがありそう。中京の坂はこなしているから、阪神もなんとか我慢するのではないか。

庄野厩舎で横山典弘というと、目黒記念を勝ったホクトスルタンを思い出す。その目黒記念で2着か3着だったロックドゥカンブの子がNZダービーを制したといううれしいニュースがあった。あまりにもこじつけがましいが、このコンビにも期待したい。

相手はここまでの内容が素晴らしいアンコールブリュ。ディープインパクト産駒はおなじみだが、母の父はなんとダービー馬のウイニングチケットというのが泣かせる。当然成長力が見込める血統背景にある。

単穴は、時計的裏付けがあり、多少でも雨の影響が残ればなお良さそうなアルモニカ(父ロードカナロア)にも注目。そして押さえは好馬体のアマルフィコースト(父キングカメハメハ)、穴っぽいところでイサチルルンルン(父パイロ)、人気でもアンヴァル、もう1回だけ買いたいナディア(父ノヴェリスト)、大穴ビリーバー(父モンテロッソ)まで押さえたい。

人気のモルトアレグロとデルニエオールは時計的に不安が大きく、今回は見送る。悪いことは言わないので買っておいてください。

◎ レッドシャーロット
○ アンコールブリュ
▲ アルモニカ
△ アマルフィコースト、イサチルルンルン、アンヴァル、ナディア、ビリーバー

重賞回顧

今週の東西メインは、正直そこまで目くじらたてて馬券検討するようなレースではないという思いから、予想のブログはスキップした。その割にどちらのレースも楽しみで仕方ないくら胸躍る1週間だった――いよいよクラシックはもう目の前なのだと感じる。

土曜日の午後になって古馬のオーシャンSが行われることにようやく気づき、著しく時計を要する中山の馬場を考慮して10歳馬のスノードラゴンから少しだけ馬券を買い、はずれた。真っ白な美しい芦毛の馬体は後方で無事ゴール。今週はこのレースだけ。馬券という意味ではとても静かな1週間だった。

時間がないわけではないのでブログはさぼらない。桜花賞と皐月賞それぞれに直結する土曜日のチューリップ賞と日曜日の弥生賞、おなじみの東西トライアルを回顧する。

正直どちらも「まあ勝つだろうな・・・」と(私を含む)大半の競馬ファンが考える馬が勝った。そういう意味でも非常に静かで、しかし今後のトライアル、そして本番が本当に楽しみになる結果・内容だったと思う。


チューリップ賞はオルフェーヴル産駒の2歳女王ラッキーライラックが満を持して登場。まだまだ成長する余地があるな、と感じた馬体はだいぶ大きくなっていた。休み明け、そして多くが成長するこの時期ということもあって、非常にボリュームのある馬体だったのが印象的。

例によってサヤカチャンが引っ張る流れは前半47.5秒のゆったりした流れ、ラッキーライラックは絶好位の3番手をキープ。スタート後少し力んだがすぐに折り合った。相変わらずセンスは抜群。

早めに前を射程に入れ、直線に入ると満を持して追い出され、楽々の先頭ゴール・・・おそらくこんなにイメージしたとおりの結果におさまることも珍しいというくらい、石橋騎手もファンも陣営も、誰もが描く内容で重要なレースを無難に勝利したラッキーライラック。これで無傷の4連勝、堂々と桜花賞に駒を進めることになる。

ラッキーライラックにとってなぜチューリップ賞が重要なレースだったのか。正直結果はどうでもよかった。先のことを考えたらどこかで1回くらい負けてくれたほうが競馬はしやすくなるくらいに思っていて、負けるならここかな・・・と感じてもいたのだが、あれでは負けようなどありえなかった。

抜け出すところ(2F)で10.7をマーク。2着マウレアと3着リリーノーブルは併せ馬の形になったがラッキーライラックの走りは坂があることに気づいていないかのようにド迫力だった。陣営のトーンほど仕上げられていない印象だったがやはり能力がまったく違った。

で、このレースの重要性。ラッキーライラックは阪神JFにくらべてどう進化していたのか・・・これが最大のポイント。当時よりも1秒ほど時計を詰めたがこれは時期的なもの。感じ方は人それぞれだが、ラッキーライラックの休み明けの走り自体は、決して好ましいものではなかったように思う。

それでもJFとまったく同じ相手に着差を広げた完勝だった。これは「気性面の成長」が最大の要因。ラッキーライラックは父があのオルフェーヴルということもあって、父にくらべれば「優等生」の評価をここまでは得ている。しかしラッキーライラック自身、オルフェーヴルの最も伝わってはいけない「ある部分」がわずかに垣間見えていたのが心配だった。

オルフェーヴルは新馬や菊花賞、阪神大賞典、そしてあろうことかあの凱旋門賞でとんでもない悪癖をさらけ出した。理由はただ1つ。オルフェーヴルは1頭になったときにコントロールが利かなくなってしまうから。

ラッキーライラックはこれまでいずれも小差勝ちの3連勝だったが今回は2馬身離した。これまでも抜け出して1頭になると後ろを待つところがあったが、これが解消された結果の「2馬身」と私は解釈する。正直、ひと安心である。

父のように暴走することはなくても、抜け出してソラをつかうのはステイゴールド系の悪いところ。これが解消されたかに思われるのは、オルフェーヴルには悪いが非常に大きな前進だと思う。

走り自体は2戦目アルテミスS、阪神JFにくらべると物足りない。迫力は大幅に増したが、本来ならもっと身のこなしにキレがある馬。大幅なパワーアップを果たした今、走りに本来のキレが戻ったら・・・ラッキーライラックの先はとても明るい。


弥生賞はほんとうに楽しみなレースだった。ディープインパクト産駒の2歳王者ダノンプレミアムが今世代ナンバー1の呼び声高かった同父ワグネリアンをまったく寄せ付けずの快勝。8kg増えてはいたが休み明けを感じさせない走りでこちらもデビューから4連勝を飾った。

今季の中山はそこまで時計に意味を持たない。勝ち時計2分1秒ちょうどは、ああそうですかという程度でいいだろう。中山は内がかなり悪く、2番手を進みながら直線で抜け出すと馬場の三分どころに持ち出す余裕の勝利を飾ったダノンプレミアム。懸命に追いすがるワグネリアンを1馬身半退ける、着差以上の内容だった。これで本番の1番人気は決定的。

ワグネリアンは勝ち馬を終始マークしても最後に突き放された。休み明けで−4kgの馬体自体、多少緩さはあったと思うが仕上がっていないこともなかった。ワグネリアンにしろもう1頭の同父の注目馬オブセッションにしろ、府中向きであることは事実。ワグネリアンに関してはおそらくコース適性で勝ち馬に見劣っていたのではないか。

注目の大器オブセッションは、小回り適性自体もそうだが、この馬これまでも本気で走っておらず、しかも今回はいきなりの相手強化があり、正直この結果は仕方がないところだろう。

クラブの馬だけに表向きは皐月賞を目指したが、藤沢調教師の本音はやっぱりダービーだと思う。「藤沢さん、ダービーしか見てないでしょ?」と訊いたら「そだねー」と答えるかどうかは知らないが、この馬はここで大敗したことが逆にプラスを生む気がしてならない。

だいたい今の中山は時計が速すぎる。皐月賞は仕上がりの早いダノンプレミアムやワグネリアンに任せておけばよい。個人的には、オブセッションがダービーで逆転するシーンがあったとしてもまったく驚かない。そのくらいの器だと思う。

ということで、桜花賞と皐月賞、そして目を凝らせばわずかに見えたダービーの舞台もイメージできるくらい、今週は素晴らしいトライアルだったと思う。
   
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