2017年01月21日
日曜中山〜第58回AJCC(GU)
中山外回りの芝2200m戦は昨年のセントライト記念(菊花賞トライアル)で皐月賞馬ディーマジェスティとタイム差なしのいちおう接戦に持ち込んだゼーヴィント(父ディープインパクト)と戸崎騎手のコンビが人気になる組み合わせ。
ゼーヴィントが人気になるくらいだからあまりレベルが高いメンバーとは言えないが、しかし少なくともゼーヴィントにとっては差す形が採りやすい組み合わせにはなっている。今回は内にも外にも先に行く組がおり、しかも徹底先行のタイプがいるわけではないから、想定よりも速い流れになることも十分ある。そういう意味でゼーヴィント戸崎は競馬しやすいだろう。
重傷を負いちょうど1年休養していたリアファル(父ゼンノロブロイ)は昨年末の金鯱賞で待望の復帰戦(5着)をつかわれたが、大幅馬体増でも成長分が大きく、割と仕上がっていた印象。しかし続く有馬記念4着のヤマカツエースとコンマ2秒差だったから、ここは大きな上積みが期待できる。コンビ2走目となるシュミノー騎手が引き続き手綱というのは心強い。
人気勢ではこのリアファルが前で運び、おそらくゼーヴィントはこれをマークする形だろう。土曜午前の前売りでは、確かに前走は凄みを感じさせる内容ではあったものの、まさかの3番人気の支持を得ているのが最内枠に入ったドリームジャーニー産駒ミライヘノツバサ。おそらくこれが先手を奪うことになるか。
エリザベス女王杯で穴をあけたルメールの5歳牝馬シングウィズジョイ(父マンハッタンカフェ)もこの枠なら早目の競馬になる。あとは大外枠のクリールカイザー(父キングヘイロー)がどのくらい絡んでくるのかによっても多少流れに影響を与えるか。
この時期の中山芝2200mを2分12秒6で乗り切った当時56kgのミライヘノツバサは、今回は55kgでの出走。相手は格段に強化されるが、しかし時期と菊花賞以来の久々、さらには早く抜けすぎてラストが少し鈍ったことを考慮すると、ミライヘノツバサは確かにこの中に入っても重要な「基準」となりそう。
まだオープン入りしたばかりなのにミライヘノツバサには少し荷が重いかもしれないが、いちおうここは「ミライヘノツバサを負かせる馬」にチャンスがあると考えられる組み合わせか。
ゴールドシップを破っている実績があるコース、今季絶好調の吉田豊騎手に乗り替わり、父キングヘイローの意外性を踏まえた魅力が感じられる8歳クリールカイザーに今年も期待したい。
クリールカイザーというと田辺騎手のイメージがあるが、しかしもともとは吉田豊騎手のお手馬だった。ここはコンビ復活で、実際吉田騎手が乗って中山2200mの湾岸Sの勝ち鞍がある。乗り替わりは心配ない。
昨年秋のオールカマーは今回と同じ56kgでゴールドアクターの前にコンマ3秒差4着だったが、2分12秒2で乗り切っていた。当時は今年の中山金杯勝ち馬ツクバアズマオーとクビ差、宝塚記念を勝ったマリアライトにはクビだけ先着していた。
この開催の「8歳」の表記は非常にトリッキーであり、ついこの間まで「7歳」だった馬も1歳カウントされただけで大ベテランになった印象を与える。当然人気はその分落ちる。買いの要素だろう。
相手は、さすがに人気しすぎだろう・・・の気持ちも正直あるが、皐月賞の前からずっと「秋になれば・・・」の思いで注目してきたミライヘノツバサに期待する。有馬記念ではサトノノブレスがサトノダイヤモンドをアシストしたのではないかなどと言われるが、事前の話し合いがあったかどうかはともかく、結果的にダイヤモンドへのより大きなアドバンテージを与えたのは、有馬記念のサトノノブレスよりも菊花賞のサトノエトワールのほうだろう。
その最大の被害馬(ルール上は問題ないが明らかな不利)となってしまったのが、このミライヘノツバサだった。芦毛は同じ芦毛のスキップアウェイが登場するまでおそらく最もレベルが高かったころのアメリカ競馬で一時代を築いたシルバーチャーム(マルゼンスキー母系の中核バックパサーの直系)譲り。
しかしあれだけサトノエトワールに終始突かれながらも直線に入って最後まで抵抗を見せていたあの走りは、お父さんのドリームジャーニー(天皇賞春僅差3着、オルフェーヴルが全弟)のスタミナが十分生きた内容だった。
残念ながら若くして亡くなってしまったホクトスルタン(メジロマックイーン産駒)がこの時期の中山で大勝して天皇賞春への夢を膨らませたあの頃と、ちょっと似た雰囲気がある。ここで好結果なら天皇賞春にぜひ出走してもらいたいという意味も込めて、人気でもミライヘノツバサに期待したい。
ミライヘノツバサは青森産だが、こちらはなんと栃木産のナスノセイカン(父ハーツクライ)は、決して活力ある牝系ではないものの、由緒ある、いちおう名牝系の出身(那須野牧場生産)といえるか。2年前の京成杯でも期待したが、いや、この血統から受ける印象は、やっぱり今こそ充実という気がする。
当然リアファル、シングウィズジョイの人気勢は押さえるが、クリールカイザーを評価するなら同じオールカマーで今回と同斤だったショウナンバッハ(父ステイゴールド)も押さえる必要があるし、だいぶ昔にダービー3着の星があるマイネルフロスト(父ブラックタイド)は意外と外回り巧者の可能性もありそう。タンタアレグリア(父ゼンノロブロイ)あたりまで手を広げたい。
今年のAJCCは、ベテランと新星2騎の快走に期待する。
◎ クリールカイザー
○ ミライヘノツバサ
▲ ナスノセイカン
△ リアファル、ショウナンバッハ、シングウィズジョイ、マイネルフロスト、ゼーヴィント
ゼーヴィントが人気になるくらいだからあまりレベルが高いメンバーとは言えないが、しかし少なくともゼーヴィントにとっては差す形が採りやすい組み合わせにはなっている。今回は内にも外にも先に行く組がおり、しかも徹底先行のタイプがいるわけではないから、想定よりも速い流れになることも十分ある。そういう意味でゼーヴィント戸崎は競馬しやすいだろう。
重傷を負いちょうど1年休養していたリアファル(父ゼンノロブロイ)は昨年末の金鯱賞で待望の復帰戦(5着)をつかわれたが、大幅馬体増でも成長分が大きく、割と仕上がっていた印象。しかし続く有馬記念4着のヤマカツエースとコンマ2秒差だったから、ここは大きな上積みが期待できる。コンビ2走目となるシュミノー騎手が引き続き手綱というのは心強い。
人気勢ではこのリアファルが前で運び、おそらくゼーヴィントはこれをマークする形だろう。土曜午前の前売りでは、確かに前走は凄みを感じさせる内容ではあったものの、まさかの3番人気の支持を得ているのが最内枠に入ったドリームジャーニー産駒ミライヘノツバサ。おそらくこれが先手を奪うことになるか。
エリザベス女王杯で穴をあけたルメールの5歳牝馬シングウィズジョイ(父マンハッタンカフェ)もこの枠なら早目の競馬になる。あとは大外枠のクリールカイザー(父キングヘイロー)がどのくらい絡んでくるのかによっても多少流れに影響を与えるか。
この時期の中山芝2200mを2分12秒6で乗り切った当時56kgのミライヘノツバサは、今回は55kgでの出走。相手は格段に強化されるが、しかし時期と菊花賞以来の久々、さらには早く抜けすぎてラストが少し鈍ったことを考慮すると、ミライヘノツバサは確かにこの中に入っても重要な「基準」となりそう。
まだオープン入りしたばかりなのにミライヘノツバサには少し荷が重いかもしれないが、いちおうここは「ミライヘノツバサを負かせる馬」にチャンスがあると考えられる組み合わせか。
ゴールドシップを破っている実績があるコース、今季絶好調の吉田豊騎手に乗り替わり、父キングヘイローの意外性を踏まえた魅力が感じられる8歳クリールカイザーに今年も期待したい。
クリールカイザーというと田辺騎手のイメージがあるが、しかしもともとは吉田豊騎手のお手馬だった。ここはコンビ復活で、実際吉田騎手が乗って中山2200mの湾岸Sの勝ち鞍がある。乗り替わりは心配ない。
昨年秋のオールカマーは今回と同じ56kgでゴールドアクターの前にコンマ3秒差4着だったが、2分12秒2で乗り切っていた。当時は今年の中山金杯勝ち馬ツクバアズマオーとクビ差、宝塚記念を勝ったマリアライトにはクビだけ先着していた。
この開催の「8歳」の表記は非常にトリッキーであり、ついこの間まで「7歳」だった馬も1歳カウントされただけで大ベテランになった印象を与える。当然人気はその分落ちる。買いの要素だろう。
相手は、さすがに人気しすぎだろう・・・の気持ちも正直あるが、皐月賞の前からずっと「秋になれば・・・」の思いで注目してきたミライヘノツバサに期待する。有馬記念ではサトノノブレスがサトノダイヤモンドをアシストしたのではないかなどと言われるが、事前の話し合いがあったかどうかはともかく、結果的にダイヤモンドへのより大きなアドバンテージを与えたのは、有馬記念のサトノノブレスよりも菊花賞のサトノエトワールのほうだろう。
その最大の被害馬(ルール上は問題ないが明らかな不利)となってしまったのが、このミライヘノツバサだった。芦毛は同じ芦毛のスキップアウェイが登場するまでおそらく最もレベルが高かったころのアメリカ競馬で一時代を築いたシルバーチャーム(マルゼンスキー母系の中核バックパサーの直系)譲り。
しかしあれだけサトノエトワールに終始突かれながらも直線に入って最後まで抵抗を見せていたあの走りは、お父さんのドリームジャーニー(天皇賞春僅差3着、オルフェーヴルが全弟)のスタミナが十分生きた内容だった。
残念ながら若くして亡くなってしまったホクトスルタン(メジロマックイーン産駒)がこの時期の中山で大勝して天皇賞春への夢を膨らませたあの頃と、ちょっと似た雰囲気がある。ここで好結果なら天皇賞春にぜひ出走してもらいたいという意味も込めて、人気でもミライヘノツバサに期待したい。
ミライヘノツバサは青森産だが、こちらはなんと栃木産のナスノセイカン(父ハーツクライ)は、決して活力ある牝系ではないものの、由緒ある、いちおう名牝系の出身(那須野牧場生産)といえるか。2年前の京成杯でも期待したが、いや、この血統から受ける印象は、やっぱり今こそ充実という気がする。
当然リアファル、シングウィズジョイの人気勢は押さえるが、クリールカイザーを評価するなら同じオールカマーで今回と同斤だったショウナンバッハ(父ステイゴールド)も押さえる必要があるし、だいぶ昔にダービー3着の星があるマイネルフロスト(父ブラックタイド)は意外と外回り巧者の可能性もありそう。タンタアレグリア(父ゼンノロブロイ)あたりまで手を広げたい。
今年のAJCCは、ベテランと新星2騎の快走に期待する。
◎ クリールカイザー
○ ミライヘノツバサ
▲ ナスノセイカン
△ リアファル、ショウナンバッハ、シングウィズジョイ、マイネルフロスト、ゼーヴィント
投稿者:ASHIGE2|13:14