2016年12月22日
日曜中山〜第61回有馬記念(GT)
注目のキタサンブラック(父ブラックタイド)が最内枠に入り、菊花賞馬サトノダイヤモンド(父ディープインパクト)は11番枠、昨年の覇者ゴールドアクター(父スクリーンヒーロー)はキタサンの隣の2番枠にそれぞれ入った。
私は過去有馬記念を的中したことが4回あって、確率的にはだいたい6年に1回のサイクルである。しかも、他のレースとちがって平穏もしくは微小波乱程度のレースしか的中できないでいる。有馬記念の的中率が他のレースよりもわずかに高いのは、おそらくこの有馬記念、「予想が困難ではあるけれど、偶然当たることはあるレース」なのだと思う。
もちろんこれはあくまでも私にとってという話。ただ、有馬記念は昔から「好きな馬を買うレース」などと呼ばれてきていることからも、予想困難なレースであることが推察されないでもない。6回もコーナーを曲がるレースというだけで、非常に紛れが生じやすいことは明らかだし、距離も2500mという非常に中途半端な距離(シンザンのころは確か2600mだった)で、余分な100mの分が予想の妨げになりやすい。
また、コーナーを6回もくるくると回るレースなのだから、ペースというよりはラップ次第でマイラーが台頭するレースにもなり、ゴールドシップや2回目のオルフェーヴルが勝った有馬記念のように、ラストはみなヘロヘロになってしまうくらいタフな競馬になることもある。
それとは別に、未だに理由がわからないダイユウサクの大駆け(負かしたのがあのメジロマックイーン)だったり、ダイワスカーレットが勝った有馬記念では、展開が向いたとはとても思えないアドマイヤモナークの2着があったりで、あれも正直未だに理由がわからないままでいる。
今年は果たしてそういう何年経っても理由がわからない馬の台頭があるのか、そしてどこでペースが上がってどんな傾向のレースになるのか、そのあたりは相変わらず不透明である。たとえば、今年で言えば、ヒットザターゲット(父キングカメハメハ)が勝ったとしてもそれなりの理由をつけられるが、マルターズアポジー(父ゴスホークケン)が勝つようなことがあると、おそらく分析に窮することになる。
ということで、ヒットザターゲットは買うけれど、マルターズアポジーは買わないということまでは、今のところ決まっている。キタサンはサイコロでも振って決めようかと思う。
そのマルターズアポジーが行く構えを見せそう。これはラクに行かせたとして、問題は2番手。内からキタサンが行くところをおそらくそうはさせたくない横山典弘サムソンズプライド(父メイショウサムソン)が外からかぶせていく可能性がある。サムソンズプライドは好位から粘り込みたいタイプのわりに、スローの競馬は好まない傾向がある。自在のキタサンが3番手で折り合う流れか。とすると、平均ペースで流れそう。
コース形態を考えれば、当然みな内枠を引きたがるのに、ルメールは真ん中より外をほしがっていたサトノダイヤモンドは望み通りの枠で、どういうプランなのかが難しい。とはいえ、キタサンを徹底的にマークすることは間違いない。そして連覇を目指す吉田隼人・ゴールドアクターも、JCではどうぞ逃げ切ってくださいという流れを作らせてしまっただけに、今回はキタサンを大名マークだろう。
これら有力勢を直後で見ているのが怖いマーク屋の池添ヤマカツエース(父キングカメハメハ)、少し離れた位置からマークするのがデムーロ・サウンズオブアース(父ネオユニヴァース)、福永シュヴァルグラン(父ハーツクライ)、そんな隊列になるか。ここからどう読もうか?
ポイントはデムーロの動きだと思う。デムーロは、「えへへ、うーん勝ちたいねー、うふふ」というようなタイプではあるが、勝負に徹する気持ちの強さは異常といえるレベル。器用な脚がないタイプだけに、サウンズオブアースは府中や京都、阪神のように広いコースのほうが合う。正直言って中山内回り向きではない。そして誰よりそのことをよくわかっているのがデムーロである。
かなり早いタイミングでデムーロが動いて競馬が一気に厳しい流れになると思う。「えへへ、うふふ」と言いながら、何度も何度も「まつりだよー」なんて聞きたくないと、誰よりも思っているはずである。そして、ルメールには尋常ならざる敵対心を抱いていることはよく知られる。今年はデムーロが競馬を大きく動かす。そうであってほしい。
これを踏まえて、今年は最後の脚にすべてを託すことがはじめから決まっているデニムアンドルビー(父ディープインパクト)とバルザローナにした。
バルザローナは、名前がメンディザバルとどこか似ているなぁというくらいしか印象がないジョッキーだが、そう考えると、バルザローナならメンディザバルに乗ってもらいたいというのが本心という程度の技量のジョッキーだろう。外人だからといってみんなが上手なわけではないという言い方をすると、真っ先に名前が思いだされる組のフランス人ジョッキーである。
先週の朝日杯ではちゃんと仕事をしてモンドキャンノを2着に持ってきていたが、阪神外回りのマイル戦なら割と誰でも乗れるコースである。中山内回りとは乗りやすさの面で雲泥の差がある。今年来日して以降[5.4.1.30]という、決して悪くない成績だが、人気馬に乗せてもらっても豪快に吹っ飛ばすわりに、人気薄に乗せると意外と大駆けするタイプの騎手。
実際5勝のうち人気の内訳は2、10、6、2、7人気で、2着4回も同様に3、5、2、7と、それなりに薄目を持ってくるタイプのジョッキーなのだ。しかもその中には途中から一気にまくっていってそのまま押し切るような競馬を見せることもある。人気薄ではなかなかできない芸当だったりする。もちろんその代わり3番人気以内の馬は何度も盛大に吹っ飛ばしている。マークされると全然ダメなのである。
ただ、バルザローナはそういう難しいことをまったく考える必要がない人気と脚質のデニムアンドルビーに乗れるのだから、逆に大きなチャンスになる。思い切った騎乗で結果が出なければ仕方がない。今回はじっと動かずガマンしてペースが上がったところで中なり外なりうまく対処してくれることを期待して、大けがから復帰を遂げたデニムアンドルビーを応援しようと思う。
相手はまるで野生のような勝負勘に長けたデムーロとサウンズオブアース、同じく勝負勘という意味では異常に鋭いものがある池添ヤマカツエース、あとは人気でもシュヴァルグランの上昇、ゴールドアクターの巻き返し、当然サトノダイヤモンドは押さえるとして、大穴では先に行く横山典弘の「マジック」にも期待してサムソンズプライドの大駆けと、田辺騎手に乗り替わるからおもしろそうなお約束のヒットザターゲットまで押さえたい。
もちろん年度代表馬をかけて武豊キタサンブラック、大外はむしろ好都合とも思われるマリアライトもそれぞれ少額押さえる。
今年は、もちろんモーリスというスーパースターが登場したが、特に若手〜中堅の日本人ジョッキーがもう少しがんばらないといけないという意味も込め、私の25年程度のごく浅い歴史の中ではじめて騎手を基準にして予想した有馬記念になりそうである。
◎ デニムアンドルビー
〇 サウンズオブアース
▲ ヤマカツエース
△ シュヴァルグラン、ゴールドアクター、サトノダイヤモンド、サムソンズプライド、ヒットザターゲット
私は過去有馬記念を的中したことが4回あって、確率的にはだいたい6年に1回のサイクルである。しかも、他のレースとちがって平穏もしくは微小波乱程度のレースしか的中できないでいる。有馬記念の的中率が他のレースよりもわずかに高いのは、おそらくこの有馬記念、「予想が困難ではあるけれど、偶然当たることはあるレース」なのだと思う。
もちろんこれはあくまでも私にとってという話。ただ、有馬記念は昔から「好きな馬を買うレース」などと呼ばれてきていることからも、予想困難なレースであることが推察されないでもない。6回もコーナーを曲がるレースというだけで、非常に紛れが生じやすいことは明らかだし、距離も2500mという非常に中途半端な距離(シンザンのころは確か2600mだった)で、余分な100mの分が予想の妨げになりやすい。
また、コーナーを6回もくるくると回るレースなのだから、ペースというよりはラップ次第でマイラーが台頭するレースにもなり、ゴールドシップや2回目のオルフェーヴルが勝った有馬記念のように、ラストはみなヘロヘロになってしまうくらいタフな競馬になることもある。
それとは別に、未だに理由がわからないダイユウサクの大駆け(負かしたのがあのメジロマックイーン)だったり、ダイワスカーレットが勝った有馬記念では、展開が向いたとはとても思えないアドマイヤモナークの2着があったりで、あれも正直未だに理由がわからないままでいる。
今年は果たしてそういう何年経っても理由がわからない馬の台頭があるのか、そしてどこでペースが上がってどんな傾向のレースになるのか、そのあたりは相変わらず不透明である。たとえば、今年で言えば、ヒットザターゲット(父キングカメハメハ)が勝ったとしてもそれなりの理由をつけられるが、マルターズアポジー(父ゴスホークケン)が勝つようなことがあると、おそらく分析に窮することになる。
ということで、ヒットザターゲットは買うけれど、マルターズアポジーは買わないということまでは、今のところ決まっている。キタサンはサイコロでも振って決めようかと思う。
そのマルターズアポジーが行く構えを見せそう。これはラクに行かせたとして、問題は2番手。内からキタサンが行くところをおそらくそうはさせたくない横山典弘サムソンズプライド(父メイショウサムソン)が外からかぶせていく可能性がある。サムソンズプライドは好位から粘り込みたいタイプのわりに、スローの競馬は好まない傾向がある。自在のキタサンが3番手で折り合う流れか。とすると、平均ペースで流れそう。
コース形態を考えれば、当然みな内枠を引きたがるのに、ルメールは真ん中より外をほしがっていたサトノダイヤモンドは望み通りの枠で、どういうプランなのかが難しい。とはいえ、キタサンを徹底的にマークすることは間違いない。そして連覇を目指す吉田隼人・ゴールドアクターも、JCではどうぞ逃げ切ってくださいという流れを作らせてしまっただけに、今回はキタサンを大名マークだろう。
これら有力勢を直後で見ているのが怖いマーク屋の池添ヤマカツエース(父キングカメハメハ)、少し離れた位置からマークするのがデムーロ・サウンズオブアース(父ネオユニヴァース)、福永シュヴァルグラン(父ハーツクライ)、そんな隊列になるか。ここからどう読もうか?
ポイントはデムーロの動きだと思う。デムーロは、「えへへ、うーん勝ちたいねー、うふふ」というようなタイプではあるが、勝負に徹する気持ちの強さは異常といえるレベル。器用な脚がないタイプだけに、サウンズオブアースは府中や京都、阪神のように広いコースのほうが合う。正直言って中山内回り向きではない。そして誰よりそのことをよくわかっているのがデムーロである。
かなり早いタイミングでデムーロが動いて競馬が一気に厳しい流れになると思う。「えへへ、うふふ」と言いながら、何度も何度も「まつりだよー」なんて聞きたくないと、誰よりも思っているはずである。そして、ルメールには尋常ならざる敵対心を抱いていることはよく知られる。今年はデムーロが競馬を大きく動かす。そうであってほしい。
これを踏まえて、今年は最後の脚にすべてを託すことがはじめから決まっているデニムアンドルビー(父ディープインパクト)とバルザローナにした。
バルザローナは、名前がメンディザバルとどこか似ているなぁというくらいしか印象がないジョッキーだが、そう考えると、バルザローナならメンディザバルに乗ってもらいたいというのが本心という程度の技量のジョッキーだろう。外人だからといってみんなが上手なわけではないという言い方をすると、真っ先に名前が思いだされる組のフランス人ジョッキーである。
先週の朝日杯ではちゃんと仕事をしてモンドキャンノを2着に持ってきていたが、阪神外回りのマイル戦なら割と誰でも乗れるコースである。中山内回りとは乗りやすさの面で雲泥の差がある。今年来日して以降[5.4.1.30]という、決して悪くない成績だが、人気馬に乗せてもらっても豪快に吹っ飛ばすわりに、人気薄に乗せると意外と大駆けするタイプの騎手。
実際5勝のうち人気の内訳は2、10、6、2、7人気で、2着4回も同様に3、5、2、7と、それなりに薄目を持ってくるタイプのジョッキーなのだ。しかもその中には途中から一気にまくっていってそのまま押し切るような競馬を見せることもある。人気薄ではなかなかできない芸当だったりする。もちろんその代わり3番人気以内の馬は何度も盛大に吹っ飛ばしている。マークされると全然ダメなのである。
ただ、バルザローナはそういう難しいことをまったく考える必要がない人気と脚質のデニムアンドルビーに乗れるのだから、逆に大きなチャンスになる。思い切った騎乗で結果が出なければ仕方がない。今回はじっと動かずガマンしてペースが上がったところで中なり外なりうまく対処してくれることを期待して、大けがから復帰を遂げたデニムアンドルビーを応援しようと思う。
相手はまるで野生のような勝負勘に長けたデムーロとサウンズオブアース、同じく勝負勘という意味では異常に鋭いものがある池添ヤマカツエース、あとは人気でもシュヴァルグランの上昇、ゴールドアクターの巻き返し、当然サトノダイヤモンドは押さえるとして、大穴では先に行く横山典弘の「マジック」にも期待してサムソンズプライドの大駆けと、田辺騎手に乗り替わるからおもしろそうなお約束のヒットザターゲットまで押さえたい。
もちろん年度代表馬をかけて武豊キタサンブラック、大外はむしろ好都合とも思われるマリアライトもそれぞれ少額押さえる。
今年は、もちろんモーリスというスーパースターが登場したが、特に若手〜中堅の日本人ジョッキーがもう少しがんばらないといけないという意味も込め、私の25年程度のごく浅い歴史の中ではじめて騎手を基準にして予想した有馬記念になりそうである。
◎ デニムアンドルビー
〇 サウンズオブアース
▲ ヤマカツエース
△ シュヴァルグラン、ゴールドアクター、サトノダイヤモンド、サムソンズプライド、ヒットザターゲット
投稿者:ASHIGE2|13:04