2016年07月19日
パンに合う羊羹やハーブのらくがんが人気。今話題の和菓子職人「wagashi asobi」にインタビューについて
パンに合う羊羹やハーブのらくがんが人気。今話題の和菓子職人「wagashi asobi」にインタビュー
大田区上池台の商店街の一角に、「ハーブのらくがん」と「ドライフルーツの羊羹」の2品のみを販売する小さな和菓子屋さんがあります。開店と同時に行列ができるそのお店の名前は「wagashi asobi」。後編となる今回は、和菓子職人の稲葉基大さんと浅野理生さんのお二人に、「ドライフルーツの羊羹」の誕生秘話や、有名ブランドとコラボしたらくがんについて伺いました。 羊羹の中にはドライフルーツのイチゴとイチジク、そしてクルミが入っています。切った時に、羊羹の黒にイチゴの赤が映えるんです。くるみが空にふわふわ浮かぶ雲の形に見えたり、つぶつぶのイチジクが小宇宙のように浮かび上がります。ドライフルーツはラム酒で柔らかく香り付けしていて、黒砂糖ベースの羊羹とよく調和します。 友人が開催したイベントで「パンに合う和菓子」を作って欲しいという依頼を受けたんです。あんこや木
の実など、パンに合う和の食材をひたすら書き出して、どんな和菓子にしようか考案しました。そして、ドライフルーツがぎっしり入ったテリーヌのような羊羹をパンに乗せて食べてみたいと思いついたんです。 イベントでも好評を得て、その後商品化することになりました。この羊羹はクリームチーズと一緒に食べてもおいしいし、ワインにもよく合います。外国のお客さんからもとても人気があるんですよ。 私達は自分の作っているものが和菓子のカテゴリーから外れてるとは全く思ってないんですよ。ただ純粋に「おいしい」を突き詰めた結果がこうなっただけなんです。料理をするときに、これを入れたらもっとおいしくなるかもな、なんて想像しながら作るのと全く同じことです。 企業のロゴマークなどを型どったらくがんを作ることもあります。先日は「ヴァンクリーフ&アーペル」さんから突然電話がかかってきて、時計の新作発表会で配るらくがんを作れないかとご相談を受けました。 ブランドに疎いもので、後からネットで調べたらなんだか高級そうなお店でびっくりしましたよ(笑)。 「旅する
ひよこ」は、パリで開催したイベントで生まれました。その日がたまたまイースターの翌週末だったので、「先週までみんなが飾っていたカラフルな卵がひよこにかえった」というコンセプトで作ったんです。 和菓子というのはただ見た目がきれいなだけなく、様々なメッセージが込められています。満開の桜は美しいし、散って道端に吹き溜まっていても美しい。葉桜になっても、そこから差し込む木漏れ日すら美しい。そういった情景をお菓子に表して、とことん四季を味わい尽くすのが日本人の美的感覚なんです。 「イースターという外国のお祭りさえも、ひよこの形に落とし込んで食べてしまう、世界で一番食いしん坊な文化が和菓子なんです」と紹介すると、みんなおもしろがってくれるんです。今も日本を含めた世界中に和菓子文化を伝えるべく、ひよこと一緒に旅しています。 和菓子の歴史はとても古くて、日本の文化の発展とともに進化を続けてきたんです。それが、明治維新以降、日本で作られる外国のお菓子を「洋菓子」と呼び、それ以前に日本で作られていたお菓子を「和菓子」と呼んで区別するようになりました。だから、「
和菓子」の概念自体が新しいものなんですよ。 結果、それまで変化を受け入れてきた和菓子に色々な制約が生まれ、今までになかったようなものを作ると「こんなのは和菓子じゃない」と言われるようになってしまった。カテゴリー分けされることによって、和菓子は進化を止めてしまったんです。僕らは和菓子で何ができるのか、常に考えていたいと思っています。 「ハーブのらくがん(1種類 4粒入 360円)」と「ドライフルーツの羊羹」はオープン直後に売り切れてしまうこともあるそうです。あえて大量生産せず、ゆっくり時間をかけて作り上げている2つの和菓子。二人の職人が心を込めて作った宝物のような逸品をぜひ一度食べてみてくださいね。
大田区上池台の商店街の一角に、「ハーブのらくがん」と「ドライフルーツの羊羹」の2品のみを販売する小さな和菓子屋さんがあります。開店と同時に行列ができるそのお店の名前は「wagashi asobi」。後編となる今回は、和菓子職人の稲葉基大さんと浅野理生さんのお二人に、「ドライフルーツの羊羹」の誕生秘話や、有名ブランドとコラボしたらくがんについて伺いました。 羊羹の中にはドライフルーツのイチゴとイチジク、そしてクルミが入っています。切った時に、羊羹の黒にイチゴの赤が映えるんです。くるみが空にふわふわ浮かぶ雲の形に見えたり、つぶつぶのイチジクが小宇宙のように浮かび上がります。ドライフルーツはラム酒で柔らかく香り付けしていて、黒砂糖ベースの羊羹とよく調和します。 友人が開催したイベントで「パンに合う和菓子」を作って欲しいという依頼を受けたんです。あんこや木
の実など、パンに合う和の食材をひたすら書き出して、どんな和菓子にしようか考案しました。そして、ドライフルーツがぎっしり入ったテリーヌのような羊羹をパンに乗せて食べてみたいと思いついたんです。 イベントでも好評を得て、その後商品化することになりました。この羊羹はクリームチーズと一緒に食べてもおいしいし、ワインにもよく合います。外国のお客さんからもとても人気があるんですよ。 私達は自分の作っているものが和菓子のカテゴリーから外れてるとは全く思ってないんですよ。ただ純粋に「おいしい」を突き詰めた結果がこうなっただけなんです。料理をするときに、これを入れたらもっとおいしくなるかもな、なんて想像しながら作るのと全く同じことです。 企業のロゴマークなどを型どったらくがんを作ることもあります。先日は「ヴァンクリーフ&アーペル」さんから突然電話がかかってきて、時計の新作発表会で配るらくがんを作れないかとご相談を受けました。 ブランドに疎いもので、後からネットで調べたらなんだか高級そうなお店でびっくりしましたよ(笑)。 「旅する
ひよこ」は、パリで開催したイベントで生まれました。その日がたまたまイースターの翌週末だったので、「先週までみんなが飾っていたカラフルな卵がひよこにかえった」というコンセプトで作ったんです。 和菓子というのはただ見た目がきれいなだけなく、様々なメッセージが込められています。満開の桜は美しいし、散って道端に吹き溜まっていても美しい。葉桜になっても、そこから差し込む木漏れ日すら美しい。そういった情景をお菓子に表して、とことん四季を味わい尽くすのが日本人の美的感覚なんです。 「イースターという外国のお祭りさえも、ひよこの形に落とし込んで食べてしまう、世界で一番食いしん坊な文化が和菓子なんです」と紹介すると、みんなおもしろがってくれるんです。今も日本を含めた世界中に和菓子文化を伝えるべく、ひよこと一緒に旅しています。 和菓子の歴史はとても古くて、日本の文化の発展とともに進化を続けてきたんです。それが、明治維新以降、日本で作られる外国のお菓子を「洋菓子」と呼び、それ以前に日本で作られていたお菓子を「和菓子」と呼んで区別するようになりました。だから、「
和菓子」の概念自体が新しいものなんですよ。 結果、それまで変化を受け入れてきた和菓子に色々な制約が生まれ、今までになかったようなものを作ると「こんなのは和菓子じゃない」と言われるようになってしまった。カテゴリー分けされることによって、和菓子は進化を止めてしまったんです。僕らは和菓子で何ができるのか、常に考えていたいと思っています。 「ハーブのらくがん(1種類 4粒入 360円)」と「ドライフルーツの羊羹」はオープン直後に売り切れてしまうこともあるそうです。あえて大量生産せず、ゆっくり時間をかけて作り上げている2つの和菓子。二人の職人が心を込めて作った宝物のような逸品をぜひ一度食べてみてくださいね。
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