2019年03月03日
前週備忘、及び、3月4日〜3月8日経済指標
【前週備忘】
前週は、USDが動かない展開で、JPYは弱くなり、EURやGBPが動かない、と前週末に予想していました。結果は、GBP>EUR>USD>AUD>JPY、の順に強く、JPY弱以外は外しました。
前週のGBPは、GBPUSDが前週終値から200pips弱の上昇、GBPJPYが300強の上昇、でした。GBPUSDが週足一目均衡表の雲下端、GBPJPYが雲上端、がレジスタンスでした。
GBP上昇は、先々週に英首相が離脱期限延期の採決を行う発表をしたことで、合意なき離脱の可能性が低下したことが主因と考えられます。28日に英閣僚の一人が辞任したものの、2日の前週市場クローズ間際の6時前に、EU主席交渉官は「EU側は追加的な保証を提供し、バックストップが一時的な措置であることを明確にする用意がある」と発表しました。
EU主席交渉官は「バックストップによって英国が永久にEUにつなぎ止められる可能性があるとの懸念が英国側にあることを認識」しており、「そんなことはない」と、英議会のEU強硬離脱派の主張を明確に否定したものです。EU主席交渉官の発言を「遅いよ!」と言った人は多かったはずです。
前週のEURは、EURGBPが40pipsぐらい下げています(GBP上昇)。
上記のEU主席交渉官の発言が行わた6時前はEURGBPが下げており、離脱合意はEURよりGBPがやや強かったようです。この間、EURUSDではEUR買でした。
JPYの弱さは、米中貿易協議や米朝非核化首脳会談への楽観と、それぞれの結果がリスクを増す内容でなかったこと(貿易協議は対中関税発動延期、非核化協議は核実験停止・ミサイル発射停止の継続)が主因と考えられます。
AUDの弱さは、中国経済への懸念と豪中関係悪化が理由と考えられます。
印パ問題は、主要国通貨に影響を与えなかったように見えました。
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前週の成績を纏めておきます。
・事前分析成績は4勝2敗(分析採用回数6回、的中率67%)
・事前分析の取引方針を採用できなかったことは、前提を満たさずに取引できなかったことが7回、判定不可及び取引不可だったことが3回で、計10回です(17回の取引を事前準備し、うち7回で取引可能=方針採用率41%)
・過去分析に基づく事前方針に沿った取引は3勝1敗でした(勝率75%、事前準備した取引方針17回に対する方針実施率24%)
・それとは別に、過去分析に基づかない、もしくはポジション保有時間延長による取引は1勝0敗でした(全取引に対する方針順守率86%)
・取引時間は16分51秒、損益は+7.22pips、1分足1本当たりの損益は+0.4pips
1年52週のうち、勝敗で負け越す週が数回、損益でマイナスになるのが数回あります。前週は、勝敗で負け越し、損益がプラスでした。
原因は、取引した5指標のうち2指標でほとんどチャートが動かなかったためです。チャートがほとんど動かないときは、利確のタイミングが難しくて負けても構わない、と考えています(もし負けても大したことないから)。一方、経済指標なんて関係なく、他の原因でチャートが動きそうなときは取引を避けています(大きく負ける可能性があるから)。
【今週指標】
GBPは、2日早朝(前週市場クローズ間際)のEU主席交渉官の発言を受けて、一気に離脱案が纏まる可能性が高まりました。あとは、離脱期限延期の要否(次週採決)です。
今週の主な経済指標はサービス業PMIぐらいです。かねてよりサービス業PMIは、集計月の2か月前EURGBPとの符号相関(方向の一致に関する相関)に注目しています。12月月足EURGBPは100pips弱のGBP売となっており、本指標は前月発表値より改善と予想されます(期待的中率70%付近)。現時点では、市場予想が前回結果を下回っているようです。
EURは、欧中銀(ECB)理事会で、新たな貸出条件付き長期資金供給オペが議論される、との解説が散見されます。これは金融緩和継続となるので、EUR安方向の材料です。
一方、USDは、前月の雇用統計で市場予想を大幅に上回る雇用者数増加(30.4万人)でした。発表結果が26万人以上だった翌月は市場予想を下回る反応が起きる可能性が高いので、問題は平均時給です。前回の平均時給前月比は+0.1%で、今回の市場予想は+0.3%との予想が多いようです。
つまり、EURはやや弱く(ブリグジット関連での良いニュースがない限り)、今回の雇用統計では、雇用者数増減と平均時給の改善/悪化が不一致となる可能性があるため、USDはそれほど強くなれない状況と思われます。
AUDは、今週からの中国全人代で成長率目標の下方修正が囁かれている以上、売り局面を探す週になると思います。前月のRBA金融政策発表時には、利下げもあり得ることに言及(これまでは、利上げの時期・条件に関心があった)し、AUDは大きく売られました。
前週、AUDUSDが週足一目均衡表の転換線(0.7068)付近まで下げたことで、そのサポート効果が週序盤に期待できます。が、前述の全人代の結論予想で悲観的な雰囲気が市場に強まると、サポートを下抜けかねません。また、米中貿易交渉の進展次第で、AUDは買いに転じることも想定されるため、難しい週になります。
経済指標でAUDJPYが下げたときも、AUDUSDの0.7068のサポートや、0.7付近の強いサポートとの距離が近いことに気を付けましょう。
3月4日(月)
注目指標なし
3月5日(火)
10:45 2月集計分中国Caixinサービス業PMI
12:30 RBA金融政策
18:30 2月集計分英国サービス業PMI
24:00 2月集計分米国ISM非製造業景況指数・12月集計分米国新築住宅販売件数
3月6日(水)
10:30 10-12月集計分豪州四半期GDP
22:15 2月集計分米国ADP雇用統計
22:30 12月集計分米国貿易収支
24:00 BOC(加中銀)金融政策
3月7日(木)
09:30 1月集計分豪州小売売上高・1月集計分豪州貿易収支
21:45 ECB金融政策
22:30 ECB総裁会見・1月集計分米国貿易収支
3月8日(金)
22:30 2月集計分米国雇用統計
以上
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