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2021年07月23日

tight

思わず両掌で胸を寄せ上げる。

お臍の辺りまで窓の外に出たところで、呼吸を整える。
窓を境に、上半身は壁の外、下半身は内側のロッカーの上。
小さな窓はタイトスカートの腰が塞いでいる。
壁の内側は視界に入らない。
なんだか、マジックショウのアシスタントにでもなったみたい。

僅かに空間がある腹直筋から鼠蹊部に沿って、両手を窓枠とタイトスカートの隙間に滑り込ませる。
腕まで入れた両手を、何かを抱くように窓の内側の壁に這わせる。
両手と腹筋で身体を支えながら、窓の外の上半身を起こす。
丁度、窓枠に座るような態勢になる。

スカートのお尻が小さな窓枠に挟まれている。
タイトなスカートが、ずり下がらないよう注意して、内側に残った下肢をゆっくりと引き出す。
ここでも小ぶりな?お尻が功を奏する。

引き出した左膝を折って、股関節を開き外壁に押しつける。
壁にキスしそうなほど貼りついて、窓の外枠に左のピンヒールの爪先をかける。
そうしておいて右脚を窓の下に垂らす。
股関節からストッキングの膝まで思いきり伸ばして足場を探る。
が、ピンヒールの爪先には何も触らない。

左手と左脚で支えたまま、内側の壁から右手を放す。
その手で外の窓枠を掴む。
左手が内側の窓枠の上部、右手が外側の窓枠の下部、左脚の爪先が外側の窓枠の下部、右脚は真っ直ぐ窓の下。

当然、タイトなスカートは大きく捲れあがる。
見なくても感じる、未明のひんやりした空気が臀筋を覆う。

紅いthongにパンティストッキングのお尻は剝き出しかしら。
幸い誰にも見られていない。
この状況で、そんなことを思う自分が可笑しくなる。
「ククッ」
それを合図にタイミングを合わせる。

心の中で呟く、「せーのっ」。
両手を放すと同時に、左脚で窓枠を蹴る。
瞬間、窓の位置より高く跳ぶ。

両膝を抱えるようにして、ピンヒールで着地する。
暗い路地、着地したまま蹲って気配を探る。

人気のないことを確認して立ち上がる。
通りを一瞥する。
徐に腰まで捲れあがったタイトスカートを直す。
スカートの裾が下りると漸く、お尻のひんやり感がおさまる。

踏み出そうとして、バランスを崩す、思わずビルの壁に両手をつく。
まずいっ、薬が効き始めている。
早くここから離れないと。
再び自分に言い聞かせて、両手で壁を押す。

弾き出された身体で踏み出すピンヒール。
posted by afakenation at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 1.escape
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