2014年06月22日
親になる前に
灰谷健次郎先生の有名な作品「兎の眼」を読みました。
実は今まで読んだことがありませんでした。
なぜ今まで読まなかったのかと後悔しています。
児童文学としても有名な作品ですが、これは絶対に大人が読むべき本だと思いました。
特にこれから親となる人が。(教師は絶対に読むべきだ!という意見も当然あります)
子どもと向き合う前に読むことができて本当に良かったです。
私は現在妊娠後期ですが、
どんな子供が産まれるかは親の自分でも絶対にわかりません。
最近は色々な妄想ばかりしています。
自分でも何を模索しているのかわからなくなることもありますが、
結局、私は「本物の子育てとは」という答えを探しているような気がするのです。
不思議な話ですが、
昨日本屋で引き寄せられるようにこの文庫本が目に入ったのです。
あらすじを読むと、どうやらとても「やっかい」な子供たちのお話で、
それに対する若い新任教師の奮闘を描いた作品との説明が書かれていました。
「やっかい」というのは、
いわゆる「普通の子供とは違った子供」のお話です。
(自分の心を正直にさらけ出しますが)
「なるべく普通の子に、賢い子に育ってほしい」という親の希望とは真逆の子供のお話で、
「おかしな子どもが生まれたらどうしよう」とか、「普通に生まれなかったらどうしよう」などと
独身時代に散々悩んだことの答えのようなものが描かれている小説でした。
結婚と妊娠を経験した今では、
「どんな子供が産まれても絶対に育てよう」という覚悟の上で産むつもりですが、
やはり現実はそう簡単に綺麗事だけではやっていけないというのもわかっているつもりです。
基本逃げ腰の自分ですので、いざとなったら全てを投げ出して育児放棄してしまうのではないかとか、
ついカッとなって幼い子供を叱ってしまうのではないかとか。
正直、そういったモヤモヤした不安がいつもありました。
胎教や子育ての情報をむさぼるように読んでも、この本の説得力には敵わないかもしれません。
もちろん色々な子育ての本やネットの情報もすごく大事ですし、とても参考にさせてもらっています。
しかし、私が今まで抱いていた悩み・不安に関する答えを示してくれる情報はあまりありませんでした。
(とは言っても時には納得できる答えのようなものを見つけることもありましたが、時間とともに忘れてしまうというか、
また同じことで悩む、の繰り返しで・・・)
「兎の眼」に出てくる子供たちは、本当に(良い意味でも悪い意味でも)純粋です。
しかし、それが子供というものなんですよね。
・・・と単純にまとめてしまうのはあまりにももったいないと思わせてくれました。
子育ての結論を急がず、子供を「本当の意味で」育てたくなります。
私(親)が子供を思いのまま育てるのではなく、彼らの育っていく力を信じ、それを伸ばしたくなります。
「育てやすい子」にするには、親が子供をそのように支配すればいい。けれど、
「育っていく力」を伸ばすには親の支配は邪魔になる。
最初はショッキングな出来事から始まり、この小説は怖い話かもしれないという不安がありましたが、
だんだんと心が温かくなってくるのを感じることができました。
主人公の小谷先生も、イキイキと描かれる足立先生も素敵でしたが、
私は「バクじいさん」がすごくお気に入りです(笑)。
子育てに関する不安がまた一つ減りました・・・。
出産までにあと最低10回は読み返そうと思います(それは多いのか少ないのか?)。
ちょっとまとまりのない文章で申し訳ございません(汗)。
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