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2018年01月23日

「北朝鮮のミサイルが太平洋通過」…東京で初めて避難訓練

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「訓練、訓練」。22日午前10時3分。東京文京区の遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」で案内放送が流れた。遊園地で乗り物に乗ったりベンチに座って話をしていた市民約200人が直ちに反応した。

  「これは訓練放送です。ミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難してください」。運営要員が「こちらに移動してください。建物の中に入ってください」と叫びながら手を動かして誘導した。市民は指示に従って乗り物から降り、列をつくって移動した。ほとんどが早足または走って避難しながらも冷静な姿だった。地震や火災の避難訓練に慣れている市民はミサイル発射を想定した避難訓練でも速やかに行動した。

  10時7分。市民で賑わっていた遊園地が静かになった。5分以内で野外にいた市民200人ほどが全員避難を終えたのだ。主催側はミサイル発射が感知されて5分以内に市民を避難させるという計画だったが、この日の訓練では計画より1分ほど早く避難を終えた。

  10時8分。「ミサイル通過。先ほどのミサイルは関東地方から太平洋へ通過したものとみられます。不審な物を発見した場合には決して近寄らず、直ちに警察や消防などに連絡してください」。訓練はあっという間に終わった。

  同じ時間、東京都文京区の市民会館でも市民や会社員など約150人が訓練に参加した。サイレンが鳴ると、数十人が建物の地下に移動したり、建物とつながった地下鉄の入口に避難した。参加者はほとんど中壮年層で、体が不自由な高齢者もいた。

  住民の林さんは「会社で午前の休みをとって訓練に参加した。ミサイル発射は地震と同じようにいつくるか分からない。非常状況を想定して訓練していれば、実際の状況で速やかに避難できると思った」と話した。地域自治会の要請で訓練に参加したという矢部さん(80)は「幼いころに戦争の経験があるが、当時のことをまた経験しなければいけないというのは本当につらい。北朝鮮がいつ何をしてくるか分からないので恐ろしい」と語った。

  東京で初めて、北朝鮮の弾道ミサイル発射状況を想定した市民の避難訓練が実施された。これまで日本国内で40回ほどミサイル避難訓練が行われたが、東京の都心で訓練が実施されたのは初めてだ。その間、都心でのミサイル訓練は「国民の危機感を必要以上に助長する」という懸念のため実施されていなかった。しかし昨年8、9月に北朝鮮から2回発射された弾道ミサイルが日本上空を通過すると、日本国内の世論が急激に悪化した。ついに安倍首相は昨年11月の参議院予算委員会で「都心でもミサイル避難訓練を実施する」と述べ、約3カ月後に都心で訓練が行われたのだ。

  訓練は内閣官房と東京都、文京区、消防庁などの主管で2カ所で行われた。市民350人と運営要員150人が参加し、試験的に行われた。日本政府はこの日の訓練を皮切りに都心でミサイル避難訓練を拡大する計画だ。内閣府の末永洋之内閣参事官は「訓練を積み重ねることが周知につながる。決まった訓練計画はないが、人口密集地域での訓練は引き続き実施していく」と明らかにした。

  一方、訓練が実施された場所の周辺では訓練に反対する集会も開かれた。「戦争・治安・改憲NO!総行動」など8つの市民団体は「ミサイル避難訓練は戦争と変わらない」というカードを持ってスローガンを叫んだ。
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