2018年07月06日
【リアル時計仕掛けのオレンジ】暴力や性的暴行の衝動、脳への刺激で抑制できる可能性
https://www.cnn.co.jp/fringe/35121993.html
暴力や性的暴行の衝動、脳への刺激で抑制できる可能性
2018.07.06 Fri posted at 15:59 JST
(CNN) 身体的暴力や性的暴行の衝動は、脳に物理的な刺激を与えることで抑制できるかもしれない――。米ペンシルベニア大学とシンガポールの南洋理工大学が、そんな研究結果をこのほど学術誌に発表した。
これまでの研究では、暴力を振るう人の一部は、脳内で複雑な思考や意思決定を司る「前頭前皮質」に欠損があることが分かっている。そこで研究チームは、脳のこの部分に刺激を与える実験を考案した。
実験は米フィラデルフィアで「健康な」成人81人を被験者として実施。このうち半数には、痛みを感じない程度の電流を前頭前皮質に流す「経頭蓋直流刺激」を20分間行い、残る半数には弱い電流を30秒間流した。いずれのグループにも、実際に刺激を与えているのかどうかは知らせなかった。
続いて被験者に2つの場面を想像してもらった。
最初の場面では、男性が2年前から交際している女性と夕食に出かけ、トイレに立った間に自分の友人がテーブルにやってきて彼女とおしゃべりを始める。戻ってきた男性は、彼女の電話番号を聞き出そうとしている友人と口論になり、ついに相手の頭をビール瓶で殴りつける。
2つ目はカップルの初デートの場面。女性のアパートで映画を見ながらキスを交わし、親密度がさらに深まりそうになったところで女性が拒む。しかし女性に何度も抵抗されたにもかかわらず、男性は女性を性的に暴行する。
被験者にはこのストーリーについて、実際に自分が暴力や暴行に及んでいた可能性を10段階で判定してもらった(0は可能性ゼロ、10は100%の可能性)。
その結果、脳に刺激を与えられた被験者が暴力や性的暴行に及んでいた可能性はそれぞれ47%と70%で、刺激を与えられなかった被験者に比べて低いことが分かった。
この研究にかかわったペンシルベニア大学のエイドリアン・レイン氏は、「犯罪の原因の究明に当たっては、大部分の焦点が社会的要因に絞られる。それも大切だが、脳の画像診断や遺伝学の研究では、暴力行為の半数は、生物学的要因に起因する可能性があることも示されている」と解説する。
同氏はさらに、「我々は社会に許容される無害な生物学的介入を見つけようとしている。経頭蓋直流刺激は最低限のリスクで済む。これは前頭葉切断のロボトミー手術ではない。実際にはその逆で、脳の前部と他の部分とのつながりを良くする必要があるということだ」と強調した。
たとえこの技術が実際に使われたとしても、暴力が一掃されるわけではなく、今後さらに研究を進める必要がある。今回の実験は「健康な」被験者のみを対象としており、暴力的傾向のある人に対しても効果があるかどうかはまだ分からないと研究チームは説明している。
暴力や性的暴行の衝動、脳への刺激で抑制できる可能性
2018.07.06 Fri posted at 15:59 JST
(CNN) 身体的暴力や性的暴行の衝動は、脳に物理的な刺激を与えることで抑制できるかもしれない――。米ペンシルベニア大学とシンガポールの南洋理工大学が、そんな研究結果をこのほど学術誌に発表した。
これまでの研究では、暴力を振るう人の一部は、脳内で複雑な思考や意思決定を司る「前頭前皮質」に欠損があることが分かっている。そこで研究チームは、脳のこの部分に刺激を与える実験を考案した。
実験は米フィラデルフィアで「健康な」成人81人を被験者として実施。このうち半数には、痛みを感じない程度の電流を前頭前皮質に流す「経頭蓋直流刺激」を20分間行い、残る半数には弱い電流を30秒間流した。いずれのグループにも、実際に刺激を与えているのかどうかは知らせなかった。
続いて被験者に2つの場面を想像してもらった。
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最初の場面では、男性が2年前から交際している女性と夕食に出かけ、トイレに立った間に自分の友人がテーブルにやってきて彼女とおしゃべりを始める。戻ってきた男性は、彼女の電話番号を聞き出そうとしている友人と口論になり、ついに相手の頭をビール瓶で殴りつける。
2つ目はカップルの初デートの場面。女性のアパートで映画を見ながらキスを交わし、親密度がさらに深まりそうになったところで女性が拒む。しかし女性に何度も抵抗されたにもかかわらず、男性は女性を性的に暴行する。
被験者にはこのストーリーについて、実際に自分が暴力や暴行に及んでいた可能性を10段階で判定してもらった(0は可能性ゼロ、10は100%の可能性)。
その結果、脳に刺激を与えられた被験者が暴力や性的暴行に及んでいた可能性はそれぞれ47%と70%で、刺激を与えられなかった被験者に比べて低いことが分かった。
この研究にかかわったペンシルベニア大学のエイドリアン・レイン氏は、「犯罪の原因の究明に当たっては、大部分の焦点が社会的要因に絞られる。それも大切だが、脳の画像診断や遺伝学の研究では、暴力行為の半数は、生物学的要因に起因する可能性があることも示されている」と解説する。
同氏はさらに、「我々は社会に許容される無害な生物学的介入を見つけようとしている。経頭蓋直流刺激は最低限のリスクで済む。これは前頭葉切断のロボトミー手術ではない。実際にはその逆で、脳の前部と他の部分とのつながりを良くする必要があるということだ」と強調した。
たとえこの技術が実際に使われたとしても、暴力が一掃されるわけではなく、今後さらに研究を進める必要がある。今回の実験は「健康な」被験者のみを対象としており、暴力的傾向のある人に対しても効果があるかどうかはまだ分からないと研究チームは説明している。
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