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16pn
放射能汚染に脅かされる関東での生活を捨て、単身沖縄にわたってきたエンジニアです。ブログやWebを通じて避難移住の様々な情報を発信して行きます。
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2011年12月21日
那覇空港のトラブルについていろいろ考えてみた
沖縄も、他の地域と変わらず多くの問題を抱えている。が、現実問題として内地に住んでいるときも、沖縄に来てからも、それほどリアルな問題として感じられないままにいた。それは概して、体験による情報ではなく遠い異郷の地におけるニュースに過ぎなかったからだと思う。

最近起きた、那覇空港での自衛隊F15の事故。これがすごく身近な問題として感じられた。


初めて那覇空港に着陸する際、窓の外のサンゴの海に続いて目に飛び込んできたのは、海上自衛隊のP3C対潜哨戒機がずらっと駐機している那覇空港の姿だった。

今回の事故、領空侵犯に対するスクランブル発進時のF15が那覇空港側の管制に制止され、慌てて離陸を中断しようとした二尉殿が誤って出力を絞りすぎエンジンを止めてしまったため油圧系統もダウンして制御不能になったが、かろうじて機体・搭乗員ともに無事だったというものらしい。

正直スクランブル体勢での離陸中止とか危険にも程があり、個人的にはこの二尉殿には同情する限り…というか、良く被害を0に抑えたと賞賛を送りたいほど。しかしなんでこんな事態に発展したのか。それが分からなかった。

調べてみると、話はものすごく単純だった。あれだけの過密スケジュールで民間機の離着陸を行う那覇空港だが、なんと軍民あわせて滑走路はたったの1本しかないということだった。

たった1本の滑走路を民間各社、陸海空自衛隊で共用しているということか。なんという無茶。

そもそもパイロット、管制、どこのミスかどうかという問題以前にこんな無茶をしていたとは。起こるべくして起こった事故なんではないだろうか。人為的ミスを問うには余りにも酷すぎる。

では、滑走路を増設するという話はないのか?調べてみると、'08年ころからそういう話も動いているらしい。沖合に滑走路を増設するというのだ。これが実現すれば少しはマシになるとも思えるが、その滑走路がどういう目的で使用されるかは明らかにされていないようだ。軍民どちらのものになるのか含め、計画の目的がわからないという。そんなんで滑走路の増設事業が認められて話が進んでしまうのかと、驚く限り。

自衛隊や米軍の基地が不要だなんて言うつもりではない。現実に沖縄に米軍基地が存在することで軍事バランスが取れ、不要な侵犯・侵略行為を未然に防いでいるというのもまた現実だからだ。沖縄の軍事基地がなくなったらどうなるか、考えるだに恐ろしい。

しかしそれだからといって、土地を強制収用されただとか騒音による健康被害だとか、そういう我々一般国民に及ぶ被害が許される問題でも絶対にない。こういうことは断じておこしてはならない、という面もまたある。

こうやってわずかの現実を簡単に書き出すだけで、もう問題が硬直化しているのが手に取るように分かる。ほんのわずかの問題に自分が触れただけで、どれだけ長期間こういった先の見えない問題に沖縄の人々がやるせなさを覚えてきたのか、それが今までより少しだけリアルに感じられた。

そして今日の那覇の空もまた、頭上に軍用機が飛んでいく。
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