2016年08月03日
3. 自転車改造:パーツ交換 -6. ハンドル交換
3-6. ハンドル交換
自転車のハンドルにはいろいろな形があります。マイパラスM-650のノーマルのハンドルは一般に「フラットバー」と呼ばれるハンドルですが、ロードバイクで使われる「ドロップ」や、トライアスロンやピストで使われる「ブルホーン」などもあります。それぞれ使えるブレーキレバーやシフトレバー・グリップが異なり、そこまで一度に網羅しようとすると量が多すぎるので、今回はフラットバーの脱着を中心に書きます。
1.ハンドルの外し方
1-1.グリップを外す
まずグリップを外します。外すのはシフトがある側を外す方が良いと思います。というのは、新しいハンドルバーに交換してもシフトをそのまま使う場合、結局元のハンドルからシフトを外して使うことになること、またシフトを外さなければシフトワイヤーがつながっている限りハンドルはフレームとつながったままになるからです。
グリップはグイグイと少し回しながら外に引っ張ると外れますが、外れにくい時は水を根元にスプレーしながら徐々に外していきます。それでも外れないときは中性洗剤を薄く混ぜた水をスプレーしてみてください。この時、絶対にオイルは使わないでください。ハンドルを外すときも着けるときもオイルはグリップが滑る原因となり、事故に直結します。「もうこのハンドルもグリップも使わない」という場合でも意識的に「グリップはオイル厳禁」としておく方が安全です。
1-2.シフト・ブレーキレバーを外す
続いてシフトを外します。レボシフトの固定ネジはハンドルの裏から留められているので、このネジを緩め外側にシフト自体を引っ張ってハンドルから外します。この時、ワイヤーが多少邪魔になりますが、できるだけシフトワイヤーは外さずにシフトをハンドルから抜いてください(シフトワイヤーはリアディレイラーにワイヤーを固定しているナットを緩めると外れます)。シフトワイヤーを外すと必ずシフトの調整が必要になります。慣れた方なら何ということもない作業ですが、自信がないうちに外すと、自転車屋さんで直してもらうことになります。
シフトを外したらブレーキレバーを外します。シフトをハンドルから抜き取ったのと同じ要領で外せる場合にはそのまま外します。もしワイヤーがタイトで抜くことができない場合はまずVブレーキを緩めます(参照:「1.Vブレーキを緩め、ホイールを外す」)。Vブレーキを緩めたらブレーキレバーを思いっきり引き、ブレーキワイヤーの頭が接続されている部分からワイヤーを外します。
ハンドルバーはハンドルの中央、ステムの頭部分のところにあるクランプナットを緩めると外れます。クランプナットを緩めてシフトやブレーキレバーのあった方の逆に抜けばハンドルの取り外しは完了です。もしグリップやブレーキレバーをそのまま使うのであれば、右グリップ・ブレーキレバーと同じように左側も全て外してください。
2.ハンドルの高さ調整
引き上げボルトを緩めすぎるとステムの一番下についている斜めにカットされた「ウス」と呼ばれるパーツが外れて、フロントフォークの穴から落ちて出てきます。このウスはフロントフォークとステムを固定しているパーツなので、慌てずにステムを全部抜いて、先にウスを引き上げボルトで軽く留めてから差し込み、引き上げボルトを締めると固定されます。
3.交換できるハンドルについて
ここまではノーマルのマイパラスM-650 Type2のハンドルの外し方について書いてきましたが、本来の目的はハンドルの交換。ノーマルのスチールハンドルをアルミ製ハンドル交換することで軽量化や、簡単にハンドル幅を調整したりすることができます。とはいってもノーマルステムである限り使えるハンドルには規格や素材の制限があります。
[ 規格の制限 ] バークランプ径:25.4mmのもの。それ以上もそれ以下も不可。
[ 素材の制限 ] フルカーボン素材は原則不可(スチールステムでは断裂等の危険があります。ただしベースがアルミでカーボン巻きになっているいわゆる「アルカーボン」は大丈夫です)
またハンドル形状について、マイパラスM-650 Type2のステムは「スレッドステム(クイルステム)」と呼ばれるタイプで、フラットバータイプのハンドルは簡単に取り付けできますが、「ドロップハンドル」「ブルホーンハンドル」を着けようとすると知恵の輪を通すような作業をする必要があります。特に曲げのきついドロップハンドルなどは通しにくく、通せたとしても傷だらけにしてしまうことも。改造にそれなりに慣れるまではフラットバー以外の取り付けはおすすめできません。
またアルミ製のハンドルは「パイプカッター」を使って簡単に切断できます。フラットバーはMTBなどに使われることが多いため若干幅広のハンドルになっています。街乗りでは広すぎて運転しづらい場面がありますので、両端をカットして乗りやすい幅に調整します。私はW500mmになるように両端をカットして使用しています。パイプカッターは安いのは300円くらいから、良いものでも1,500円くらいで手に入ります。
■ハンドルの候補:その@「BAZOOKA B-004 ストレートハンドルバー Φ25.4/580mm」
アルミ製のハンドルでセールスポイントは「色」と「価格」。赤・橙・黄・青・白・銀・黒から選べ、何より安い。重量もとても軽く175-200g程度(ロットにより重量が違うらしい…)。アルミの番数はわからないものの、MTBのような乗り方はそもそもマイパラスM-650では「禁止」なので、強度的には問題無いと思われる。
カラータイプのものは塗膜が薄いらしく、不注意に扱うと簡単に削れてしまうようだ。対策としてクランプのところにオイルを塗る方法が紹介されているが・・・先に書いた通り、ハンドルにオイルの塗布は是非とも避けたいところ。やるなら潤滑には中性洗剤などを使うほうが安全のために望ましいと思う。走行中に万が一ハンドルが「ぐりん」と回ったら死ねます。
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■ハンドルの候補:そのA「BAZOOKA B-012A アルミカーボン ストレートハンドルバー Φ25.4/580mm」
いわゆる「アルカーボン」のハンドル。よく「アルミにカーボン柄巻いたなんちゃってカーボン」といった記述がありますが、本来のアルカーボンは「アルミの剛性+カーボンのしなり」を併せ持った高性能な複合製法。アルミよりも軽くなることが多く、カーボンよりも耐衝撃性・耐久性に優れているのが特長。「気分だけカーボン」ってわけじゃないんです。重量はカタログ値で175g。
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■ハンドルの候補:そのA「KCNC ランパントフラット 8°/Φ25.4mm/600mm」
イギリスの軽量パーツの有名メーカー「KCNC」。一流ブランドですが価格はお手頃なハンドルが「ランパントフラット 8°/Φ25.4mm」。このハンドルの素材は「6061アルミニウム合金」…そう、上位7000番台アルミに比べ、柔らかくて粘りがある特性を持ち、長距離やハードなライディングでの衝撃に対して高い耐久性と破断しにくさを誇る特別なアルミ。世界を旅するランドナーには安全性と耐久性からこの6000番台アルミのパーツを多用するそうです。重量はカタログ値で168g。
…って「KCNC」ですよ?ロゴひとつで自転車の価値が1つ上がる…とまでは言いませんが、いいパーツの多いメーカーです。ただハンドル周りはシフト・ブレーキ・ライト・サイコンと付属物が多く、しばしばロゴが隠れてしまうのが何とも残念ですが。
KCNC公式HP:https://www.riteway-jp.com/pa/kcnc/kcnc.html
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