新婚1年目の24歳の梨花。
恋愛期間が3年あったけれど、まだまだ、ラブラブでいたい。
でも、27歳で証券会社で働く夫の浩史は、仕事ばっかり。
夜も遅い。
恋愛中は、あんなに必死で時間を作ってくれたのに、結婚すれば
「ごめん、眠い」
「今週は、家でゆっくりしたい」
と、デートもなかなかしてくれない。
なんか、ストレス。そして、今朝のけんか。
「今年のクリスマスどうする?」
「24日も25日も仕事だよ」
「そんなこときいてない」
「23日は、祝日だよ。どっか行く?」
「いいよ。どうせ高いし混んでるし」
「もういい」
なんか涙が出てきた。
どこかに行きたかったわけでもない。せめて、
「ふたりでゆっくりしょうょ」
と、優しく言って、頭でもなでてくれたら収まった。
でも、悲しくて、寂しくて、
「結婚しなきゃ良かった」
そんなことまで考えた。
家にいても退屈なので、午前中だけ、近所のスーパーでパートを
していた。パートが終わって、大学時代の友達の純子を呼び出した。
純子は、すでに2歳の子供がいる。朝の話をした。
「気持ち、分かる」
と、言ってくれるのかと思ったら、
「カニでも買ったら?」
と、言われた。
「カニ?」
「だって、浩史くん、カニ好きじゃん」
「心配しなくても、男なんて、こっちが優しくすれば、
ちゃんとなついてくるから」
「相手に幸せにしてもらおうと思うから腹立つの。自分を
幸せにできるのは、自分だけ」
なんか、純子の言葉には含蓄がある。
浩史にメールした。
「今朝は、ごめん。美味しいカニ注文した。今度の休みは、
二人でゆっくりカニ食べよ♪」
浩史から返信がきた。
「ありがとう。クリスマスははずしたけれど、レストラン予約した」
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